第21回Wリーグは12月6日(金)より後半戦がスタートする。そのWリーグの公式応援アーティストを務めるのがami・Nono・ MOMOKAの3人で構成される本格派ボーカル&ダンスグループのJewel(ジュエル)だ。
公式応援アーティストとして3シーズン目となる彼女たちに女子バスケットのこと、そしてWリーグ公式応援ソング第3弾『夢が夢じゃなくなる日まで』について話を聞いた。
スポーツ観戦で初めて泣いたのが女子バスケット
――Wリーグ公式応援アーティストとなって3シーズン目ですが、これまで学生時代などにバスケットボールとの関わりはありましたか?
Nono 体育の授業でやる程度でした。ただ、小学生の時にすごく仲良かった女の子がバスケットボールが好きで、昼休みになると校庭に出てシュートの練習を一緒にやっていました。その友達がキッカケで、体育の授業ではバスケットが一番好きでした。
ami 私は運動神経があまり良くないので、自分でやるのはちょっと苦手で…。でも、仕事として関わらせていただいてからからすごく興味を持ちました。
MOMOKA 私もamiと同じで運動神経があまり良くなかったので、バスケットというかスポーツ全般にあまり関わってこなくて、体育の成績も『3』というタイプでした。
ami 5段階中?
MOMOKA そう。
ami 超、普通(笑)
MOMOKA 『2』は取らないけど、良くもない。だからスポーツできるクラスの女の子を「いいなぁ」と思って見ていました。
――ダンスを見ていると運動神経良くないとは思わないのですが…。
3人 (声をそろえて)全く別なんですよ~。
――そうなんですね。さて、皆さんから見た女子バスケットの魅力とは?
Nono 私が言える立場ではないですが、技術がすごいなと思っています。バンバン、シュートが入るし。
ami 気持ちいいよね。
Nono あとは、開幕戦などいろんな会場で歌わせてもらっていますが、皆さんの暖かさをすごく感じています。
MOMOKA もともと、バスケットとの関わりはBリーグのハーフタイムショーに出演させてもらったのがキッカケだったので、先に男子の試合を見ていました。その後に女子バスケットを見たら、「同じ女性なのに何でこんなに動けるの?」って。
シュート確率やチームプレーの精度の高さなどビックリすることがたくさんありました。試合前のアップの時点で3人とも「何であんなにリングに吸い込まれてるの?」って驚いていました。
Nono 掃除機みたいな(笑)
ami あと、スポーツ観戦をして初めて涙が出たのも女子バスケットでした。見ているだけでチームワークや支え合っていることが伝わるし、対戦相手に対しては普通ピリピリするはずだけれど、そこもスポーツを通してぶつかり合っているのが強く出ている。フロアに転んでいるのが相手チームの選手だとしても手を差し伸べている姿が素晴らしいなと思います。
Nono MOMOKA (大きくうなずく)
ami 初めてそれを見た時は「え、ほんとに?」って驚いて。でも、戦うべきはプレーだというのがしっかりしているんだなと。そういう姿に勇気がもらえるし、感動をもらえる。すごいスポーツだなと思いました。
――初めて泣いた試合は?
ami 大神雄子さん(現・トヨタ自動車アンテロープスアシスタントコーチ)の現役最後の試合、2シーズン前のプレーオフ・3位決定戦です。
MOMOKA 大阪で見た試合だよね。
Nono スタッフも含めてみんな泣いていた。
MOMOKA その後に出番があったので、準備をしないといけなかったのですが、どうしても見たいからってギリギリまで見させてもらって。
私たちは公式応援アーティストをやらせていただいているので、特定のチームを応援しているというのはないのですが、あの時は大神さんが引退すると聞いていたし、相手の負けたくない気持ちも伝わって、すごく鳥肌が立ちました。
カッコよくてカワイイWリーグの選手たち
――手を差し伸べるという話が出ましたが、バスケットの中でグッとくるシーンはありますか?
MOMOKA いっぱいあるなー。
Nono グッとくるというか、カワイイなと思うのは、シュートが入った時のベンチにいる皆さんのリアクション。フリースローで足を組み替えるチームもありますよね。
MOMOKA (話の途中で)あ、それはアンテだね。※ファンや関係者はトヨタ自動車アンテロープスのことを“アンテ”と略して呼ぶ。
Nono あの動作はかわいいし、女子らしいなと思います。
ami 後は端にいる選手がみんなにハイタッチしていくのもカワイイ。
MOMOKA あれは若手の選手たちがやっているよね。私は、バスケットカウント取る前、(ボールを目で追いながら)ベンチのみんなが立ち上がっているところが好きです。
ami フリースローのシーンとした時も。コートに立っているわけではないのに私も息が止まる。たとえシュートが外れたとしてもチームメイトが周りに聞こえるくらい声を掛けたり、入ったら入ったでみんながめちゃ喜んだり。
Bリーグでは相手のブーイングなど“音”があるけれど、Wリーグは少ないから、それであの静かなフリースローになっている。だけど、私はあの空気感がすごく好きです。
MOMOKA めっちゃ静かだからボールを突く音も聞こえるしね。
――フリースローのルーティンも選手によって違いますよね。
ami (MOMOKAを見ながら)最近は選手のシュートシーンを真似するんですよ。
Nono MOMOKAはすごい詳しいんです。
ami え、(シュートを打つことが)できるの?
MOMOKA できないんだけど、それっぽいやつをやるの。
Nono エアーで?
MOMOKA そうエアーで。
――マネしやすい選手はいますか?
MOMOKA ワンさんです(王新朝喜/三菱電機コアラーズ)。片手で入るのすごいですよね。この間、体育館で実際にシュートを打ってみたのですが、全然できなかったです。
――グッと以外にカッコイイ!と思うプレーは
ami ノールックパスは毎回、「あっ」て椅子から立ちそうになります。「どこに目が付いてるの?」って。
――予想と反するところにパスが行く時がありますからね。
MOMOKA 信頼感がないとできないですよね。
Nono よくあのパスを取れますよね。
ami 「ノールックで行くよ」って試合中、言えないもんね。
MOMOKA 周りも来ると思って構えてないとできないよね。私はダブルクラッチが大好き。なかなかやる選手はいないですが、あれが出た瞬間にさすがだなって思います。
Nono 私はパスを出すのを指示している姿がカッコイイと思います。
――カッコイイ面のある選手たちですが、実際に話をしての印象は?
ami すっごく優しいです。
Nono 漫画の中から出てきたみたいな。
MOMOKA 分かる!
Nono そんな感じだよね。コート外だと優しいお姉さんという感じだけど、コートに立った途端、『白馬の…お姉さま』みたいな。
MOMOKA お姉さま(笑)。私たち、普段は上から試合を見ていることが多いので、そこまで大きさを感じないんです。でも、試合後に並んでみると大きいなと。逆に小さい選手でも『この身長であんなプレーしてたんだ』と思います。
ami ファンの皆さんももちろんですが、何より選手の皆さんの気持ちが高まってほしいなと思って歌っているのですが、選手の方たちとコート外でお会いした時に「聞いているよ」とか「練習の時に体育館で流しているよ」と声を掛けてもらうと本当にうれしいです。
Nono たまに、選手の方が口ずさんでいるのが見えるんですよ。そういう時は「やばい、にやける」ってなります。
日常で見かける数字=選手の背番号⁉
――話は変わり、MOMOKAさんは選手の背番号を覚えるのが特技だとか。
Nono やっぱ来たよ、MOMOKAちゃん。
MOMOKA プログラムや映像を見ながら覚えています。だから何か数字を見付けると「あ、△△さん」ってなります。
ami 本当にそうなんですよ。
Nono 例えば…(手元にあるチラシを見て)ここに『11』って書いてあるじゃないですか。こういうのに反応するんですよ。
MOMOKA こないだは『23』という数字に、「あ、リトさんだ」って。※JX-ENEOSの大沼美琴。
ami しかもそれが会話の中で急に出てくる。だから「え?」って。
Nono まったく関係のない話しから急に来るもんね。
――しかも苗字ではなくコートネームですね。コートネームもバッチリですか?
MOMOKA まだまだですね。
ami あ、向上心。
MOMOKA 生で見れている選手は覚えているけれど、そうではない選手も多くて、そこがまだ弱いです。
Nono ami 弱い(笑)
――受験勉強みたいですね。
Nono MOMOKAはすごくいろんなことを教えてくれます。
MOMOKA 応援アーティスト1年目の頃はルールも良く分かっていなくて、当時、バスケットに詳しいスタッフの方がいて、その方にBリーグやWリーグを見ながら教えてもらっていました。後は映像を見ながら解説を聞いて。最初は「バスケットカウントって何?」から始まりましたね。
Nono でも、段々とルールが分かってきて、今では3人とも楽しく試合を見させていただいています。
取材・文=田島早苗
写真=兼子愼一郎