2018.04.15

1回戦プレビュー Part.5 セルティックス×バックス/プレーオフ特別企画⑫

セルティックスのホーフォード(左)とバックスのアデトクンボ(右)[写真]=Getty Images
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4月15日(現地時間14日)から、計16チームによる今シーズンの王座を懸けた激闘、「NBAプレーオフ2018」が幕を開けた。そこでバスケットボールキングでは、プレーオフ出場チームやシリーズ勝敗予想に加え、これまでのプレーオフにおける名シーンや印象的なシリーズ、ゲームなども順次お届けしていく。

<プレーオフ特別企画⑫>
ファーストラウンド プレビュー Part.5
ボストン・セルティックス×ミルウォーキー・バックス

■2017-18シーズン成績
セルティックス>55勝27敗(イースタン・カンファレンス2位)
バックス>44勝38敗(イースタン・カンファレンス7位)

■2017-18シーズン直接対決戦績
2勝2敗

■セルティックス

リーグ屈指のディフェンス力が持ち味

 チームトップの平均24.4得点5.1アシストを挙げていたカイリー・アービング、チームのベストディフェンダーであるマーカス・スマートを欠いた中で迎えるセルティックス。スマートの復帰見込みは4月下旬のため、1回戦に出場できるとすれば、第6戦か7戦のみという厳しい状況でプレーオフを戦うこととなる。

 バックスとのシリーズでは、テリー・ロジアージェイレン・ブラウンジェイソン・テイタムアル・ホーフォード、アーロン・ベインズという5人でスターターを形成することが予想される。

高確率なショットに定評のあるテイタム。試合終盤でも重宝されるだろう[写真]=Getty Images

 ベンチからはマーカス・モリスグレッグ・モンローという得点力のあるビッグマンこそいるものの、バックコートはシェーン・ラーキンと4月7日(同6日)に契約を結んだジョナサン・ギブソンといった選手しかおらず、アウトサイドからの得点はスターター陣にかかってくると言っていい。

 セルティックスがこのシリーズを勝ち抜くためには、1にも2にもディフェンス。この予想スターターがシーズン中にプレーしたのはわずか115分と少ないものの、100ポゼッションあたりの失点は92.0と、好数字を残している。なかでもベインズがコートにいる時間帯、セルティックスは100ポゼッションあたり97.0失点しか許していない。ディフェンス面においては、ベインズとホーフォード、バックコートのブラウンがカギとなってくる。

■バックス

リーグ上位のオフェンス力で1回戦突破を狙う

 211センチですべてのポジションをこなす驚異の万能戦士ヤニス・アデトクンボを擁するバックス。制限エリア(リム付近)からリーグトップとなる平均13.3得点を稼ぐアデトクンボは、相手チームからすれば悪夢と言ってもいいほど、驚異的なスコアリングマシンとなっている。

 周囲には堅実なシューターであるクリス・ミドルトン、爆発力のあるスコアリングガード、エリック・ブレッドソーがおり、オフェンス機会のうち約2割がトランジションという、早い展開を好むチームだ。ベンチには2ケタ得点が見込めるジャバリ・パーカーがおり、今季のオフェンシブ・レーティングはリーグ7位(107.8)をマークした。

ミドルレンジと3ポイントに秀でたミドルトン。安定感のあるシューターとして期待できる[写真]=Getty Images

 一方、ディフェンス面には不安が残る。ディフェンシブ・レーティングはリーグ24位(108.1)とリーグ下位、制限エリアで喫した平均失点(38.9)はリーグで最も多いことから、特にインサイドのディフェンスを少しでも改善したいところ。

 ただし、シーズン中盤以降に欠場していたマルコム・ブログドンとマシュー・デラベドーバがラインナップに戻ることで、バックコートのディフェンスは強化されることが見込める。ディフェンス面を改善することができれば、2001年以来のプレーオフ1回戦突破も夢ではないはずだ。

■シリーズ予想 セルティックス 4-3 バックス

セルティックスのディフェンスがシリーズを制するか

 ディフェンスのセルティックス対オフェンスのバックスという構図で展開されるであろう、このシリーズ。

 最大の注目は、セルティックスは誰がアデトクンボを抑えるのかということ。シーズン中の直接対決で、平均33.5得点と猛威を振るうバックスの大黒柱は、ホーフォードやグーション・ヤブセレ相手に50パーセントを超えるショット成功率を残している。ホーフォードやテイタム、ブラウンがマッチアップすることになるだろうが、ファウルトラブルに陥らぬよう、注意が必要となる。

制限エリア内で得点を量産するアデトクンボの存在が、バックス最大の武器[写真]=Getty Images

 また、被3ポイントシュート成功率でリーグトップ(33.9パーセント)を誇るセルティックスに対し、バックスはどのようにして効果的に長距離砲を決めていくのかも気になるところ。アデトクンボという最大の武器を活かすためには、高精度のアウトサイドシュートが求められる。

 セルティックスとしては、ホーフォード、テイタム、ブラウンを軸に加点し、バックスに対抗したい。特にホーフォードがペイントエリアで積極的に得点することが、バックス側に大きなダメージをもたらすことができそうだ。

ホーフォードはポストプレーやドライブからの合わせでペイント内の得点を増やしたい[写真]=Getty Images

 さらに、セルティックスは3ポイントシュートでリーグ2位の成功率(37.7パーセント)を残してきた。オフェンス時にはシーズン中と同様にアンセルフィッシュなボールムーブを継続すると共に、ロジアーの積極果敢なドライブが、ポイントとなってくる。

 このシリーズは早期決着ではなく、長引くことが予想される。第6戦、または最終戦にもつれ込む可能性は十分ある。最後はセルティックスがバックスの猛攻を防ぎきることとなるだろう。

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