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7月27日、「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子3回戦が行われ、愛知県代表の桜丘高校が前回覇者の福岡第一高校(福岡県)に挑んだ。
「福岡第一といえば堅守速攻。ファストブレイクを出されたら我々に勝ち目はないので、それを止めるための練習をしてきました」(桜丘・水越悠太コーチ)というように、試合では準備してきたゾーンなどの変化を加えたディフェンスで福岡第一に対抗。「相手も手詰まりのところがあったと思うので、準備してきたことを選手たちがちゃんと表現してくれたと思います」と、第1クォーターで3点のリードを奪うと、第2クォーターには平寿哉(3年)のバスケットカウントなどもあり、39ー32と点差を広げ、理想的な形で前半を終えた。
「組み合わせ決まってから、もちろん1、2回戦もおろそかにすることはないのですが、(勝ち上がれば3回戦が)福岡第一ということで、選手たちとも練習をしてきました。選手たちは悔しい思いを持っていると思いますが、今の段階で100点のゲームをしてくれた。私としては、本当によく頑張ったし、全国大会という場であれだけのプレー、パフォーマンスをよく発揮してくれたと思っています」と、試合を振り返った水越コーチは、王者にひるむことなく向かった選手たちの頑張りを称えた。
一方、「接戦の中で自分がもっと確率よくシュートを決めていれば、チームに流れが来たと思うし、エースとしてやっている以上、勝たせるという役目も果たさないといけなかったと思います」と、悔しさをにじませたのは舘山。この試合13得点10リバウンドとダブルダブルの数字を残したが、試合終盤は福岡第一の厳しいマークの中で得点が伸びず。「マークが厳しくなるというのは分かっていたことなので、分かっていた以上、次にどうするか、それでもシュートを決め切るということは、ウインターカップに向けて絶対必要だと思います」と、課題を語った。
インターハイ3回戦では同じく愛知県代表の中部大学第一高校も敗退。ウインターカップの愛知県男子の出場枠は1つとなり、ウインターカップ県予選はそのたった1枠を中部大第一らと争うこととなった。
「キックアウトからの3ポイントシュートが入らなかったり、ディフェンスではチームとして共通認識されているところを試合中に熱くなって忘れてしまったりしていたので、チームのルールを一人ひとりが徹底してやること。そうすれば、いい結果につながると思います」と、舘山は11月の戦いを見据える。
指揮を執る水越コーチも、「しっかりチームを作っていきたいですし、私自身はワクワクしています」と、発した。
敗れはしたものの福岡第一戦でつかんだ手応えをステップに。桜丘はチーム一丸となって次なる目標、冬の全国行きの切符をつかみにいく。
取材・文=田島早苗
写真=伊藤大允