マジックで全盛期をプレーしたT-Mac
3月21日(現地時間20日)、オーランド・マジックは、2000年から04年にかけてプレーしたT-Macことトレイシー・マグレディ(元マジックほか)の殿堂入りを発表した。
昨年9月にバスケットボール殿堂入りを果たしたマグレディは、自身の全盛期を過ごしたと言っても過言ではないマジックで、殿堂入りとなった。
マグレディは『AP』ら複数の現地メディアに対して、このように語っている。
「確かに、私はネイスミス・メモリアル・ホール・オブ・フェイム(バスケットボール殿堂入り)をしています。ですが、今日は私にとって特別な日です。フロリダ州のオーバーンデイルで育った私は、毎年夏に母親の車でオーランドまで向かい、バスケットボールをプレーしていました。そして母や友人に、『いつの日か、(マジックの)ユニホームを着ることになるだろう』と話していました」。
フロリダ州で育ったマグレディにとって、マジックは憧れのチームだった。
「成長していく中で、ニック(・アンダーソン/元マジックほか)やシャック(シャキール・オニール/元レイカーズほか)、そしてペニー(アンファニー・ハーダウェイ/元マジックほか)のプレーを見てきました。特にペニーは最もお気に入りの選手でした。このチームは、私が常にプレーしてみたいと思っていた組織でした」。
1997年ドラフト1巡目全体9位でトロント・ラプターズに指名されたマグレディは、ラプターズで3シーズンプレーし、フリーエージェント(FA)となった2000年夏にマジックへ移籍。
2000-01シーズン。マグレディはエースに就任し、平均26.8得点7.5リバウンド4.6アシスト1.5スティール1.5ブロックをマーク。オールスター初選出を果たし、MIP(最優秀躍進選手賞)を獲得するなど大ブレイクを果たした。
翌01-02シーズンも平均25.6得点7.9リバウンド5.3アシスト1.6スティール1.0ブロックをマーク。自身初となるオールNBAファーストチーム入りとなった。02-03シーズンは、平均32.1得点で得点王に輝き、6.5リバウンド5.5アシスト1.7スティール、03-04シーズンは67試合と、在籍中で最も少ない出場試合数となったが、平均28.0得点で2年連続得点王、6.0リバウンド5.5アシスト1.4スティールを記録し、マジックをけん引。
マグレディは03-04シーズンを除く3シーズンでマジックをプレーオフに導くエースとして活躍。結果はいずれも1回戦敗退となったものの、マグレディは在籍4シーズンでオールNBAファーストチーム2度(02、03年)、オールNBAセカンドチーム2度(01、04年)の選出を果たし、リーグ有数の実力者という称号を得た。
少年時代に憧れた先輩たちと肩を並べる
マジックでプレーした4シーズンで、マグレディはチーム史上トップとなる平均出場時間(39.4分)と平均得点(28.1得点)をはじめ、7.0リバウンド5.2アシスト1.5スティール1.0ブロックと見事な成績を残してきた。04年3月11日(同10日)のワシントン・ウィザーズ戦では、フランチャイズ史上ベストとなる62得点を記録しており、10年以上が経過した今でも、この記録は破られていない。
00年夏、デトロイト・ピストンズから移籍してきたグラント・ヒル(元ピストンズほか)が健康をキープしていれば、マジックはリーグ屈指のオールラウンダーを2人擁することになっていたかもしれない。さらに、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)を加えることができていれば、一度や二度、優勝することができていたかもしれない。
マグレディも「そしたらプレーオフを勝ち進むことができていただろうね」と語ったが、「ここでプレーした4年間は人生の中でもベストの1つです」と、自身の全盛期を振り返っていた。
マジックで殿堂入りを果たしたのはマグレディが7人目で、元選手としてはアンダーソン、シャック、ペニーに次ぐ4人目。少年時代から憧れていた偉大な先輩たちと肩を並べることとなった。