【NBA】「目の前でダンクされて恥ずかしい思いをするのは良いことだ」と語った229センチのショーン・ブラッドリー、その理由とは!?

2005年のプレーオフ。マグレディのダンクを浴びたブラッドリー[写真]=Getty Images

現地メディアに“最も恥ずかしい思いをさせられた選手”と称された男

 NBA史上2番目に高い229センチという長身を武器に、キャリア12シーズンをプレーしたショーン・ブラッドリー(元ダラス・マーベリックスほか)。

 1993年ドラフト1巡目全体2位でフィラデルフィア・セブンティシクサーズにドラフト指名され、ブラッドリーはニュージャージー・ネッツ、ダラス・マーベリックスと3チームを渡り歩いた。

 そんなブラッドリーにとって、長身を活かしたブロックショットは最も大きな強みだった。96-97シーズンには平均3.4本でブロックショットのタイトルを獲得。6シーズンで平均3.0本以上のブロックショットを記録し、キャリアをとおして2,119本のブロックを相手選手に浴びせてきた。

自慢の長い腕を最大限に活用し、ブロックショットの山を築いたブラッドリー[写真]=Getty Images

 といっても、ブラッドリーは同時にハイライトシーンに残るようなダンクの被害者になることもあった。現地メディア『TMZ Sports』では、目の前でダンクを浴びたブラッドリーを“NBA史上最も恥ずかしい思いをさせられた選手”と称し、本人に話を聞いている。

 だが意外にも、ブラッドリーはポジティブな言葉を口にした。

 「若い選手を何人か見ているけど、(ダンクに向かってくる選手を)避けちゃいけない。別にダンクされたっていいじゃないか。また次へ進めばいい」とブラッドリーは答えた。

 相手選手から目の前で強烈なダンクをたたき込まれると、精神的ショックを受け、相手チームのムードは高まるばかりなのだが、そんなダンクを何度も浴びてきたブラッドリーは「気分をすっきりさせるのさ」と答えている。

 現在、豪快なダンクを相手選手の目の前で決めれば、SNSでその動画や写真が世界中を駆け回る。ハイライトシーンでも流され、被害者となった選手からすれば、フラストレーションがたまってもおかしくはない。

 それでも、ブラッドリーはキャリアをとおしてそのダンクに立ち向かっていったのである。

 ちなみにブラッドリーが挙げた印象的なダンクは、2005年のプレーオフ。ファーストラウンドのヒューストン・ロケッツとのシリーズで、トレイシー・マグレディ(元オーランド・マジックほか)に食らったダンクだ。ベースラインから切り込み、マグレディはブラッドリーの目の前で強烈なワンハンドダンクを決めた。

ダンクの“被害者”となったブラッドリーの意見は新鮮なものだった[写真]=Getty Images

 あのシーンだけを見れば、ロケッツが勝利したような錯覚に陥ってもおかしくはないのだが、結果はマブスが4勝3敗で制している。キャリア最後のシーズンとなったブラッドリーにとって、チームがシリーズを勝ち抜いたことは、十分誇れるものだったに違いない。

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