7月16日、味の素トレーニングセンターにおいて女子日本代表チームによる第6次強化合宿の模様が報道陣に公開された。
それまでコンディション不良のため合宿に不参加だった渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)が第5次合宿から合流。約1カ月後に迫った三井不動産カップ(8月24日、25日、さいたまスーパーアリーナで開催)、そして9月にインド・バンガロールで開催が決まった「FIBA女子バスケットボール アジアカップ2019」に向けて、チーム作りの仕上げが急ピッチに進められている。
この日、公開されたメニューは体をぶつけあうフィジカルな1対1のディフェンス練習の後、オフェンスとディフェンスのフォーメーションを確認することに時間を割いた。というのも、明日からのニュージーランドとの練習試合(未公開)に備えるためだったという。第5次合宿から渡嘉敷をはじめとする新メンバーが加入し、チームの決まりごとの徹底が行われていたのだ。
試合後のメディア対応でトム・ホーバスヘッドコーチは2年ぶりに代表へ戻ってきた渡嘉敷について言及。「久しぶりということもあり、(渡嘉敷は)今の代表のバスケを勉強中。パスキャッチや(リングに向かって飛び込む)ダイブのタイミングを覚えているところ」と、ホーバスHCは渡嘉敷の現状を解説した。「足の故障などで2年間代表活動ができなかったけど、完全ではないが戻ってこられたのは本当に良かった。今の代表に必要な3ポイントシュートを今では自然に打てるようになっている。まだまだの部分は多いけど少しずつなじんでいければ。やはり楽しみな存在」と、大きな期待を寄せる。
エースは「今はみんなについていくのに必死」と笑顔で答える
一方、渡嘉敷は「お久しぶりでーす」とあいさつをして報道陣の前に立った。「正直今はみんなについていくのに必死」という渡嘉敷の表情からは笑顔が漏れる。2年間代表コートに離れていたことを「足の痛みがあり、エースとして働けるコンディションではありませんでした。今はコートに立てて幸せです」と、久しぶりの代表合宿を楽しんでいるようだ。「フォーメーションを覚えるのも大変ですけど、新しくチームメイトになる選手もいるので、今はどんなプレーをするのかも見ています」(渡嘉敷)
自身がいない代表戦を「自分がいたらどんなプレーをするか、何を求められるかということを考えてテレビを見ていました。高さの面で苦しんでいれば、『自分が入ってリバウンドが取れれば、自分の力が必要なんだ』と思っていました」と振り返る。「この間にバスケIQは高くなったと思います(笑)。コートの状況を把握する力はついたと思います」と、渡嘉敷は胸を張る。エースの完全復活までもう少し。8月の三井不動産カップ、そしてその先のFIBAアジアカップが楽しみだ
■女子日本代表 第5・6次強化合宿参加メンバー
髙田真希(デンソー アイリス)
渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)
本川紗奈生(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
町田瑠唯(富士通 レッドウェーブ)
宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)
谷村里佳(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)
三好南穂(トヨタ自動車 アンテロープス)
長岡萌映子(トヨタ自動車 アンテロープス)
藤岡麻菜美(JX-ENEOSサンフラワーズ)
林咲希(JX-ENEOSサンフラワーズ)
馬瓜エブリン(トヨタ自動車 アンテロープス)
佐藤奈々美(トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
梅沢カディシャ樹奈(JX-ENEOSサンフラワーズ)
赤穂ひまわり(デンソー アイリス)
馬瓜ステファニー(トヨタ自動車 アンテロープス)
オコエ桃仁花(富士通 レッドウェーブ)
文=入江美紀雄