2019.12.17

【次世代の主役に迫る④】河村勇輝×小川麻斗(福岡第一)「絶対日本一になる!」

福岡第一の高速バスケットをけん引する小川と河村(左から)[写真]=Basketball King
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バスケットボール界の冬の風物詩とも言えるウインターカップが、いよいよ12月23日に開幕する。令和元年を締めくくる「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」では、どんな選手が大会を彩ってくれるのか——。ここでは、ウインターカップから世界へと羽ばたいてほしい次世代の主役たちに迫った。

【次世代の主役に迫る④】
小川麻斗 福岡第一高校3年(福岡県)/177センチ/SG
河村勇輝 福岡第一高校3年(福岡県)/172センチ/PG

ウインターカップ連覇を狙う福岡第一高校(福岡県)。前回大会では全試合で20点差以上をつける圧巻の強さとスピードを披露し、今年に入ってもその勢いのまま夏のインターハイを制した。その原動力となっているのが、河村勇輝小川麻斗の2ガードだ。2人は決して身長でアドバンテージがあるわけではないが、「彼らくらいの力があればミスマッチは関係ない」と指揮を執る井手口孝コーチに言わしめるほどのスピードとテクニックで相手を翻弄し、観客を魅了する。今年の高校バスケ界の顔とも言える最強コンビに、互いの関係性や今大会にかける思いを聞いた。

インタビュー・文=小沼克年

自他ともに認める高校界最強2ガード

――2ガードとして一緒にプレーしている中で、お互いはどんな存在ですか?
河村 2ガードという井手口先生の考えがあり、2人で1年生の頃からやってきています。プレー面でも精神面でもお互い助け合ってやれていますし、(試合では)自分がドライブした時にキックアウトからの3ポイントを決めてくれたり、調子が悪い時に麻斗が引っ張って流れを作ってくれたりするのでとても頼りになる存在です。

小川 河村は、自分にいいパスを出してくれるところが信頼できるところです。河村が止められた時は自分が点を取って、自分が止められた時には河村が点を取るという部分では相手も守りにくいと思います。

――2人の間で「ここは勝っているな」という部分を教えてください。
河村 麻斗はすごく爆発力がある選手ですけど、試合によっては安定していない時もあります。そういった意味では、自分の方が少し安定感があるかなと。

小川 ディフェンスでは負けていますけど、シュートとドライブは負けてないと思っています。

――1on1はどちらが強いですか?
小川 個人練習で何回かやったんですけど、1勝4敗とかで負けてますね。

河村 たまたま自分が調子が良かったか、麻斗が調子悪かったか。どちらにせよそんなに差はないかなと……。

――コート外での印象はいかがですか?
河村 基本バスケでも私生活でも真面目で、世間の方が見ているとおりだと思いますよ(笑)。

小川 バスケの時は真面目ですけど、練習が終わるとはしゃぐというか、練習では見られない部分が見れる(笑)。オンとオフがしっかりしてる選手だなと思います。

――河村選手は福岡第一が展開する高速バスケットの中心にいると思います。
河村 自分のスピードだけが第一の速攻ではなくて、みんなで走っているからこその速攻だと思っています。全員で守って、自分がボールを持った時は必ずみんなが走ってくれているので、自分がみんなをどう活かすかというのを一番意識していますね。

――今年は“ダブルキャプテン”としてチームを引っ張っています。
河村 最初の頃はなかなか自分が周りに注意したりできなくて、麻斗に負担をかけていることが多かったです。だけど、最近はチームのモチベーションが上がらない時には自分も声を出して周りを鼓舞しているので、そういった部分では自分としても成長したなと思います。もっと2人で助け合えたらチームがいい方向に向かうとも思っています。

小川 自分はプレー以外の部分で声をかけて、河村は試合中やプレーでの声掛けがそれぞれの役割だと思っています。お互い注意をするタイプではないので最初は苦労しましたけど、徐々に慣れてきたという印象です。「キャプテンは嫌われ役」とも言われるので、自分たちも嫌われるようにここまで頑張ってきました。

最後の集大成、絶対日本一になる!

――ウインターカップを前にレベルアップした部分できた部分はありますか?
河村 チームを引っ張る責任感です。昨年は松崎(裕樹/現・東海大学1年)さんがキャプテンとしてすごく大きな存在でしたけど、今年は核となる自分たちが練習や試合で責任感を持って、周りから見られているという意識を持ってやってきました。なので責任感はすごくついたかなと思います。

小川 インターハイ後は河村とアメリカに行って、「バスケの原点であるアメリカの人たちはどんな練習をしているのか」を経験できました。自分はドライブやシュートが持ち味ですが、シュート確率を上げることだけでなくアシストも増やせるように意識して練習に励みました。

――連覇がかかるウィンターカップは、2人にとって高校生活最後の大会です。改めてどんな大会にしたいですか?
河村 インターハイの時は、まだまだ完成しきれていないチームが多かったですが、ウインターカップの時期には成熟してきて夏とは違った強さを発揮するチームが多かったりします。最後の集大成なので、完成度のピークをウインターカップに持ってきて色んな人たちに感動を与えられるようなプレーをしたいです。

小川 今年のインターハイは最終的に優勝できましたが、自分たちが手を抜いたら負けていた試合ばかりで、決して楽ではありませんでした。ウインターカップも油断すれば負けてしまうので、初戦から勢いをつけて日本一になりたいです。河村の負担をいかに減らせるかも大事になってくるので「自分がやらないといけない」と燃えています。

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