4月15日(現地時間14日)から、計16チームによる今シーズンの王座を懸けた激闘、「NBAプレーオフ2018」が幕を開けた。そこでバスケットボールキングでは、プレーオフ出場チームやシリーズ勝敗予想に加え、これまでのプレーオフにおける名シーンや印象的なシリーズ、ゲームなども順次お届けしていく。
<プレーオフ特別企画⑭>
ファーストラウンド プレビュー Part.7
オクラホマシティ・サンダー×ユタ・ジャズ
■2017-18シーズン成績
サンダー>48勝34敗(ウエスタン・カンファレンス4位)
ジャズ>48勝34敗(ウエスタン・カンファレンス5位)
■2017-18シーズン直接対決戦績
サンダーが3勝1敗でリード
■サンダー
昨年以上の結果をプレーオフで残せるか?
今季のサンダーは、ポール・ジョージ、カーメロ・アンソニーという頼れるスコアラーを獲得したものの、やはりラッセル・ウェストブルックのチームだった。
カーメロはシーズンをとおしてショットの精度に苦しみ、ジョージもオールスター以降はシュートスランプに陥ってしまったことで、ウェストブルックによる獅子奮迅の働きがプレーオフ出場へと導いたと言っても過言ではない。
そんな中、1月下旬にアンドレ・ロバーソンが戦線離脱後、3月上旬にベテランのコーリー・ブリュワーが加入。3月9日(同8日)のフェニックス・サンズ戦で先発シューティングガードに入ると、シーズン終了までの16試合で11勝をマーク。サンダー加入後のブリュワーは平均10.1得点2.1スティールを記録し、サンダーを勢いに乗せた。
今季はオフェンシブ・レーティングでリーグ10位(107.6)、ディフェンシブ・レーティングではリーグ9位(104.2)を記録。昨季リーグ最下位(32.7パーセント)に終わった3ポイントシュート成功率が今季はリーグ24位の35.4パーセントに微増したものの、攻防両面において、大幅な上昇もなければ、下降することもなかった。これは、ウェストブルックの下、ジョージやカーメロ、ブリュワーがフィットしたということができるだろう。昨年のプレーオフ1回戦ではヒューストン・ロケッツに1勝4敗で敗退しているため、大型補強の成果をプレーオフで見せ付けたいところ。
■ジャズ
リーグ随一の堅牢ディフェンスで勝機を見出す
昨季オールスターに選出されたゴードン・ヘイワード(現ボストン・セルティックス)の退団により、ジャズのプレーオフ出場を確信していた者は少なかったはず。
ディフェンス面においてはリーグ屈指の戦力を誇るとはいえ、守護神ルディ・ゴベアは今季26試合も欠場していた。シーズン途中には得点源の1人ロドニー・フッドらを放出し、クリーブランド・キャバリアーズから献身的なプレーが光るジェイ・クラウダーを獲得。選手の入れ替えがあった中で、オールスター以降にリーグ3位となる18勝6敗と一気に貯金を増やし、プレーオフ出場を果たした。
スターターを務めるのはリッキー・ルビオ、ドノバン・ミッチェル、ジョー・イングルズ、デリック・フェイバーズとゴベア。新人ミッチェルが平均20.5得点を記録し、オフェンス面でジャズをけん引。チーム全体として、得点力が高いわけではないものの、シュート成功率はおおむねリーグ中位にランクインしており、ショットの精度が高くなれば、オフェンス面は上昇あるのみ。
そしてもちろん、リーグトップクラスのディフェンス力を忘れてはならない。ディフェンシブ・レーティングでリーグ2位(101.8)を誇るジャズの堅牢は、王者ゴールデンステート・ウォリアーズをわずか79得点にシャットアウトするほどのすさまじいレベルを誇っている。相手が爆発力を誇るサンダーとはいえ、ジャズのディフェンスは十分通用するのではないだろうか。
■シリーズ予想 サンダー 4-2 ジャズ
得点オプションの差でサンダーが有利か
シーズン中の直接対決ではサンダーが3勝1敗とリードしているものの、この4試合はすべてクリスマス・ゲーム前に行われたものなので、プレーオフを戦ううえで、大きな要素とは言えない。
サンダーはロバーソンの代わりにブリュワーが入っただけでなく、ウェストブルック、ジョージ、カーメロの連係も向上。ジャズにしても、ミッチェルが成長を続けており、リザーブにクラウダーが入ったことで、選手層が厚くなっているからだ。
サンダーとしては、シーズン中と同様、ウェストブルックにはトリプルダブル級のパフォーマンスを毎試合期待したい。オフェンス面では4月に復調の兆しを見せたジョージとカーメロが平均20得点前後を残すことができれば理想。ディフェンス面ではゴール下の番人スティーブン・アダムズを筆頭に、ジェラミ・グラントやパトリック・パターソンがインサイドで存在感を発揮し、ジョージやブリュワーらがミッチェルを抑えることができれば勝機は見えてくる。
ジャズ側からすると、なるべくウェストブルックにプルアップ・ジャンパーを打たせるようなディフェンスを敷きたいところ。ペイント内の交通整理役として有能なゴベアがいるとはいえ、リーグトップのドライブ数(平均19.2回)を誇るウェストブルックにドライブからの得点やアシストを許すと、ハイペースなスコアリングバトルに発展し、ジャズとしては不利な状況に陥ってしまうことになるからだ。
シリーズとしては、ジャズがディフェンスでサンダーを苦しめることとなるだろうが、得点オプションの差でサンダーが制すると予想した。