後半に引き離したジャズがシリーズ3連勝
4月24日(現地時間23日)、オクラホマシティ・サンダー(1勝)とユタ・ジャズ(2勝)のシリーズ第4戦が、ジャズのホーム、ビビント・スマート・ホーム・アリーナで行われた。
第1クォーターで流れをつかんだのはサンダー。スティーブン・アダムズ、ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージらがショットを決めてジャズからリードを奪う。
対するジャズはルディ・ゴベアやドノバン・ミッチェルらが加点し、点差を詰めていくものの、残り5分41秒にジョージの3ポイントシュートで16-14とすると、サンダーはジャズに逆転を許さず、30-24でこのクォーターを終える。
第2クォーターに入って、ジャズは徐々に点差を詰めていく。残り3分45秒にゴベアのダンクで43-43のタイスコアとすると、ジャズ優勢の展開へと持ち込み、前半を終えて58-52と6点リード。
後半早々、ジャズはデリック・フェイバーズのアリウープ、リッキー・ルビオの3ポインター、ミッチェルのフリースロー2本、そしてゴベアのダンクで9点を連取し、サンダーから15点リード(67-52)を得る。
サンダーはカーメロ・アンソニー、ウェストブルック、ジョージが中心となって反撃するも、ジャズはバランス良く得点を奪い、最大18点をリード。このクォーターを終えてジャズは90-73の17点リードを手にし、最終クォーターへ。
第4クォーター残り8分18秒。ミッチェルが長距離砲を決めてジャズがリードを20点(99-79)へと広げる。シリーズを2勝2敗へと持ち込みたいサンダーは、そこからウェストブルック、ジョージのショットで、残り4分7秒に88-102と、14点まで点差を縮めていく。
しかし、ジャズはミッチェルがレイアップにフリースロー、3ポイントシュートを成功させ、残り1分28秒にジョー・イングルズの3ポイントシュートで20点差(111-91)とし、サンダーは万事休す。最終スコア113-96でジャズが制し、シリーズ第2戦から3連勝で、一気に王手をかけた。
マローンとMJという歴代有数のレジェンドと肩を並べたミッチェル
勝利したジャズは先発5人を含む6人が2ケタ得点を挙げるバランスの良いオフェンスを展開。ミッチェルがシリーズベストの33得点に加えて7リバウンド4アシスト、イングルズが5本の3ポイントシュート成功を含む20得点に4アシスト、ゴベアが16得点10リバウンド、ルビオが13得点6リバウンド8アシスト、フェイバーズが13得点2ブロック。ベンチスタートのロイス・オニールが10得点9リバウンドの活躍を見せた。
『NBA.com/Stats』によると、ミッチェルはジャズのフランチャイズ史上、ルーキーがプレーオフで挙げた得点記録を約32年ぶりに塗り替える快挙。1986年にカール・マローン(元ジャズほか)が残した31得点を超える活躍だった。さらに、プレーオフ最初の4試合で110得点をマークし、MJことマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が85年に残した117得点以来となる驚異的な成績をマークしている。
殊勲の活躍を見せたミッチェルは「今の僕は、本当に何も考えないようにしている。もし個人スタッツのことを考えてプレーしようものなら、冷静になってプレーすることができていないと思う」と試合後の会見で語っていた。ミッチェルはプレーオフというプレッシャーのかかる大舞台でも、黙々と自身のプレー、そしてチームから課せられた役割を遂行し、着実にチームを勝利へと導いてみせた。
サンダーでは、ジョージが32得点6リバウンド、ウェストブルックが23得点14リバウンド、カーメロが11得点6リバウンド2ブロック、ベンチスタートのアレックス・アブリネスが10得点2スティールを残すも、1勝3敗でジャズに王手をかけられ、絶体絶命のピンチに。
この日18本のショットを放って5本しか決めることができなかったカーメロは、試合後の会見で「ボールが(リングに)吸い込まれるかどうかは、コントロールできることではない」と自身のパフォーマンスについて悔やんだ。
また、第3戦でルビオにトリプルダブルを許してしまったウェストブルックは、気合十分でこの試合を迎えたものの、第1クォーター途中で2ファウル。第2クォーター残り7分25秒で3つ目を犯し、空回りしてしまう。さらに同クォーター残り1分36秒には4つ目のファウルを犯してしまい、ファウルトラブルで自滅。
試合後、現地メディア『AP』へビリー・ドノバンHCは「我々のプレーはとても悪化していた。もっとリム付近で良いプレーができていたと思う。それにボールムーブの部分でも、いくつかその機会を失ってしまっていた。今夜、我々が見せたボールムーブは散発だった」とこの試合について振り返った。
指揮官がコメントしたように、この試合のサンダーはターンオーバー数(14本)がアシスト数(10本)を上回るなど、オフェンスをなかなか機能させることができなかった。チーム全体のフィールドゴール成功率はわずか39.3パーセント、3ポイントシュート成功率も19.2パーセントに抑え込まれてしまった。
それに対し、ジャズのクイン・スナイダーHCは「1年間をとおして、我々はオフェンスでオープンショットを生み出すべく、トライすることを強調してきた。いつでもショットを決めることができるわけではないものの、継続することで決めることができるようになるだろうと言ってきた。そのお陰で、後半にタイムリーなショットをいくつか決めることができた」と試合を分析。
シリーズ第5戦は26日(同25日)、サンダーのホーム、チェサピーク・エナジー・アリーナで行われる。今季開幕前、優勝戦線復帰を強烈にアピールさせたサンダーのビッグ3は、プレーオフ1回戦で散ってしまうのか。それとも、ジョージとカーメロ、そしてウェストブルックがスコアラーとしての意地を見せ付けるのか。攻防両面でバランスの良いチームバスケットを展開するジャズが、そのサンダーの夢をどうやって打ち砕いていくかも注目したい。