今年で47回目を迎える「日本車いすバスケットボール選手権大会」は、日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)が主催する“クラブチーム日本一決定戦”。第7回(1978年)以降、「内閣総理大臣杯」を下付されていたが、昨年、障がい 者スポーツ競技団体として初めて「天皇杯」を下賜された(同時に「日本女子車いすバスケットボール選手権大会」が「皇后杯」を下賜)。
アジアで初めて開催された1964年の東京パラリンピックの6年後、1970年に第1回大会が駒沢オリンピック公園体育館で行われ、7チームが参加した。翌71年には参加数は16チームに激増。72、73年は開催されなかったが、74年以降は東日本大震災のために開催延期(その後、中止に)となった2011年を除いて、毎年開催されている。
17年までは、各地区ブロック予選を勝ち抜いた16チームに出場資格が与えられ、予選リーグ、決勝トーナメントが行われていた。しかし、昨年からは前回大会の優勝、準優勝チームおよび東日本地区予選、西日本地区予選を勝ち抜いた各上位3チームの計8チームでの決勝トーナメント形式で行われている。
今年は、前回大会優勝の宮城MAX(東北ブロック)、準優勝のNO EXCUSE(東京ブロック)の2チームに加えて、東日本からはパラ神奈川スポーツクラブ(関東ブロック)、千葉ホークス(関東ブロック)、埼玉ライオンズ(関東ブロック)、西日本からはワールドバスケットボールクラブ(東海北陸ブロック)、福岡breez(九州ブロック)、伊丹スーパーフェニックス(近畿ブロック)が出場権を獲得し、日本一の座を争う。
最多優勝回数は、宮城MAXの10回。08年に初優勝を成し遂げて以降、昨年まで10連覇中と現在黄金時代を築いている。
その宮城MAXに、近年、最大のライバルとして接戦を繰り広げているのが、NO EXCUSE。17、18年は決勝で激突し、僅差で敗れている。特に前回大会では40分間で決着がつかず、延長戦にもつれこむ大接戦となり、歴史に残る一戦となった。
17年からは東京2020パラリンピックに向けて女子選手の強化・育成を図るため、女子選手の男子チーム登録が認められた。女子選手は同時に2名までプレーが可能で、1名につきチームの持ち点の合計(最多14点)から1.5点を減点するという方式を取っている。
さらに、昨年7月からは、車いすバスケットボールの普及・振興を図るとともに、共生社会への貢献を目的に、健常者プレーヤーがJWBFに正式登録できるようになり、今大会から参加することができる。持ち点は、最も障がいの軽い選手と同じ4.5点。
今大会は、5月10日(金)~12日(日)の3日間にわたって、東京2020パラリンピック会場でもある「武蔵野の森総合スポーツプラザ」で開催される。
文=斎藤寿子
写真=エックスワン