プレーオフで唯一無二の存在であることを世界中に知らしめたレブロン
6月30日(現地時間29日)、『ESPN』を筆頭とする複数の現地メディアが、クリーブランド・キャバリアーズのスーパースター、レブロン・ジェームズが来季のプレーヤーオプションを破棄し、今夏制限なしフリーエージェント(FA)になると報じた。
複数の現地メディアによると、レブロンはキャブスへプレーヤーオプションを行使せず、制限なしFAになることを通達したという。
今季で15シーズン目を終えたレブロンは、レギュラーシーズン全82試合に先発出場し、平均36.9分27.5得点8.6リバウンド9.1アシスト1.4スティールを記録。平均アシストはキャリアベストで、平均出場時間は2シーズン連続でリーグトップをマーク。戦力入れ替えと主軸のケガなどでアップダウンの激しかったキャブスをイースタン・カンファレンス4位の50勝32敗へと導いた。
プレーオフではさらにギアを上げ、リーグベストとなる平均34.0得点に加えて9.1リバウンド9.0アシスト1.4スティール1.0ブロックと獅子奮迅のパフォーマンスを披露。ブザービーターやトリプルダブルを複数回記録し、8度の40得点以上を挙げており、記録にも記憶にも残るプレーでけん引。
NBAファイナルではゴールデンステート・ウォリアーズ相手に4連敗を喫したものの、シリーズトップの平均44.7分34.0得点10.0アシストに加え、8.5リバウンド1.3スティール1.0ブロックと攻防両面でキャブスのリーダーとして君臨した。
今回の決断は覇権争いに加わることとビジネス面を重視するのか!?
思えば8年前の2010年、レブロンはキャブスからマイアミ・ヒートへ移籍。ドウェイン・ウェイド(ヒート)とクリス・ボッシュ(現未所属)と共に“スリーキングス”を形成し、4年連続でNBAファイナルへと勝ち上がり、12、13年に2連覇を達成。
4年前の2014年には、故郷にチャンピオンシップをもたらすべくキャブスへ帰還。初年度から頂上決戦まで勝ち進み、16年には1勝3敗という絶体絶命の窮地からウォリアーズ相手に3連勝で歴史的な大逆転優勝を飾り、見事に有言実行を果たした。
今夏レブロンは、キャブスと再契約をすれば5年最大2億500万ドル(平均4,100万ドル)を得ることができるが、他チームと契約を結んだ場合は4年最大1億5,200万ドル(平均3,800万ドル)と大きな金額差が生じてしまう。
とはいえ、33歳のレブロンにとって、今夏は新たなチャレンジとして他チームへ移籍する可能性が高いというのがもっぱらのウワサだ。移籍先の最有力候補としてロサンゼルス・レイカーズ、その他にもヒューストン・ロケッツやフィラデルフィア・セブンティシクサーズも候補に挙がっている。
ファイナル終了後、「今後の去就については、家族と相談して決める」と語っていたレブロン。現役であり続ける限り、レブロンはチャンピオンシップを勝ち取るべく、優勝を狙えるチームでプレーすることを望んでいるはず。
その一方で、「俺は世界一のお金持ちになりたい」と以前、口にしていたように、ビジネス面にも強い関心を持っている。先日、経済誌『Forbes』で発表された世界のアスリートにおける副収入ランキングで全体2位の5,200万ドル(約56億6,800万円)を残しているように、ビジネスマンとしてもスポーツ界では超一流なのだ。
そのため、今夏のレブロンは優勝を狙える環境と、ビジネス面でもプラスになるような都市を選択すると予想される。
一部報道ではカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)がトレードでレイカーズへ移籍し、レブロンがFAで加入して超強力タッグを組むというウワサも流れている。レブロンはロサンゼルスにビジネスの拠点を置いているため、レイカーズ入りする可能性は十分あると言えるだろう。
今夏もしレブロンが他チームへ移籍となれば、スポーツ界を飛び越え、世界中で大きな注目を集めることは確実だ。NBAが誇る“キング”かつ、世界最強プレーヤーであるレブロンの一挙手一投足を見逃してはならない。