NBAオールスター2018が終了して、いよいよ熾烈なプレーオフに向けた後半戦が始まる。そこで、WOWOW NBAファミリーであるスチャダラパーBoseさん、声優の谷山紀章さん、専修大学コーチの中原雄さんの3人で今シーズンのNBAについて座談会が行われた。(2月19日取材)
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■前半戦どうだった!?
Bose 2018NBAオールスターが終わりまして後半戦が始まるわけですが、今回は思いっきり語り合おうということで我々3人が集まりました。さっそくテーマをバシッと決めてどんどんいきたいと思います。最初のテーマは「前半戦」です。
中原 バシッと決めてと言った割には、いきなりざっくりしたテーマですね…。
谷山 (ヒューストン)ロケッツの台頭!ゴールデンステート・ウォリアーズを抜いて西で1位ですからね。(2月19日時点)
中原 数年前は、あのチームが勝てるわけないと言われていたんですよ。
Bose ディフェンスがなかったですからね。
中原 しかも当時僕らはマイク・ダントーニがヘッドコーチになって優勝はないだろうと言っていたので、ダントーニHCに謝罪しなければいけないですね。
谷山 (ジェームズ)ハーデンと(クリス)ポールのどっちのチームと言うのも難しいですよね。
中原 年齢的にもちょうど良かったのではないですか。ポールはケガがちですから、休めるし、その間にハーデンと代わりばんこに入れたり、一緒に出たり。流れが悪ければ、同時に下げることもします。僕から言わせれば、将来の殿堂入り候補が2人も同じチームにいるのは贅沢極まりないですよ。
Bose ロケッツ以外で前半戦に注目するチームはどこですか?
中原 僕は、イースタンでおそらく優勝するだろうと言われていたクリーブランド・キャバリアーズ。何だったの!?という話です。
谷山 最近の話ですね(笑)。
Bose ダメな部分もいろいろ出ていました。(当初故障していた)アイザイア・トーマス(現ロサンゼルス・レイカーズ)が戻ってきたらどうなるのだろうと思っていて、戻ってきたらやっぱりダメでした。
中原 戻ってきた割にはヒットが出ませんでした。
Bose そこで大きなトレードが起きました。
中原 (キャブズは)がけっぷちにいて、半分落ちていたと思うんですよ。これ以上何もしなかったら、おそらく選手が付いてこなくなるんじゃないか。それで、一気に(トレードを)いったと思うんですよ。
谷山 思いきりが良すぎますよね。
中原 Boseさんは前半戦をどのように見ますか?
Bose やっぱりキャブズがダメなんだと思う一方で、ボストン・セルティックスがすごくハマった。大怪我で真ん中(ゴードン・ヘイワード)の選手を開幕戦から欠いたにも関わらず。でも、これが最後までいけるのか、実際にどうなのか気になります。
中原 やはり、大きなところではそこですよね。ウォリアーズが強いのは当たり前。キャブズが期待値よりもちょっと逆の方向だったけど、今は大きく動いています。
Bose あと、気になったというより強くなって面白いと思ったのは、ミネソタ・ティンバーウルブズ。
中原 HCがトム・シボドーになって、まだ1シーズン半ですよ。あそこまでなるのは、シボドーは凄いですよ。
谷山 ティンバー“ブルズ”ですよね。
中原 ここにきて、デリック・ローズも引き抜こうとしているんですよ。でも、ウェイブされてもいっていないのです。
谷山 あ、ジミー・バトラーだ!
中原 そのとおりです。タージ・ギブソンは何とも思っていませんが、シボドーはおそらくジミーにいろいろと聞いていると思います。もし本当にそこがクリアになれば、ローズ獲得にすぐに行くと思います。
■ウェスタン後半戦どうなる!?
Bose ここで、そろそろ次のテーマに移りたいと思います。テーマは「どうなる後半戦!」。まずはウェスタンです。
谷山 2強(ロケッツとウォリアーズ)はこのままいくと思います。あとは順位だけで。
Bose オクラホマシティ・サンダーは、ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージ、カーメロ・アンソニーとビッグネームがそろいますが、かみ合ったり、かみ合わなかったりですけど、どうですか?
中原 まだ安定していないと思いますね。
谷山 ただ、プレーオフにいったら強そうですよね。
Bose プレーオフ争いとなるとどうなんでしょう?
谷山 (現時点で10位の)ユタ・ジャズまででしょうね。
中原 (ジャズは)11連勝ですよ。
Bose ここからポンポンと勝てば、7位くらいまでいっちゃいますよね。
中原 ユタもまったくわからないですよ。
谷山 (8位の)ニューオーリンズ・ペリカンズは、デマーカス・カズンズのケガがね~。
中原 オールスターの前半で、アンソニー・デービスがカズンズのユニフォームを着て出ていたのは意味があると思いますね。調子が良くなっていただけに……。
Bose (9位の)ロサンゼルス・クリッパーズはどうですか?
中原 コンサルタントにジェリー・ウェストが入って、誰もブレイク・グリフィン(現デトロイト・ピストンズ)を放出すると思っていなかったですよ。それでこの位置につけているのは恐ろしいですよね。ウォリアーズをよみがえらせたのもウェストですから。メンフィス・グリズリーズもそうです。クリッパーズも分からないですね。
谷山 結局、ディアンドレ・ジョーダンは(クリッパーズに)残りましたよね。
中原 一番出るだろうと思っていた選手が残っていますからね。
■イースタン後半戦どうなる!?
Bose 逆にイースタンはいかがでしょうか? ボストンのゴードン・ヘイワードは故障の経過が良いみたいですね。トロント・ラプターズ、セルティックスはどうですかね?
中原 戦前の予想では、セルティックスだと思っていました。でも、ラプターズに希望の光が見えてきています。放送で何回も言っていますが、一番の要因はやり方を少し変えているんですよ。それをプレーオフのためだけに今からやっています。おそらくマサイ・ウジリ球団社長がコーチングスタッフとミーティングをして、若手をどんどん起用していこうと話していると思います。
Bose フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、ベン・シモンズ、ジョエル・エンビードという未来の見える2人がいて、プレーオフ圏内にいますがいかがですか? 何だったら、プレーオフ1回戦でラプターズと対戦する可能性があるじゃないですか。
中原 いい勝負すると思いますよ。でも、勝つには至らないかな。トロントやボストンと比べるとガードが少し劣ります。故障している新人のマーケル・フルツがもう少し絡んでいたら変わっていたかもしれません。ただ、楽しみではあります。
Bose ピストンズとクリッパーズでは大きなトレードがありましたね。ブレイク・グリフィンがピストンズに移籍しました。
谷山 ピストンズは、アンドレ・ドラモンドがグリフィンにパスを出すのが楽しそうでしたよね。屈指のフロントラインになりました。デトロイトももう少しかみ合って来れば、現在9位なので分からない存在ですね。
中原 もう少し時間が解決するのを待ちたいですよね。マイアミ・ヒートはこれといったスター選手がいないのに、やり繰り上手です。パット・ライリー球団社長の力はすごいですね。
Bose バスケットボールを良くわかっているということですよね。厳しいんでしょうね。
中原 めちゃくちゃ厳しいですよ。アロンゾ・モーニングなんて、ライリーの話を聞いている時は直立不動ですよ。副社長なのに……。社長に対してというのも分かるけど…。びっくりしますよ。
■NBAファイナル予想は?
Bose そんなこんなで最後のテーマにいきます。ファイナル予想です。
谷山 当たった例がないですよ。
中原 僕も当てようと思って言ってないんですよ。ただ、今シーズン最初に言わせてもらっているファイナルは、本当はウォリアーズ対キャブスが見られたら面白いと思ったのですが、実際はウォリアーズ対セルティックスが一番有効で他の解説者の方々も言っていました。なので、ここは一歩別のところにいこうと思って、スパーズ対セルティックスにしました。そしたら、ある人に「誰が見に行くねん!」と言われたんですよ(笑)。それだったら、ロケッツ対ラプターズでいいじゃないですか。僕は変えるのが好きではないんですよ。
Bose 僕はファン目線で言えば、ベタにウォリアーズ対キャブスがまた見られたら一番盛りあがるのかな。
谷山 西は本命がウォリアーズ、対抗ロケッツ、大穴サンダー。それで、ロケッツがファイナルに進出です。ここでクリス・ポールが男を見せるんですよ。東は、なんだかんだレブロンのキャブスという気が70パーセント以上しています。でも、セルティックスでいきたい。ブラッド・スティーブンスの神采配です。今面白おかしく言われているのが、ボストンの調子がいいけど、あれをそのまま選手の評価にしてはいけない。あれはボストンだから光っているんだ、40パーセント引きで見ないといけない、とまことしやかに言われているようです。
中原 実際にそうだと思いますよ。スーパースター集団ではないですから。ある意味、ヒートと同じですよ。プランと作戦など細かいことが機能していますが、それにしっかりと対応できる選手は凄いです。
谷山 ボストンを(ファイナルで)見たいのは希望的観測です。だけど、レブロンのキャブスがいるし、対抗はラプターズだと思います。
中原 僕もロケッツ対セルティックスなんですよ。だけどラプターズがこれだけ光っていると面白いですね。ホームのラプターズは本当に強いですよ。
Bose 毎年プレーオフに入って、レブロンが本気を出し始めますよね。そうなってくると、やっぱ(キャブスが)勝つんだと思いますが、シーズンを見始めると忘れ出してしまいます。
中原 プレーオフは別物だから、ちゃんと長い間同じチームでやっていないと細かいところができないです。キャブズはそのあたりが構築できるかといったらそうでもないと思うので、今シーズンのキャブズはちょっときついかなと思います。しかも、ポイントガードを変えていますから。ポイントガードを変えたら全く別のチームになります。
谷山 今はジョージ・ヒルですね。
中原 悪くはないんですよ。でも、キャンプからスタートして今の状況だったらいいんです。綻びが必ず出てきます。そのピークがプレーオフあたりではないかと思ってます。これでプレーオフを勝ち抜いたら、バスケットボールって何なの!? となりますよ。
谷山 レブロンとそれ以外みたいになっちゃいますよね。
Bose レブロンはポイントガードみたいな役目をしますよね。
中原 そうすると、だいぶ話が変わってきます。ヒルも点を取ります。おそらく、その形になっていくと思います。そうなった時に、何が変わったの!?となります。
Bose ここまでたくさん話してきました。後半戦もどんどん盛りあがっていきますので、皆さんも楽しんでください!これで雑談終わります(笑)。
この座談会の完全版の映像はWOWOW NBAオンラインへ! (映像は2月26日17時頃UP予定)