20点リードを失うも、大黒柱が勝利をもたらす
4月23日(現地時間22日)、ボストン・セルティックス(2勝)とミルウォーキー・バックス(1勝)のシリーズ第4戦が、バックスのホーム、BMOハリス・ブラッドリー・センターで行われた。
先取点を挙げたのはセルティックス。この日レギュラーシーズンを含めてキャリアハイとなる34得点をたたき出したジェイレン・ブラウンが3ポイントシュートを決め、アーロン・ベインズのフリースロー1本でセルティックスが4-0とする。
バックスはタイラー・ゼラーとエリック・ブレッドソーの得点で対抗するも、セルティックスはベインズ、アル・ホーフォード、ジェイソン・テイタム、マーカス・モリスが続き、第1クォーター残り6分35秒で7点をリード(12-5)。
すると、バックスはヤニス・アデトクンボの4連続得点などで追い上げ、残り2分36秒にジャバリ・パーカーがダンクをたたき込み、15-14と逆転に成功。バックスは残り約1分から6連続得点を奪い、このクォーターを24-17とした。
第2クォーター。バックスはソン・メイカーとトニー・スネルの3ポイントシュートが決まり、残り9分46秒で13点をリード(30-17)。セルティックスはブラウンやテリー・ロジアーの得点で追いつこうとするも、バックスはクリス・ミドルトンやアデトクンボが加点し、点差が1ケタに縮まらない。前半を終えてバックスが16点リード(51-35)を手にする。
第3クォーター残り7分37秒。アデトクンボのダンクで、バックスはホームの大観衆を前に65-45で20点の大量リード。試合の行方は決まったかに思えた。
だがセルティックスはテイタムとブラウンを中心に8-0のランを見せ、一気に12点差へ。そして残り1分47秒にはテイタムのフリースローで6点差(65-71)まで詰め寄ると、このクォーターを終えて75-67。バックスのリードは8点にまで縮まっていた。
第4クォーター序盤。ベインズのダンクとブラウンの3ポイントシュートが決まり、セルティックスは3点差(72-75)と、射程圏内まで追い詰める。残り9分3秒にモリスがレイアップを決め、ゲームは同点(77-77)に。
バックスはメイカーの3ポイントシュートで逆転。セルティックスの猛追を振り切り、なんとかリードを保つも、残り52.4秒にテイタムのジャンパーが決まり、セルティックスがとうとう逆転(100-99)。20点ビハインドの劣勢から驚異的な追い上げを見せたのである。
セルティックスが勝てばシリーズ突破に王手をかけるという状況の中、バックスは最後まで粘ってみせた。残り33.5秒にマルコム・ブログドンが長距離砲を沈めて逆転(102-100)。その後ホーフォードがフリースロー2本を決めてセルティックスが残り29.6秒に追いつくも、残り5.1秒にアデトクンボが値千金のティップショットに成功。バックスが最終スコア104-102とし、終盤の激戦に終止符を打った。
敵将も称賛したアデトクンボの決勝ティップイン
バックスではアデトクンボが27得点7リバウンド5アシスト、ミドルトンが23得点6リバウンド2スティール2ブロック、パーカーがベンチから16得点7リバウンド2スティール3ブロック、ブログドンが10得点をマーク。
この日もディフェンスが冴えたバックスは、セルティックスのフィールドゴール成功率を41.4パーセントに抑え込み、メイカーの5本を筆頭にチーム全体で14ブロックを浴びせた。
セルティックスではブラウンが5本の3ポイントシュート成功を含む34得点8リバウンド3スティール、テイタムが21得点、ホーフォードが13得点9リバウンド4アシスト、ベンチからモリスが13得点。
第3戦でミスを連発してしまったロジアーはこの試合、8アシスト1ターンオーバーと、早速修正してみせた。しかし、フィールドゴールは12投中3本しか決めることができず、10得点に終わった。
決勝点を決めたアデトクンボは試合後、現地メディア『AP』に対して「俺たちがゲームを進めていくうえで、最も大切なことの1つは、規律を守り、互いを信じることだった」と語り、チームとして勝利したことを強調。
ブラッド・スティーブンズHCは「(アデトクンボは)ボールをつかみ取るために戦いを続けて、見事なティップインを決めた。すばらしい選手だからこそ遂行できることだ」と称賛の言葉を送っていた。
最後のポゼッションで、セルティックスはモリスのジャンパーを選択し、惜しくも外れてしまい、この試合を落としてしまった。「(モリスならば)10回放って10回決めることができるショットだった。でも今夜は入らなかったんだ。第5戦に向けて、前に進み続けるだけさ」とブラウン。
第5戦は25日(同24日)、会場をセルティックスのホーム、TDガーデンへ移動して行われることとなる。勝利したチームがシリーズ突破に王手をかける重要な一戦は、注目を集めるに違いない。