純粋なPGとして史上唯一DPOYに輝いたペイトン
NBAのアワードの1つに、最優秀ディフェンシブプレーヤー賞(DPOY)というものがある。シーズンごとに最もインパクトを残したディフェンダーだけが手にすることのできる業績だ。
過去に21人ものディフェンダーが選出されてきたのだが、純粋なポイントガードでDPOYを獲得したことがあるのは、1996年のゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)しかいない。
ペイトンは俊敏なフットワークと機敏な手の動き、そして相手選手の集中力を低下させるトラッシュトークを武器に、“グローブ”という異名のとおり、マッチアップ相手を抑え込んできた。
キャリア17シーズンで、オールNBAディフェンシブファーストチームに9度も選ばれた実績を誇るペイトンは、NBA史上最高級のディフェンダーと言っていい。
ポールをトップとしつつ、新人ボールも高評価
3月28日(現地時間27日)、そのペイトンが『NBA TV』のスタジオに登場。現役ポイントガードの中から、優れたディフェンダーTOP5を語っていたので紹介したい。
ペイトンが真っ先に名前を挙げたのは、キャリア13シーズン目をプレーする32歳のクリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)。
「彼は本当のオンボール・ディフェンダーではないが、ディオン・サンダース(MLBワールドシリーズとNFLスーパーボウルの両方に出場した唯一の選手として知られるマルチアスリート)のような選手であることを皆はわかってないようだ。彼はどこにでも現れる。インターセプトを狙っているし、自らの手でボールを奪い取ってしまう。彼はなんでもできるのさ」とペイトンはポールを絶賛。
続いてペイトンの口から出た選手は、ロサンゼルス・クリッパーズのパトリック・ビバリー。ビバリーが見せる粘着気質なディフェンスに対し、ペイトンはこのように語った。
「私はビバリーのことを、最もすばらしいオンボール・ディフェンダーだと思っている。まるでボールにでもなって相手選手を監視するかのようにつきまとい、マッチアップ相手の仕事を難しくさせるのさ」。
ペイトンが挙げた残りの3選手は、マーカス・スマート(ボストン・セルティックス)、ラジョン・ロンド(ニューオリンズ・ペリカンズ)、そして20歳のルーキー、ロンゾ・ボール(ロサンゼルス・レイカーズ)だった。
「今後数年で、私はボールがすばらしいバスケットボールプレーヤーになることができると思っている。夏の間に彼自身のゲームを磨いていくはずだ。もっともディフェンス面に関しては、これからもずっと、良い働きをしていくだろうね」。
また、ペイトンはスマートについて「毎試合あふれんばかりのエナジーでディフェンスに取り組んでいる」と称賛し、ロンドについては自身の現役時代に苦しめられた「ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)のようだ」と持論を展開。
ポール、ビバリー、スマート、ロンドに関しては、ディフェンスに定評があったものの、ペイトンがボールについても自信を持って語っており、高く評価していたことは興味深い。
残念ながら、ビバリーは右膝負傷により今季絶望、スマートも右手親指の負傷により、今季絶望になる可能性があるものの、ここで紹介された選手たちのプレーを見る機会があれば、是非ともそのディフェンンス面をチェックしてみてほしい。