2021.05.18
12月23日に都内で幕を開けた「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」(以降、ウインターカップ)。武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)では、男子1回戦で福岡大学附属大濠高校(福岡県)と県立海部高校(徳島県)が対決した。
試合は福大大濠がキャプテンの西田公陽(3年)のリング下とレイアップで好スタートを切り、横地聖真や木林優(ともに3年)らが点を積み重ねていく。ディフェンスでは高さと長さを駆使して県立海部のシュートミスやターンオーバーを誘発し、第1クォーターを終えて28-6と大差をつける。
その後もリードを保った福大大濠は、エントリーした15選手全員がコートに立ち、101-56で勝利。県立海部は試合が進むにつれてターンオーバーを減らし、激しいディフェンスで突破口を開こうとトライしたものの、初戦敗退となった。
2年ぶりに冬の大舞台へと返り咲いた福大大濠の片峯聡太コーチは、試合を終えて「2年ぶりのウインターカップということで、横地や西田、木林のようなキャリアのある選手たちも、ちょっと構えて様子を見て入っている部分があったので、そういった意味ではこの初戦があって良かったな、というのがあります。他の選手にもプレータイムを与えることができたので、共有しながらできたことは非常に良かったと思います」と振り返った。
もっとも、片峯コーチは「私の中では120点くらい、しっかり走って取って、スリーも打って、絶対相手を50点以内に抑える」というイメージがあったため、この試合について及第点を与えるかと思いきや「10点」と厳しい点数に。
「フリースローを落とす、3ポイントを打つ前に人を探している。その時点で喝を入れなくてはいけない選手が何人かいるので、10点です」と、25日の2回戦に向けて厳しい見方をしていた。
片峯コーチとしては、「突き離せなかったというか、決めるべきものを決めたかった。相手はある程度ゲームをコントロールしていましたし、ミスが少なかったです。逆に我々は、ターンオーバーが15くらい(実際は17本)あるんじゃないですか。締まり切ったゲームになってなかったというのが大反省だと思います」と言及。
一方、エースの横地はこの日、16分45秒間コートに立って13得点5リバウンド5アシスト2ブロックと、まずまずの成績を残したものの、25日に対決する開志国際高校(新潟県)との2回戦を前に反省点を口にしていた。
「1クォーターの終わりにアイソレーションをしたんですけど、相手ディフェンスもタイトにきてて、自分のハンドリングも最初はミスも多かった。入りとしてはチーム全体として悪くはなかったんですけど、自分は良くなかったです。開志国際戦では入りからもっと引き締めていきたいと思います」
とはいえ、試合の中でドライブからリング下の木林へ好アシストを決めたり、第3クォーターにはディフェンシブ・リバウンドからボールプッシュしてアシスト、あるいは鮮やかなレイアップを放り込み、得意のプレーをコート上で見せつけていた。
「1クォーターの時は相手がタイトだったので、あまりプッシュができなかったのですが、やるしかなかった。(3クォーターで)自信にはなりました」と横地。特に3クォーターで決めたレイアップシュートについては「気持ち良かったですね。なかなかうまくいかなくて、ちょっとイライラしてたんで」と語った。
その第3クォーター中盤。横地はフロントチェンジで相手ディフェンダーをアンクルブレイクさせると、リング下へ突進して肩越しの背面パスでチームメートの得点機会を演出する場面もあったのだが、「いやぁ(練習でも)全然やってないんです。自分は魅せるプレーとかは、あまりしないです」と、横地は意外にもその場の判断でプレーメイクしていたという。
福大大濠が25日に迎え撃つ相手は、今年のインターハイでベスト4に入った開志国際。横地は「相手には2、3人分の働きをする留学生(ジョフ ユセフ/3年)もいます。でもうまく自分たちでカバーしていけば、絶対やっていけると思うので、自信を持って臨みたいと思います」という言葉を残した。
以前、「自分たちは今のところ、福岡第一以外に負ける気はありません。“打倒・福岡第一”ですので、ウインターカップ予選と本戦でどれだけ第一との差を詰めることができるかだと思います。ウインターカップでは福岡同士で戦い、最後は福大大濠が勝てるように頑張ります」と語った横地と福大大濠にとって、開志国際との2回戦はマストウィンゲーム。
大熱戦が期待できるこの一戦は、是非とも注目していただきたい。
取材・文=秋山裕之
2021.05.18
2020.02.27
2019.12.31
2019.12.17
2019.08.07
2019.06.30