2023.06.18

スペインリーグからU19日本代表へ…岡田大河「コート上で誰よりも戦わなきゃいけない」

U19日本代表としてワールドカップに臨む岡田大河[写真]=伊藤大允
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 6月24日から7月2日にかけて開催される「FIBA U19バスケットボールワールドカップ2023」に向け、U19男子日本代表は6月14日から16日にかけて第3次強化合宿を実施。スペインリーグでプレーする岡田大河(Zentro Basket Madrid)は、今回初めて年代別の日本代表に選出された注目のポイントガードだ。

「自分は日本代表に参加する機会に恵まれなかったので、このチャンスを生かして、ワールドカップで自分の力を出し切れるように、チームに貢献できるようにやっていきたいです」

 合宿でのメディア対応に応じた174センチの司令塔は、2021年に17歳の若さでスペインでのプロデビューを果たすと、その翌シーズンはすべてをプロ選手としてプレーした。自身のチームは岡田と同じく若いメンバーが中心なのに対し、所属するリーグにはベテランの選手が多かったという。

「勝負所での自分の判断ミスで勝ち切れなかったり、5点のリードが1分で逆転されたり、シーズン序盤は責任を感じていました」と、思うように勝てないチーム状況に苦しんだ時期もあった岡田。しかし、「若いというのは“言い訳”でしかない。コートに入ったら関係ない」と語る19歳は、「シーズン終盤ではチーム勝たせることができたでの、一つの成長だと思っています」と浮き沈みのあったシーズンを乗り越え、U19日本代表への扉を開いた。

 アメリカへ留学する選手が多いなか、独自の決断を下した岡田は、「スペインで練習に参加する機会があって、今の年代でバスケットIQを学べるのはスペインなんじゃないかなと思いました」と、その理由を語る。

「個人技はもちろん、バスケットIQがないと、自分みたいに体格が恵まれていない選手は高いレベルでやっていけないと思っていました。1度ヨーロッパでの大会に参加したとき、自分のチームは全敗して、個人的にも不完全燃焼に終わりました。『このまま海外に行かなかったら、同じ世代の選手に置いていかれる』と、感じることができたのでこの決断になりました」

「自分たち次第で結果は変わる」と意気込む岡田[写真]=伊藤大允

 個性豊かなメンバーがそろった今回のU19日本代表チームについては、「自分たちはシュート力がすごくあると思っているので、そこをうまく生かすためにも、ポイントガードが大事になってきます」と、力強く語った。

 選出された12名の中で最低身長となる岡田だが、「コートの中で誰よりも戦わなきゃいけないなと思っています。身長や体格に恵まれてなくても、A代表で結果を覆してきた選手たちを見ているので、自分もその1人になれたらいいなと」と、活躍する先輩たちを目標に、闘志を持って大舞台へと臨む。

 世界の強豪国と戦うにあたっては、「苦しい場面がすごい続くと思うんですよ。楽な場面よりも、我慢しなければいけない試合展開ばかりになると思います。その中で自分が1本のパスやシュートで試合の流れを変えられるようにしたいです」と話し、ゲームチェンジャーとしての役割に意欲を見せた。

「今までスペインでは、いろんな国の代表選手をチームメートや対戦相手として見てきました。このワールドカップに参加するのは、これからヨーロッパや世界でどんどん活躍していく選手だと思っているので、そこで自分がどれだけやれるか楽しみです」

 異国の地での武者修行を続ける司令塔は、同世代のライバルたちが一堂に会するワールドカップで、どんなプレーを見せてくれるのだろうか。

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