プレーオフデビューから5試合連続で25得点以上を記録するアンソニー・デイビス

ブレイザーズとのシリーズ初戦でも35得点と大活躍したデイビス[写真]=Getty Images

ここ10年で達成したのはデイビスのみ

 2015年にプレーオフデビューを果たしたアンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)は、ゴールデンステート・ウォリアーズとのファーストラウンドで4連敗というスウィープ負けを喫した。

 それでも、エースのデイビスは初戦から35得点、26得点、29得点、36得点と、すべての試合で25得点以上を奪取。シリーズ平均31.5得点、フィールドゴール成功率54.0パーセント、フリースロー成功率88.9パーセントという高い数字を残していた。

 あれから3年が経過し、名実共にリーグを代表するビッグマンへと進化したデイビスは、自身2度目となるプレーオフで自らの実力を証明。

 4月15日(同14日)に行われたポートランド・トレイルブレイザーズとのシリーズ初戦。デイビスはゲームハイとなる35得点14リバウンド4ブロックをマーク。ブレイザーズとの初戦を制し、プレーオフにおける初勝利を飾った。

ビッグマン離れしたクイックネスを駆使してリング下で軽々と得点するデイビスは脅威[写真]=Getty Images

 『EliasSports』によると、プレーオフのデビュー戦から25得点以上を5試合続けてマークしたことがあるのは史上4人しかいない。このリストに名を連ねているのはカリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか/14試合)、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/6試合)、ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか/5試合)、アール“ザ・パール”モンロー(元ニューヨーク・ニックスほか/5試合)という、レジェンドばかりである。

 レブロンがプレーオフデビューを果たしたのは06年ということから、ここ10年以上でこの記録に達した選手はこのデイビスだけということになる。

 ブレイザーズとの初戦を終えたデイビスは、現地メディア『ESPN』に対して「(これまで負けていた)悪い習慣を断ち切ることができたし、(プレーオフで)初勝利となったんだから、多くの意味がある。でも勝利したのはこの試合だけ。次の試合も取りに行く。それが俺たちの考え方なのさ。でも、初勝利できたことはいい気分だね」と語っていた。

対策を練ってきたブレイザーズはアジャストできるのか?

 実は、ブレイザーズはこのシリーズを迎えるにあたり、デイビスをスカウティングレポートの中でも最上位に挙げていた。「アンソニー・デイビスについては心配していない」と先発センターのユスフ・ヌルキッチも語っており、アル・ファルーク・アミヌやエド・デイビスらが交代でマッチアップしていくプランだった。

 現地メディア『The NEW ORLEANS ADVOCADE』によると、デイミアン・リラードはこんな言葉を残していたという。

 「彼(デイビス)をガードするのは、誰にとってもタフなこと。彼はボールを操ることができるし、3ポイントシュートにプルアップジャンパー、フローターも放てるし、コースト・トゥ・コーストだってできてしまうんだ。(デイビスをガードするのは)チームとして取り組まなきゃならない。俺たちはディフェンス時にお互いをヘルプし合う準備をしなければならないだろうね」。

208センチの長身で打点の高いショットを放つデイビス。特にプルアップジャンパーはガードが難しい[写真]=Getty Images

 ブレイザーズの指揮官テリー・ストッツも「難しいのは、彼を多くの異なるシチュエーションでガードしなければならないこと。コートに出ると、ペイント内やピック&ロール、または自らドリブルして攻めてくる。様々な状況で対応していかなければならない」と語っていた。

 初戦を見る限り、ブレイザーズはデイビスに対応しきれていない印象だ。フィールドゴール26投中14本を決められ、フリースローも9本(うち成功は7本)許してしまったからである。

 ブレイザーズとペリカンズのシリーズ第2戦は、18日(同17日)に行われる。ペリカンズが連勝することとなれば、シリーズはペリカンズ優勢となるに違いない。

 はたして、ブレイザーズはデイビスをストップできるのか。あるいは、デイビスがまたもや大暴れするのか。このシリーズの行方にも注目だ。

ブレイザーズとしてはデイビスの得点を減らすと共に、ミスを誘発してリズムを狂わせたいところ[写真]=Getty Images

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