Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
コート上の5人が積極的にアウトサイドシュートを放って得点を重ねる今年の八雲学園高校(東京都)は、インターハイ初戦で92得点、続く2回戦でも106得点を積み上げてベスト16まで勝ち進んできた。
しかし、8月12日に行われた岐阜女子高校(岐阜県)との「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」3回戦では、61−72で敗戦。「やっぱり試合巧者ですね。試合の持っていき方が上手でした」。指揮を執る高木優子コーチは、そう試合を総括した。
立ち上がりからセンターのアググア チカ・チュクウ(3年)に連続得点を決められ先手を取られた八雲学園。第2クォーターこそ一時リードを奪ったものの、すぐに返されて7点ビハインドで試合を折り返す。後半に入っても最後まで岐阜女子の堅守を崩せず、反対にチュクウに30得点、ガードの藤澤夢叶(3年)にも計26得点を奪われてしまった。
一方、八雲学園のエースを務める久米田琉菜(3年)は、試合開始から徹底マークに遭い自由を奪われた。直近2試合で計51得点を挙げた久米田だが、この日は12得点と振るわず。一方、そのエースに代わり、最後までリングに向かい続けたのは2年生の薮未奈海だった。
上背がありながら、持ち前の柔らかいシュートタッチでリングを射抜いた籔は、チームトップの18得点をマーク。久米田と同様、間合いを詰められて警戒されたが、「その分、縦に切り込めば抜けると思いました」と随所にドライブを仕掛け得点を積み上げた。
「自分は得点を取ることが求められています」と言うように、自身の役割を全うした薮。今大会は3試合で終えることになってしまったものの、1試合平均22得点(計66得点)という数字を残した。
「空いた時は自分のシュートが打てていたんですけど、相手にマークされた状態でも決められるようにならなきゃいけないと感じました。3ポイントもジャンプシュートも、チームが苦しい時の1本を決められるようになりたいです」
期待の大型シューターは、自身初のインターハイをそう振り返り大会を後にした。八雲学園の真のエースになるための挑戦は、まだ始まったばかりだ。
写真=伊藤 大允
取材・文=小沼克年