ドラフト前の時点でレブロンがスーパースターになると確信したエインジGM
2003年のドラフト全体1位指名でNBA入りしたレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)は、キャリア15シーズン目を終えた現在も、リーグの“キング”に君臨するベストプレーヤーだ。
NBA史上唯一無二となる通算3万得点、8,000リバウンド、8,000アシストをはじめ、プレーオフでは数々の最多記録を保持しており、レイカーズの一員となった今季以降も、記録を伸ばし続けていくに違いない。
そんな中、現地メディア『Boston Globe』に興味深い記事が掲載されていたので紹介したい。
その記事には、現在ボストン・セルティックスでGMを務めるダニー・エインジと、一昨季限りで現役を引退したレジェンド、ポール・ピアース(元セルティックスほか)が、レブロンの第一印象をそれぞれ語っていた。
エインジGMとピアースが初めてレブロンを見たのは、17歳の頃。だが、高校生の頃から強烈な印象を与えていたという。
「私はレブロンがまだ高校生の時から見てきた。だから(ドラフト後の)サマーリーグでプレーを見る前から、彼がスペシャルな選手になるだろうと知っていたよ」と語ったのはエインジ。
1990年代後半からフェニックス・サンズの指揮官を務めたエインジは、こう続けている。
「私の中で、レブロンはベストプレーヤーのうちの1人になるだろうと疑うことはなかった。17歳だったレブロンのプレーは、それほどまでに強烈な印象だった。10代ながらスーパースターになるだろうと呼ぶことのできる、ほんの一握りの選手だった」。
02年オールスター期間中に駆け巡った“高校生”レブロンによるインパクト
一方、現役時代に何度もレブロンと激しいマッチアップを繰り広げてきたピアースは、レブロンについてこう明かしていた。
「(03年の)ドラフト指名権があったから、彼(レブロン)を見に行ったんだ。フィラデルフィアで行われた俺にとって初めてのオールスターゲーム(02年)で、多くの人たちが『レブロンというキッドは本当にすごい。今すぐにでもNBAオールスターゲームに出ることができるかもしれないぞ』と言ってたから。その当時は『何だって!?』って感じだったけどね」。
ピアースは当時キャリア4年目。01-02シーズンのセルティックスは、ピアースとオールラウンダーのアントワン・ウォーカーがチームをけん引し、そろってオールスターに選出されていた。だが相棒のウォーカーは、レブロンのことばかり話していたという。
「アントワンがひっきりなしにレブロンについて話してきた。そしたら、『この場にいるNBAのオールスター選手たちよりも良いかもしれない』とまで言い放ったんだ」。
この年のオールスターゲームには、コービー・ブライアント(元レイカーズ)やアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)といった実力者だけでなく、ワシントン・ウィザーズで2度目の現役復帰を果たしたマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)もいたのだが、オールスター期間中の話題を、当時高校生だったレブロンが一部さらったというわけだ。
実際にオールスター本戦出場にふさわしかったかどうかは別として、レブロンが高校生ながら放っていたインパクトは相当なものだったことは間違いない。