福岡第一は余力を残したままベスト4進出、主将の小川麻斗「圧勝して控えを出すのが目標」

桜丘戦では18得点をマークした小川[写真]=新井賢一

 福岡第一高校(福岡県)は今日も快勝。

 ベスト4進出をかけて戦った桜丘高校(愛知県)との「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」を87-48で制した。

 この試合は今大会の福岡第一にとって3試合目。初戦の北陸学院高校(石川県)戦、3回戦の九州学院学校(熊本)との試合は序盤に硬さが見られ、キャプテンの小川麻斗(3年)も「1、2回戦は自分たちらしいプレーができていなかった」と認める。

 しかし、桜丘戦は出だしから攻守が噛み合い、攻撃では河村勇輝(3年)のアシストから周りのメンバーがテンポよく得点。最初の10分間で計30得点を奪うと、守っては相手を12得点に抑えこんだ。

 試合後、井手口コーチが「昨日の試合後と今日の朝も修正をしたのが上手くいきました。オフェンスもディフェンスも自分たちの思うようにできました」と手応えを口にすれば、第1クォーターから9得点を挙げた小川も「今日は出だしからしっかりとやっていこうと話していたので、出だしがよかったです」と話した。

タイムシェアをしながらも桜丘を48得点に抑えた[写真]=大澤智子

 福岡第一の強さは、2ガードを形成する河村と小川に加え、センターのクベマ ジョセフ スティーブ(3年)を軸とした攻撃力に目が行きがちだが、忘れてはならないのが40分間強度の落ちないディフェンス力だ。

 今大会ではここまでの3試合すべてで全員出場を果たしながらも、各試合で失点を60点以下にとどめている。前述のとおり、桜丘には48得点しか許さなかった。

「その練習しかしてないし、守りに関してはちゃんとやらないと怒られるから(笑)」と井手口コーチは笑うが、「そこはうちのバスケットなので」と強調する。

「ディフェンスをしっかりとやらないとブレイクがでない。ディフェンスをしっかりとしてオフェンスにつなげていくことがこの3試合でもよくできていると思います」。ここまで3戦連続2ケタ得点をマークしている小川も、チームディフェンスについて胸を張った。

 前回大会に続き、圧倒的な力の差を見せつけての優勝まで「あと80分」(井手口コーチ)。明日の準決勝は、報徳学園高校(兵庫県)との接戦をものにした東山高校(京都府)に決定した。

小川は昨年同様、他を圧倒しての優勝へ自信をのぞかせた[写真]=大澤智子

「この3試合プレータイムをシェアできているので、残りの試合はフルで出ても大丈夫です」と小川が言うように、福岡第一はまだまだ余力を残している。

 この日、小川に話を聞いた時点ではまだ準決勝の相手は決まっていなかった。それでも、チームを束ねるキャプテンは「圧勝してベンチメンバーも出すのが目標なので、最初から全力でやっていきます」と自信に満ちた表情であった。

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