昭和学院が千葉県予選優勝、敗れた英和も6年ぶりのウインターカップへ

昭和学院は三田七南(右)を中心に千葉英和に勝利 [写真]=小沼克年

決勝戦は昭和学院が32点差の圧勝

千葉英和はキャプテンの志村愛莉がチームをリード [写真]=小沼克年


 10月24日、船橋アリーナにて「令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ2020)千葉県予選会」の2次ラウンド男女決勝戦が行われた。

 昨年同様、千葉県女子のウインターカップ出場枠は2つ。この日の決勝に進んだ千葉英和高校と、全国常連校の昭和学院高校は試合前の時点で本戦出場が決まっており、優勝決定戦という形で相まみえた。

 第1クォーターは両チームともにキャプテンが最初の得点を決めて幸先良くスタート。開始3分間で10-7と順調にスコアを伸ばしたが、昭和学院は西ファトゥマ七南(2年)の3ポイントシュートで一歩抜け出す。対する英和は、タイムアウトを挟んでディフェンスをゾーンに変更。相手を揺さぶろうと試みるも、昭和学院は落ち着いて空いたスペースをつき内外から加点。最初の10分間で9点リードを作った。

 第2クォーター、昭和学院は開始から花島百香(2年)、三田七南(3年)がインサイドで存在感を見せて相手を引き離す。だが、英和も田丸実来(2年)の3ポイントが決まると、キャプテン・志村愛莉(3年)らも続いて点差を1ケタに戻した。中盤以降は英和が随所に走るバスケットを披露して相手についていく展開。このまま10点前後の点差で前半が終わると思われたが、終盤、昭和学院は三田、田平真弥(2年)が貴重な3ポイントを沈め、52-37でハーフタイムを迎えた。

 後半も昭和学院が先手を取り、点差を20点に広げることに成功。これ以上引き離されたくない英和は、ガードの上田真帆(2年)が積極的に仕掛けるも、相手の高さに阻まれてオフェンスが停滞。183センチのセンター・高根澤伽心(3年)もミスが続いてベンチへ下がり、志村が個人技からタフショットを決めるのがやっとという状況になってしまった。

昭和学院は2年生の田平真弥が積極的にアタック [写真]=小沼克年


 第3クォーターを28-11とし、32点差で最後の10分間に突入した昭和学院。残り5分を切っても大量リードを保つと、最後はベンチメンバー全員を出場させ最終スコア96-65で圧勝。2年ぶりの優勝を果たすとともに13年連続のウインターカップ出場を決めた。

昭和学院は13年連続、英和は6年ぶりウインターカップ出場

果敢に攻めた昭和学院が千葉英和に貫録勝ち [写真]=小沼克年


 県協会からの推薦により決勝までの試合が免除された昭和学院は、この試合が2月の関東新人大会(令和元年度 第30回関東高等学校バスケットボール新人大会)以来の公式戦。やはり、いきなり1試合のみの決勝戦は難しかったようで、鈴木親光コーチは試合後、勝利に安堵しつつも「試合前のウォーミングアップも何をやればいいのか迷いましたし、我々も色々と確認しながらやりました」と振り返った。

 試合については、「シュートは入っていたんですけど、ディフェンスのミスが多かったです。英和さんは速いので、走られないようにディフェンスの戻りを速くするよう指示していましたが、前半走られて3ポイントを決められてしまいました」と総括し、ウインターカップへ向けての反省材料として持ち帰った。

 一方、敗れた英和・森村義和コーチは「うちは細くて小さい選手ばかり、(昭和学院とは)体が違いすぎました」と、フィジカルの違いを実感。実際の試合でも、当たり負けしてオフェンスリバウンドを取られるシーンが多く見られた。それでも、17日の代表決定戦では幕張総合高校を93-66で退け、千葉県代表の座を勝ち取ったことについては「ここまでよく勝ってきた」と選手たちを称えた。

 英和としては6年ぶり3度目となるウインターカップ。森村コーチは「ディフェンス力などの基本的な部分の見直し、あとは、現状6人で戦っている状況ですので、7人目、8人目が育つようにやっていきたい」と今後を見据えたほか、大黒柱・高根澤のさらなる成長を促した。

「身長は大きいですけど、ミスが多いとチームのリズムが狂ってしまいます。まだまだ成長の余地があるので、ウインターカップまでにもう少し頑張ってくれれば、チームとしてもレベルアップできると思います」

文・写真=小沼克年

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