NBAでプレーする選手たちは、ほとんどの場合、中学生や高校生の頃にプレーしていた地区または州において、トップクラスだった。大学でも全米屈指と称された選手は数多く、鳴り物入りでNBA入りするケースも珍しくない。
ところが、毎年カレッジの有望株がドラフトでNBA入りし、ここ数年では外国籍の選手が即戦力としてNBAデビューしているため、新陳代謝はとても早い。ルーキー時代は先発を務めたり、エースを任された選手でも、その立ち位置を10年以上続けることのできる選手は数少ない。
そこでベンチ降格、またはローテーション入りも厳しくなった選手たちは、NBA生き残りを懸けてロールプレーヤーとして活躍の場を見出すこととなる。中には膝などに大ケガを負ったことで以前ほどの身体能力を発揮できずにロールプレーヤーとなる選手もいる。
ここでは、1月16日(現地時間15日)に現地メディア『CLUTCHPOINTS』が掲載していた記事を紹介したい。その名も、“アンストッパブルなスキルを持ち合わせたロールプレーヤーTOP5”。5位から順に見ていこう。
■5位:ショーン・リビングストン(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
ウォリアーズでステフィン・カリーの控えを務める201センチの長身ポイントガード。2007年、左足に大ケガを負い、選手生命さえ危ぶまれたが、懸命なリハビリと努力によって回復し、複数のチームでプレー後、2014年夏にウォリアーズと契約。ウォリアーズの強みである3ポイントシュートこそキャリア通算の成功率はわずか19.1パーセントだが、恵まれたサイズを活かしてミドルレンジでポストアップし、打点の高いジャンパーを武器に高確率で得点する。ウォリアーズ加入後は、今季も含めてフィールドゴール成功率50パーセント以上を誇る。
■4位:ジャマール・クロフォード(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
NBA史上最多となる3度の最優秀シックスマン賞に輝いたシューティングガード。ベンチから登場し、NBA有数と称される見事なボールハンドリングからプルアップジャンパー、フローター、ステップバックジャンパーなど多彩な方法で得点する。4ポイントプレーを55回も決めたことのある役者であり、37歳とは思えない動きで相手チームを翻弄。
■3位:デイビッド・ウェスト(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
ニューオリンズ・ホーネッツ在籍時には、クリス・ポール(現ヒューストン・ロケッツ)とコンビを組み、安定感抜群のミドルレンジジャンパーと巧みなポストプレーを軸に平均20得点以上をマークした元オールスターフォワード。昨季から加入したウォリアーズでも、ケビン・デュラントやドレイモンド・グリーンがベンチで休んでいる間に自身の武器を最大限に活かして貢献している。
■2位:ランス・スティーブンソン(インディアナ・ペイサーズ)
マッチアップ相手にトラッシュトークするだけでなく、ショットを放った後に相手をイライラさせるジェスチャーをしたりと、さまざまな方法で動揺させる。精神面でムラがあるものの、ビッグマンと対峙しても当たり負けしないほどの屈強な肉体を持ち、1対1で局面を打開できるスキルがある。華麗なボールハンドリングで相手ディフェンダーをつまずかせてしまう“アンクルブレイク”もお手の物だ。
■1位:マーカス・スマート(ボストン・セルティックス)
キャリア4年目のパワーガード。キャリア通算でフィールドゴール成功率4割未満、3ポイントシュート成功率では3割未満と、3ポイント多投の現代に逆行するかのようにシュートの正確性に欠ける。それでも、勝負どころで登場するセルティックスの選手の中に、スマートはほぼ間違いなくいる。そしてここ2シーズンのプレータイムが30分以上を記録しているのは、この男の持つディフェンス力にほかならない。屈強な肉体と機敏なフットワーク、そしてルーズボールやリバウンドに跳び込む球際のプレーは試合の中で大きなインパクトをもたらす。時折見せるプットバックダンク(リバウンドを奪い、空中でそのままダンクで押し込むこと)は迫力満点である。