10月8日、日立市池の川さくらアリーナで「第74回国民体育大会 バスケットボール競技」の少年男子の部決勝戦が行われ、福岡県と宮城県が対戦した。
試合は菅野ブルースのジャンプショットで宮城が先制すると、山崎紀人(ともに明成高校)が加点。福岡はキエキエトピー アリのフリースロー、ハーパージャン ローレンスジュニア(ともに福岡第一高校)の3ポイントで返して一時リードを奪った。中盤は両者堅い守りを見せて停滞するも、宮城は菅野が個人技で打開して残り1分13秒で6点リード。しかし、福岡もアリのインサイドからの得点で粘り、最初の10分間は15-17と宮城2点リードで終えた。
第2クォーターは、立ちあがりから福岡の岩下准平(福岡大学附属大濠高校)が積極的にアタックして6点を積みあげる。宮城はタイムアウトをとって立て直しを図ると、ここで福岡が仕掛けた。
「練習はしっかりやってきましたが、大会に入ってからは使わずにこの時のためにとっておきました。タイミング的にもドンピシャでした」(鶴我隆博監督)と、フロントコートから1-2-2のゾーンプレスを発動。同クォーター残り5分時点では同点だったが、中盤以降は宮城にミスがではじめ、その間に間山柊(福大大濠)のゴール下、ハーパーの3ポイントなどで福岡が差を広げ、38-31でハーフタイムへ。
第3クォーターに入ると、宮城もゾーンプレスからゾーンディフェンスを敷いて流れを変えようと試みる。しかし、ディフェンスの強度をさらに上げた福岡がリズムをつかみ、3ポイントも高確率でリングを射抜く。インサイド陣の間山、アリの得点も決まり、この10分間を31-17で終了。第4クォーターを前に21点の大量リードを作った。
69-48で迎えた最終クォーター、宮城は引き続き相手ディフェンスに苦しみ、外のシュートを打たされる形に。対する福岡は攻守に渡ってコートを駆け回り、反撃の糸口をつかませずに試合を進める。試合終了残り1分31秒時点で31点差とすると、最後はベンチメンバーをコートへ送りだし、最終スコア88-60でタイムアップとなった。
高さのある宮城に対し、福岡は第2クォーターから最後までゾーンプレスを継続。「精神的なスタミナを奪う」(鶴我監督)プレッシャーディフェンスで相手を翻弄して2連覇を達成するとともに、U16カテゴリーに変更後、初の国体王者に輝いた。
■試合結果
福岡 88-60 宮城(@池の川さくらアリーナ)
福岡|15|23|31|19|=88
宮城|17|14|17|12|=60
取材・文=小沼克年