ウエスト上位へ浮上後も高勝率を堅持
レギュラーシーズンは終盤に入り、ウエスタン・カンファレンスではきわめて激しいプレーオフ出場争いが繰り広げられている。
3月28日(現地時間27日)終了時点で4位のオクラホマシティ・サンダーから8位のミネソタ・ティンバーウルブズまで、たったの2.0ゲーム差という団子状態で、8位のウルブズと10位のデンバー・ナゲッツも2.0ゲームしか離れておらず、最終戦までもつれ込みそうな展開だ。
そんな中、今回注目したいのは5位にいるニューオリンズ・ペリカンズ。1月末にオールスターセンターのデマーカス・カズンズが負傷離脱してしまったものの、アンソニー・デイビスを中心に2月を8勝3敗、3月もここまで8勝6敗と勝ち越しに成功している。
カズンズ離脱後、ペリカンズは208センチのシューター、ニコラ・ミロティッチをトレードで、フリーエージェント(FA)では元ドラフト1位指名のビッグマン、エメカ・オカフォーを獲得し、戦力補強してきた。
主軸を務める万能戦士4人がトリプルダブル!
そんな中、ペリカンズのロースターには興味深いデータがあった。このチームには今季トリプルダブルを達成した選手が4人もいるのである。その内訳は、カズンズが3回、ベテランの司令塔ラジョン・ロンドが2回、デイビスが1回、コンボガードのドリュー・ホリデーも1回。1つのチーム内で、同一シーズンに4人もトリプルダブルを達成することはきわめて珍しい。
『NBA History』によると、ペリカンズのケースは史上2度目。ほかに達成したチームは、1973-74シーズンのロサンゼルス・レイカーズしかないのだという。
このシーズンのレイカーズは、シーズン成績47勝35敗でプレーオフには出場したものの、NBAファイナルまで勝ち上がってはいない。それでも、4選手がトリプルダブルをマークしていた。
現役最後のシーズンをプレーしたジェリー・ウェスト(元レイカーズ)が1回、コニー・ホーキンスとジム・プライス(共に元レイカーズほか)が1回、そしてリーグトップの平均4.9ブロックを残したセンターのエルモア・スミス(元レイカーズほか)が6回を記録。スミスはいずれも得点、リバウンド、ブロックでトリプルダブルを達成していたのである。
今季のペリカンズに話を戻そう。カズンズ不在の中、デイビスが平均28.3得点11.1リバウンド2.3アシスト1.5スティール2.5ブロック、ホリデーが平均19.0得点4.5リバウンド5.9アシスト1.4スティールと、共に自己ベストと言っていいパフォーマンスでチームをけん引している。
ロンドはプレータイムこそ30分未満ではあるものの、平均8.2得点4.0リバウンド7.9アシスト1.0スティールと、3人そろってオールラウンドな成績を残している。また、昨年12月28日(同27日)のブルックリン・ネッツ戦ではキャリアハイとなる25アシストをマーク。キャリア12年目の32歳となった現在も、ポイントガードとしての能力が一線級であることを示した。なお、25アシストは今季リーグベストの本数となっている。
残り7試合のうち、勝率5割以上のチームとは5試合も組まれているため、ペリカンズは厳しいスケジュールと言わざるをえない。しかし、多方面でゲームに影響を与えることのできるデイビス、ホリデー、ロンドがいる限り、勝利を重ねていくことができると期待したい。