11月29日、カタール戦を翌日に控えた男子日本代表は、試合会場となる富山市総合体育館で公式練習を行った。午後5時30分から開始された練習は1時間半に及び、残りの15分間が報道陣に公開された。そこでは選手たちは2つのサイドに分かれてシューティングを行い、シュートタッチを最終確認。決戦を前にしながらも選手たちの表情はリラックスしており、ここまでの調整が順調に行われていることを感じさせる様子だった。
その後、フリオ・ラマスヘッドコーチ、比江島慎(ブリスベン・ブレッツ)、馬場雄大(アルバルク東京)が記者会見に臨む、現状やカタール戦への意気込みを語った。
開口一番ラマスHCは「全てが順調に進んでいる。すぐにでも試合をしたい気持ちだ」ときっぱり。「今回は(竹内)公輔(栃木ブレックス)を招集でき、ディフェンスとリバウンド、そしてサイズアップの面で期待している。加えて(竹内)譲次(アルバルク東京)、ニック(ファジーカス/川崎ブレイブサンダース)、(太田)敦也(三遠ネオフェニックス)、(市岡)ショーン(レバンガ北海道)、(張本)天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)がそろうことでチーム全体のサイズアップが図れ、理想のメンバー構成となった」と自信をのぞかせた。
さらにラマスHCは記者会見の席上、Bリーグの選手へもメッセージを送った。「今回公輔を選んだが、彼のBリーグでの活躍、そして今のコンディションの良さを見込んでの招集だ。このようにBリーグの選手全員には代表で戦うチャンスがあると言いたい。その中で競い合い、代表の座を勝ち取る。それが代表チームというものだ」。
FIBAワールドカップ アジア予選では4連敗を喫し、その後4連勝と巻き返してはいるものの、もう負けられない“崖っぷち”状況であることには変わらない日本代表。その厳しい状況にある中、ラマスHCはカタール戦に集中することの重要性に言及した。「現段階では明日のカタール戦のことしか考えていない。他のことに気が行ってしまうと負けてしまうこともある。大事なのは今を考えること。未来は見ない。そして過去は振り返らない。今日も明日もカタール戦の準備をするのみ」と強い口調で語っている。
今日のカタール戦に勝利しなければ、12月3日のカザフスタンも見えてこない。まずはカタール戦に必勝態勢で日本代表は臨むことになる。観戦チケットは完売となっており、これまで以上に熱い応援が繰り広げられるはず。運命のティップオフは午後7時の予定だ。
文=入江美紀雄