2018.03.10
2月18日(現地時間17日)、オールスターに選出されたゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーが、チームメートのクレイ・トンプソンとドレイモンド・グリーンと自らのことを「究極のスタンダード」と語ったと、現地メディア『THE ATHLETIC』が報じている。
カリーは2009年のドラフト1巡目全体7位、トンプソンは11年のドラフト1巡目全体11位、グリーンは12年のドラフト2巡目全体35位で、それぞれウォリアーズに指名された。それから共に成長し、現在の地位まで上りつめてきたのである。カリーはこう続けた。
「僕たちはリーグの中でもきわめて優秀な、究極のスタンダードだ。長い間、一緒にプレーしてきたし、高いレベルを維持しているんだから」。
ウォリアーズは13年オフにアンドレ・イグダーラ、16年オフにケビン・デュラントがフリーエージェント(FA)で加入し、直近3シーズンで2度の優勝を果たしたものの、カリーが言うように、チームはこの3人をベースにリーグ屈指の強豪へと進化してきた。
2012年以来、カリー、トンプソン、グリーンは、ウォリアーズの一員としてコート上で8,470分もプレーしてきた。この数字は、2010年から14年にかけて形成していたマイアミ・ヒートの“ビッグ3”、レブロン・ジェームズ(現クリーブランド・キャバリアーズ)、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュ(現未所属)がコート上でプレーしてきた時間をも上回っている。
思えば、現在の主軸を中心とするチームがプレーオフへ初めて進出したのは、2012-13シーズン。グリーンがルーキーの頃からだった。
「俺たちは皆、共に成長してきたんだ。俺がリーグに入った頃、ステフは今のステフではなかったし、クレイだってそうだった。俺なんて、明確なポジションさえなかったくらいだ。俺がルーキーだった年(13年)、チームはセカンドラウンド(カンファレンス・セミファイナル)へ進み、翌シーズンは1回戦敗退だった」とグリーン。
そう、実は13-14シーズンまで、ウォリアーズはカンファレンス・ファイナルまで勝ち進めずにいたのである。グリーンは続ける。
「俺たちはそこから共に成長してきたんだ。知ってのとおり、ウォリアーズからドラフト指名され、互いに成長してここまできた。すばらしいこと。俺はその一部になれてうれしいよ」。
ヒートの“ビッグ3”の場合、レブロンとボッシュがFAとしてチームに加入したものであり、08年に優勝したボストン・セルティックスの“ビッグ3”も、ドラフト指名されたのはポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)のみで、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)とレイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)はトレードによって加入している。
そう考えると、ドラフト指名されて入団した選手たちがオールスターへと成長し、NBAチャンピオンとなったのは、1990年代初期に3連覇を果たしたシカゴ・ブルズ以来かもしれない。マイケル・ジョーダンは84年のドラフト1巡目全体3位、ホーレス・グラントが87年のドラフト1巡目全体10位でブルズに指名され、スコッティ・ピペン(いずれも元シカゴ・ブルズほか)は87年ドラフト1巡目全体5位でシアトル・スーパーソニックスに指名された後にトレードでブルズ入りし、この3選手を軸に、ブルズは91年から93年まで3連覇を達成した。
現在、スター選手たちは優勝するために強いチームへと移籍するケースが多くなっている。そのため、ウォリアーズが誇るカリー、トンプソン、グリーンのように、ドラフト時から同一チームでプレーし、押しも押されもせぬオールスター選手へと成長してきたことは珍しいケースなのである。15年と17年には優勝、16年にはシーズン最多勝となる73勝(9敗)という新記録を作った点でも希少なトリオである。
今後、この3選手のケースがスタンダードとなる日が来るのかもしれない。
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