7月19日、3日目を迎えたサマースーパー8(マカオ東アジア大会ドーム開催)、日本から唯一参戦するライジングゼファー福岡はフィリピンのブラックウォータ・エリートと対戦。「今大会で色々と試したい」と福岡の河合竜児ヘッドコーチが語っていたとおり、先発PGに石谷聡を起用。薦田拓也、加納誠也、遥天翼、波多野和也のスターターでティップオフを迎えた。
第1クォーター、福岡は小気味よくシュートが決まり、5-0とスタートダッシュに成功する。しかし、フィジカルな激しいプレーを見せるブラックウォーターが次第にペースをつかみ、じりじりと点差を詰めて一進一退の展開に持ち込んでいった。第2クォーターには津山尚大からのパスをコーナーでキャッチした小林大祐が3Pシュートを決めるなど、随所に好プレーを見せる。しかし、終盤、福岡は16連続失点を喫するなど、次第にリバウンドを支配され、7点ビハインドで前半を折り返した。
反撃を試みる福岡は、後半、2-3のゾーンディフェンスやセンター陣のハイ・ローの合わせで反撃を試みる。しかし、ブラックウォーターはピントが3本の3Pシュートを決めるなど、ゾーンでマークが甘くなかった外角からシュートを確実に決め、ペースを渡さない。
福岡はシュートチャンスを何とかクリエイトしようとするが、ボールがリングを弾き点差を縮めることができない。第4クォーターに入っても攻撃の手を緩めなかったブラックウォーターが90-66と24点差をつけて、福岡を退けた。
この結果、3敗の福岡は予選リーグ敗退が決まった。今シーズン、新潟アルビレックスBBから移籍した遥は、「リバウンドやこぼれ球など、フィジカル部分で勝てないところがあったので、ここが敗因だったのは重々感じた」と試合を振り返った。しかし、全体練習が3回のみでこの大会に臨んだことで、「練習よりも試合の方がわかりやすい部分がある。初めて一緒にプレーする選手がいる中、これができる、あれができないことが分かりあえた。また、アジアのいろいろなチームと戦うことはなかなかないので、いい経験を積めたと思う」と今大会を総括。「それらを持ち帰って、外国籍選手の合流後、さらにチームのケミストリーを作っていきたい」と、前向きにとらえた。
河合HCは「1試合ごとにチームが出来上がっていることを感じている」と率直な感想を語った。さらに「まだまだ徹底できていない部分がある。リバウンドのところで大きな開きができてしまった。また、チームでシュートをクリエイトすることはできていたが、それを決めきるだけの足がなかった。それがすべてだった」と敗因を言及。その中で、「今大会は城宝匡史がオフに行ったオペのため欠場。出場できたのは8人だったが、そのメンバーで頑張ることができたのは、非常に今後が楽しみ。ここをスタートラインにできれば。今後の可能性を感じて、ここから帰ってからいろんなことをピックアップして、チームに還元したい。負けて悔しいが、コーチ陣も選手もポジティブにとらえているので、いいきっかえになったと思う」と開幕に向けての指針ができたことを強調した。
大会を終了した福岡は、明日7月20日に帰国の途に就く。このサマースーパー8で得た経験をチーム作りに反映させ、9月7日に開催される西日本アーリーカップでどのような戦いぶりを見せるかに注目したい。
文=入江美紀雄