5月31日、アダストリアみとアリーナで「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ(水戸大会)」が行われ、日本代表がベルギー代表と対戦した。この試合、持ち前のスピードを生かした日本が出だしからペースをつかみ91-75で勝利。2019年シーズンの最初の試合となる日本が、昨年、スペインで行われたFIBA女子ワールドカップでベスト4に入った強豪から白星を挙げた。
世界の頂点を目指す日本の武器“3Pシュート”の成功率が56.3%!
日本のスタートは本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)、本川紗奈生(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)、宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)、長岡萌映子(トヨタ自動車 アンテロープス)、髙田真希(デンソー アイリス)の布陣。試合開始から長岡がリバウンドに食らいつけば、宮澤が得意の3Pシュートを決めるなど、確実にペースをつかんでいった。
リードを奪った日本はベンチメンバーを投入していくが、控えがコートに立ってもオフェンスのスピードと精度、ディフェンスの強度が落ちない。特に残り3分28秒でコートに立った林咲希(JX-ENEOS)が3本中3本の3ポイントを含む11得点を挙げる大爆発。33-25で第1クォーターを終え、完全に主導権を握った。
来年、日本で開催される東京オリンピックで「金メダルを狙う」と公言するトム・ホーバスヘッドコーチ。そのために重要視しているのが3Pシュートだ。精度を上げることはもちろんだが、コートに立った5人がいつでも狙えるようにシュート力アップを目指している。
この試合でもそれが浸透しているのが見て取れた。試合を通じて日本は2Pシュートを22本放ったのに対し、3Pシュートは実に32本。しかもリングに通過したのが18本と成功率は56.3%にも上った。
ベルギーはチームが結成されて間もないこと、さらには日本への移動の疲れも取れていないのか、持ち前の激しいディフェンスやトランジションバスケが影を潜めた。高さの面でもリバウンドで6本(ベルギー30本、日本24本)しか上回ることができず、いいところなく敗れたといっても言い過ぎではないだろう。
試合後の記者会見に臨んだホーバスHCは笑顔を絶やさなかった。開口一番「今日は良かった。合宿を行ってきたけど、みんな違う顔でプレーしていた」と手放しで喜んだ。「普段は練習ではディフェンス側はオフェンスがどのように攻めてくるのかがわかっているので、なかなかうまくやれないことが多かった。しかし、ベルギーは日本の速さについてこられなかったので、オフェンスがスムーズにできたと思う。それを最後までやり抜いてくれた」
次戦は1日の休暇を挟んで6月2日に行われる。強豪ベルギーがこのままで終わるとは思えないし、コンディションが上がってくることは予想に難くないが、第1戦以上にスピードと3Pシュートで圧倒する日本を見たいものだ。
文=入江美紀雄