6月29日に開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区1次予選」のWindow3を控え、男子日本代表は千葉ポートアリーナで前日練習を行なった。
「いい練習ができた。どれだけ自分たちの力が出せるか」田中大貴
今回のWindow3には篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)とともにキャプテンに指名された田中大貴(アルバルク東京)は、「いい練習ができたと思っているので、本番でどれだけ自分たちのやってきたことを出せるか」と、大切な一戦に向けての心持を語った。韓国との親善試合では2試合とも欠場となったが、「その後からチーム練習に同流して、対人練習もガンガン行ってきているので問題ない」と、体調面での問題は解消していることを明かしている。
オーストラリアの印象について聞かれると、「高さがあってフィジカルも強いチーム」と認識。「NBAの選手(マシュー・デラベドバとソン・メーカー、ともにミルウォーキー・バックス)が加わり、現状格上なのは承知しているので、思い切りチャレンジするだけ。前回はリバウンドでやられた部分も大きいので、少しでも差を縮められるように意識してやりたい」と意気込みを口にした。
体調の問題が解決されたこともあり、田中の表情はMVPを獲得したBリーグチャンピオンシップ・ファイナルの時のものに戻っていた気がする。オーストラリア戦の12名には宇都直輝(富山グラウジーズ)が外れているが、富樫勇樹(千葉ジェッツ)と篠山竜青のポイントガードの控えとして、フリオ・ラマスヘッドコーチは比江島慎(シーホース三河)の名前をすぐにあげ、その後に田中がポイントガードとしてプレーする可能性に関しても言及している。それだけに田中にかかる負担は大きくなるが、強豪を前にどのようなプレーを見せてくれるかが楽しみだ。
「チーム状態はピーク。いい緊張感を持って試合に臨める」比江島慎
田中の後、メディアの前に姿を現した比江島は、「今は(オーストラリア戦が)とても楽しみで、いい緊張感がある。準備はしっかりとできたので、チームの状態はピーク」と試合前の心境を口にした。NBAプレーヤーの2人が新たに加わった相手について、「(デラベドバには)オーラを感じるが、リスペクトしすぎることなくぶつかっていく。自分の持ち味の1対1やドライブを仕掛け点を取る。これができないと勝てないとわかっているので」とエースとしての決意を口にした。試合では、デラベドラとのマッチアップも想定できるが「ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)を苦しませたディフェンスの持ち主。楽しみだし、勝つために挑戦していこうと思う」と闘志をのぞかせた。
また、6月15日と17日に行われた韓国代表との強化試合で日本代表デビューを果たした、ニック・ファジーカスと八村塁については「それぞれのパターンやセットがあり、チーム全体として(彼らと)アジャストできてきた」と2週間の成長を口にしたが、その成果については「国際試合でやってみないと分からない部分もある」とした。
練習中の表情もよく、インタビューの間に何度も強い決意を感じさせた比江島は、「やるべきことは全てやってきた。素晴らしい準備をしてきたので、あしたは全部出して勝ちに行きたいと思う」と話した。
オーストラリア代表とのWindow3は、千葉ポートアリーナにて6月29日の19時40分試合開始となっている。
文=入江美紀雄