2019.05.26

前半の15点差を覆したラプターズ、フランチャイズ史上初のファイナル進出を決める!

ゲームハイの27得点を挙げてラプターズ初のファイナル進出を強烈に後押ししたレナード[写真]=Getty Images
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4Q中盤にラウリーのスティールからレナードのダンクが決まって優勢に

 5月26日(現地時間25日)、ミルウォーキー・バックストロント・ラプターズによるイースタン・カンファレンス・ファイナルは第6戦を迎えた。

 3勝2敗とNBAファイナル進出に王手をかけたラプターズは、ホームのスコシアバンク・アリーナに集まった2万478人もの大観衆を味方につけて、カイル・ラウリーパスカル・シアカムカワイ・レナードのショットで6-3とリードを奪う。

 だがバックスはマルコム・ブログドンの3ポイントで追いつくと、クリス・ミドルトンの長距離砲、ヤニス・アデトクンボブルック・ロペスがダンクをたたき込み、8点差をつける。

 その後ラプターズに一度は同点に追いつかれるも、ベンチスタートのジョージ・ヒルとアーサン・イリヤソバの活躍で逆転を許さず、バックスは31-18と13点リードで最初の12分間を終える。

 第2クォーターに入ってもバックスのペースは続く。ロペスのフリースロー2本、クリス・ミドルトンのショットに加え、残り7分46秒にイリヤソバの3ポイントで38-23と、リードを15点にまで広げた。

 するとラプターズはシアカムの3ポイントを皮切りに、ラウリー、シアカム、レナードのショットで点差を1ケタに縮めると、フレッド・バンブリートの3ポイントやサージ・イバカのダンクなどで追い上げ、7点ビハインドで試合を折り返す。

アデトクンボ(写真)を筆頭に、バックスはラプターズに最後まで立ちはだかった[写真]=Getty Images

 点の奪い合いとなった第3クォーター。ラプターズは残り8分26秒にマルク・ガソルの3ポイントで5点差まで詰め寄るも、後がないバックスはアデトクンボやロペス、エリック・ブレッドソーが加点し、リードを2ケタに。

 それでも、ラプターズはラウリーの2本連続3ポイント、レナードの3ポイントプレーやプルアップジャンパーで応戦し、5点差へと縮めて最終クォーターへ。

 第4クォーターに入ると、ラプターズのベンチ陣が大活躍。バンブリートのドライブ、ノーマン・パウエルの3ポイントが決まり、残り10分31秒にイバカがダンクをたたき込み、ラプターズがついに追いつく。

 バックスはすかさずアデトクンボをコートに戻すも、ラプターズの勢いは止まらず、シアカムのショットとバンブリートの3ポイントでリードを広げていく。残り約7分には、ミドルトンからラウリーがスティールし、リングへ突進するレナードへとつないでアデトクンボ越しにダンク。ラプターズの8点リードとなり、バックスはタイムアウト。

 ヒルのショットにロペスの3ポイントプレー、アデトクンボのレイアップでバックスが1点差まで猛追するも、ラウリーのショットでラプターズが流れを断ち切る。その後もバックスが追い上げるたびに、ラプターズはガソルとレナードの3ポイントでリードを死守。

 残り29.6秒にバックスはロペスのフリースロー2本で3点差まで食らいつくも、ラプターズはシアカムとレナードがフリースローを決めて勝負あり。最終スコア100-94で制し、フランチャイズ史上初のファイナル進出を決めた。

「ベストチームの一員でありたい」レナードがラプターズをファイナルへ導く

 ラプターズではレナードがいずれもゲームハイとなる27得点17リバウンドに7アシスト2スティール2ブロックと申し分ないパフォーマンスで勝利へと導く殊勲の活躍。「彼はリーグでもベストなプレーヤーだ。我々はトロントに彼がいれくれてうれしいよ」と、ラプターズのバスケットボール運営部門代表を務めるマサイ・ウジリ氏も大喜び。

 第4クォーター残り約7分にラウリーのスティールからたたき込んだダンクについて、レナードは「あのダンクが決まって、アリーナ全体が爆発したね」と、ターニングポイントだったことを明かした。「僕はただ勝ちたい。ベストプレーヤーになることについては気にしていないんだ。僕はベストチームの一員でありたいだけなんだ」と、レナードは自身の現状について口にした。

 なお、レナードのほか、ラプターズではシアカムが18得点、ラウリーが17得点5リバウンド8アシスト1スティール、5投中4本の3ポイントを沈めたバンブリートが14得点、イバカとパウエルがそれぞれ9得点をマーク。

 昨年までレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)率いるクリーブランド・キャバリアーズに何度もプレーオフで敗れたラプターズ。ラウリーは好不調の波が激しく、不調に終わってチームも敗れた際には何度も戦犯扱いされるという悔しい思いもしてきた。「僕のキャリアにおいて、ここまでたどり着くまでにすごく長い時間を要したんだ」と語り、キャリア13年目で初となったNBAファイナル進出を喜んだ。

息子たちと共にファイナル進出の喜びを分かち合ったラウリー[写真]=Getty Images

 一方のバックスでは、アデトクンボが21得点11リバウンド4アシスト2スティール3ブロック、ロペスが18得点9リバウンド3ブロック、ミドルトンが14得点、ブログドンが10得点。ベンチからはイリヤソバが13得点6リバウンド、ヒルが10得点2スティールを挙げるも、あと一歩及ばず。2連勝から4連敗で今季を終えることに。

「プレーオフのシリーズで2勝0敗になろうと、なんの意味もないということ。そこからどうやって戦い、ゲームを締めくくるかを学ばなきゃならない。特に第3戦以降についてはね。僕らは(来季に向けて)チームとして向上しなきゃだし、個人としても成長が必要だ」と、アデトクンボは敗戦の弁を述べた。

 ラプターズは、31日(同30日)から3連覇を目指すゴールデンステイト・ウォリアーズとファイナルで対決することとなる。ラプターズのニック・ナースHCは「相手はNBA史の中でも偉大なチームの1つ」と明かすも、「きわめて大変な仕事だが、我々は(勝てるように)なんとか活路を見出していく」とコメント。

 ファイナル初出場を決めたラプターズと、史上2チーム目となる5年連続のファイナル出場を決めたウォリアーズによる今季の頂上決戦が楽しみだ。

レナード(中央)を軸に初のファイナル出場権を獲得したラプターズ[写真]=Getty Images

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