2018.02.14

【NBA】オールスター出場選手紹介 TEAMステフィン⑫/ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)

5年連続5度目のオールスター選出となったカリー[写真]=Getty Images
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2月19日(現地時間18日)に迫った「NBAオールスターゲーム2018」。今年はイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」と、ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)がキャプテンを務める「TEAMステフィン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を、チーム別でそれぞれ紹介していく。

■TEAMステフィン選手紹介⑫
ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)

ガード/190センチ/86キロ/キャリア9年目

NBAにおける主な記録・功績>
優勝(ゴールデンステート・ウォリアーズ):2回(2015,17)
シーズンMVP:2回(2015,16)
オールNBAファーストチーム選出:2回(2015,16)
オールNBAセカンドチーム選出:2回(2014,17)
オールスター選出:5回(2014~18)
得点王:1回(2016)
スティール王:1回(2016)
フリースロー成功率トップ:3回(2011,15,16)

<2017-18シーズン 個人成績>
平均32.8分26.8得点5.2リバウンド6.5アシスト1.5スティール
※2月14日(現地時間2月13日)終了時点

全盛期へと突入した超絶シューターが今季見据えるのは連覇のみ

 今季開幕前、ウォリアーズのスティーブ・カーHCはカリーについて複数の現地メディアへ「彼は間違いなく、キャリアのピークにいる」と太鼓判を押していた。そして、2連覇を狙うディフェンディング・チャンピオンにとって、最も重要な選手がカリーであることも明かしていた。

 キャリア9シーズン目の今季、カリーは足首のねんざにより2月14日(同13日)終了時点で15試合を欠場しているものの、2度目のシーズンMVPを獲得した2015-16シーズンと比較しても見劣りしない成績を残している。36分換算ではキャリア2番目に高い平均得点(29.4)、リバウンドはキャリアベスト(5.7本)に並ぶ数字を残している。今季のフィールドゴール成功率49.3パーセントも、キャリア2番目に高い数字である。

 また、カリーが持つ最大の武器、3ポイントシュートも依然として相手チームに脅威をもたらし続けている。昨季までの5シーズンすべてにおいて、試投数と成功数でリーグトップを誇っており、今季は一昨季以来となる5試合連続5本以上成功という記録も作った。そして昨年12月5日(同4日)には、史上最速で3ポイントシュート2,000本成功というNBA新記録を樹立。キャリア9シーズンすべてにおいて、成功率40パーセント以上、平均成功数2.0本以上を残しているため、史上最高の3ポイントシューターという称号は、カリーこそが最もふさわしい。

積極果敢なドライブを仕掛けたクリッパーズ戦(現地時間1/6)。キャリアハイとなるフリースロー試投数(16本)と成功数(15本)を記録した[写真]=Getty Images

 1月末、カーHCは現地メディア『The Mercury News』の取材に対して、「ステフは今、フィジカル面、メンタル面、感情の面でも全盛期と呼べる状態。対戦相手に対する知識も豊富に備わっており、これまでで最もスマートだね」とカリーを絶賛。MVP候補かと聞かれると「もちろんだ。ステフは毎年MVP候補の中に入るべき選手だ」とカーHC。

 カリーはMVP候補と呼ばれることに対して、このように答えた。

 「そう言われることは間違いなく格別なこと。偉大な選手たちと並んで評価されるんだからね。キャリアを終えた後、僕は必ず感謝していると思う。でも今はシーズン中で、高いレベルでプレーし続けなければならない状況だから、1つ1つの瞬間に対して集中している」。

 NBA史上、シーズンMVPを3度以上獲得した選手は9人のみ。現役ではレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)しかいないことを考えると、カリーが3度目のMVPを獲得するとなれば、歴代有数の選手へと昇華することとなるに違いない。

 そのカリーが所属するウォリアーズは、過去3シーズン連続で67勝以上を挙げ、いずれもNBAファイナルまで勝ち進んでおり、15年と17年にはチャンピオンまで上りつめている。個人としての勲章もすばらしいことではあるものの、カリーとウォリアーズが今季狙う最大のターゲットは、チャンピオンシップにほかならない。いずれ“王朝”と呼ばれるほどの強さをNBAの歴史に刻むためにも、まずは連覇することがマストとなる。

 自身初となる連覇へ向けて、ウォリアーズの戦力は申し分ない。あとはカリーが先陣を切って、チームを頂点へと導くこと。これこそが、今季のカリーに与えられた課題である。

 シーズン終盤戦、そしてチャンピオンを決めるプレーオフへ向けて、全盛期に突入したカリーがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。カリーから放たれる綺麗な3ポイントシュート、華麗なボールハンドリングとアシスト、そしてバスケットボールを誰よりも楽しむ姿を、最後まで見届けたい。

カリーが魅せる鮮やかなアシストもファンを引き寄せる魅力の1つ[写真]=Getty Images

<オールスターモーメント>
ここ2年はショットも好調で平均20得点以上を記録!

 NBA入り当初から3ポイントシュートに関してはリーグトップレベルにあったカリーは、3ポイントコンテストに6度出場し、11年と15年には優勝している。その一方、ライジングスターズでは2度出場して平均13.5得点と控えめな成績となった。本戦には14年から5年連続で出場しており、平均18.5得点7.0アシストとまずまずの成績。ただ、3ポイントシュートで見てみると45投中成功は16本、成功率35.6パーセントと本来の実力が出し切れていない。とはいえ、ここ2年は成功率40パーセント以上、フィールドゴール成功率も50パーセント以上を誇っており、いずれも20得点以上をマークしている。キャプテンとして迎える今年の球宴でも、カリーらしい華麗なシューティングが期待できそうだ。

ここ2年、好調の3ポイント。カリーのシュートタッチは勝敗を左右する要因になりかねない[写真]=Getty Images

<今年のオールスターにおける注目点>
綺麗な3ポイントシュートとハイライトシーンを生み出すパス

 チームメートのジェームズ・ハーデンデマー・デローザンとはドラフト同期。同じ日にNBA入りを決めた選手が、オールスターという舞台でスターターを務めることはすばらしい。また、ここ6シーズンを共にプレーするクレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンとは息の合ったプレーでゲームを盛り上げるだろう。カリー自身が持つシュート力がいかんなく発揮されれば、MVPに選ばれてもおかしくはないが、この男には目を見張るような見事なパスセンスも備わっている。仮にショットがほとんど入らなくとも、自身のパスから豪快なフィニッシュが生まれ、多くのハイライトシーンを作り出すに違いない。

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