【NBA】史上4人目となる通算100回目のトリプルダブルを達成したウェストブルック、チームメートたちの反応とは?

史上4人目となるトリプルダブル100回に到達したウェストブルック[写真]=Getty Images

過去3季だけで81回ものTDを量産

 3月14日(現地時間13日)、オクラホマシティ・サンダーのラッセル・ウェストブルックが、アトランタ・ホークス戦で32得点12リバウンド12アシストをマークし、通算100回目のトリプルダブル(TD)を達成した。

 これはNBA史上4人目となる快挙で、オスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか/181回)、アービン“マジック”ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ/138回)、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか/107回)に次ぐ記録となった。

 ここでは、ウェストブルックのトリプルダブルにまつわるデータと、サンダーのチームメートとヘッドコーチのコメントを紹介していきたい。

 2008-09シーズンにNBA入りしたウェストブルックは、11-12シーズンを除くすべてのシーズンで最低1回のトリプルダブルを記録してきた。なかでも、シーズン最多達成数(42回)を樹立した昨季を含めた直近3シーズンでは、なんと81回も達成している。さらにこれを月別に見ていくと、プレーオフに向けてギアが上がる3月が26回と最も多く、1月と2月(計17回)、12月(16回)と続いている。

ウェストブルックのダンクとフィニッシュ後の咆哮は、会場全体へ響き渡るほど強烈[写真]=Getty Images

 また、ウェストブルック加入後の期間におけるチーム別のトリプルダブル達成回数では、ウェストブルック(100回/チームとしては108回)は2位のクリーブランド・キャバリアーズの44回の2倍以上を残しているという。

 さらに、各チームにおける通算トリプルダブル達成数でウェストブルックを上回っているのはわずか5チームのみ。現地メディア『ESPN』によれば、サクラメント・キングス(267回)、ロサンゼルス・レイカーズ(258回)、ボストン・セルティックス(203回)フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(140回)、ゴールデンステート・ウォリアーズ(128回)、ブルックリン・ネッツ(104回)の5チーム。いかにウェストブルックのトリプルダブルがインパクトを放っているかがわかるはずだ。

 そしてウェストブルックは、キャリアをとおしてすべてのチーム(29)との試合でトリプルダブルを残してきた。ロバートソンやマジックがプレーしていた時代は、現在よりもチーム数が多くなかったとはいえ、トリプルダブルにおいてウェストブルックには苦手チームがないというのも評価すべきポイントと言えるだろう。

司令塔として、サンダーをけん引するウェストブルック[写真]=Getty Images

チームメートと指揮官から絶賛される稀代の万能型PG

 そんなウェストブルックのトリプルダブルを最もサポートしたチームメートといえば、センターのスティーブン・アダムズだろう。アダムズは13-14シーズンにNBA入りしてから、徐々にプレータイムを伸ばし、キャリア5年目の今季は平均32.4分13.7得点8.9リバウンド1.0アシスト1.3スティール1.1ブロックという好成績を残し、リーグ上位のフィールドゴール成功率63.5パーセントを堅持。

 アダムズは2月中旬に公表されたボックスアウトランキングでリーグトップの平均11.5回を誇り、ウェストブルックのリバウンドをサポート。また、ウェストブルックがトリプルダブルを記録した試合では、最も多くのアシスト(236回)をマークし、得点へとつなげているのだ。

 3月3日(同2日)、ウェストブルックは現地メディア『stuff』へアダムズについてこのように語っている。

 「彼(アダムズ)はリーグの中でもベストなリバウンダーだ。センターというポジションで、信じられない仕事ぶりを見せている。体を張り、自らの体を犠牲にして、ボールを確保してくれるんだ」。

 アダムズの献身的なプレーの数々は、ウェストブルックのトリプルダブル達成において欠かすことのできない要素だったのである。

アダムズ(右)の献身的なプレーはウェストブルックのトリプルダブル達成における隠れたカギの1つ[写真]=Getty Images

 一方で、今季からチームメートとなったポール・ジョージは、ウェストブルックについて現地メディア『Sporting News』へ「彼の競争的なところはすばらしい。絶対にギブアップしたりしないんだ。これがラスという男なのさ。本当に特別な選手だね」と絶賛。サンダーの指揮官ビリー・ドノバンも、ウェストブルックをこのように称賛していた。

 「彼が得点できるのは明らかだ。誰もが知っていることだろう。でも彼を特別な選手にしているのは、彼がショットを放たなくてもゲームにインパクトを与えることができる数少ない選手ということ。ポイントガードで100回のトリプルダブルを記録したことは、彼がゲームの中でどれだけ指紋を残してきたかを表している。そしてどれだけハードにプレーしていたか。本当にすばらしい記録を作ったと思う」。

 ウェストブルックがトリプルダブルを記録した試合において、サンダーは82勝18敗。直近3シーズンにおいても67勝14敗と見事な勝率を残している。ウェストブルックが「本当にありがたいこと」と語っていたが、これはチームメートも同じに違いない。

 「我々はすべてに感謝すべきなんだと思う。特にこのような瞬間に立ち会えることができて、感謝している」。

 カーメロ・アンソニーの言葉は、サンダーの選手やチームスタッフ、そして取材するメディアやNBAを愛する世界中のファンの気持ちを代弁していると言っていいだろう。

 歴代3位のキッドの記録(107回)まで、あと7回に迫ったウェストブルック。29歳という年齢を考えると、大きなケガがない限り、ウェストブルックはトリプルダブルを量産していくことだろう。稀代の万能型ポイントガードのプレーから、今後も目が離せない。

毎試合ベストを尽くすウェストブルック。今後もサンダーを勝利へと導くことだろう[写真]=Getty Images

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