開幕ロースター生き残りを懸けてトレーニングキャンプへ
8月9日(現地時間8日)、リーグの情報筋が『ESPN』に伝えたところによると、制限なしフリーエージェント(FA)のビッグマン、ジャリル・オカフォーがニューオリンズ・ペリカンズとの契約に合意したという。
同メディアによると、オカフォーがペリカンズと結んだ契約は、2018-19シーズンが部分的保障、翌19-20シーズンはチームオプション。つまり、オカフォーの開幕ロースター入りは約束されていない、ということ。
ペリカンズには昨季MVPの最終候補に入ったビッグマンのアンソニー・デイビス、ストレッチ4タイプのニコラ・ミロティッチ、今夏新加入のジュリアス・ランドル、05年の新人王でベテランのエメカ・オカフォーらが契約下にいる。
そのため、J.オカフォーは来月下旬から始まるトレーニングキャンプで自らの実力を証明し、開幕ロースターへ生き残りを懸けて戦うこととなる。
大学時代までエリートとしての道を歩んできたビッグマン
J.オカフォーは、大学時代までバスケットボール界におけるエリートとしての道を歩み続けてきた。
イリノイ州シカゴで生まれ育ったJ.オカフォーは、ホイットニー・ヤング高時代にU-16アメリカ選手権(2011年)、U-17ワールドカップ(2012年)やU-19ワールドカップ(2013年)のメンバーに選出され、いずれも平均2ケタ得点を挙げて金メダルを獲得してきた実績の持ち主。
高校最終学年となった14年には、「マクドナルド・オールアメリカン」「ジョーダン・クラシック」「ナイキ フープサミット」という、有望な選手が集まるエキシビジョンに招待され、いずれも14得点以上をマーク。特にジョーダン・クラシックでは29得点9リバウンドをマークし、クリフ・アレキサンダー(元ポートランド・トレイルブレイザーズ)と共にMVPを獲得している。
デューク大には1シーズンのみの在籍だったものの、平均30.1分17.3得点8.5リバウンド1.3アシスト1.4ブロックをマークし、フィールドゴール成功率66.4パーセントという高確率で得点を量産。
J.オカフォーが在籍していた14-15シーズン。デューク大はNCAAトーナメント決勝でフランク・カミンスキー(現シャーロット・ホーネッツ)とサム・デッカー(現クリーブランド・キャバリアーズ)率いるウィスコンシン大を下し、全米制覇を成し遂げた。
このチームには、J.オカフォーだけでなく、トーナメント最優秀選手(Most Outstanding Player)に選出されたタイアス・ジョーンズ(現ミネソタ・ティンバーウルブズ)やジャスティス・ウィンズロウ(現マイアミ・ヒート)、クイン・クック(現ゴールデンステート・ウォリアーズ)、グレイソン・アレン(現ユタ・ジャズ)といった将来のNBA選手が複数いたのだが、J.オカフォーの存在感は際立っていた。
インサイドを軸に多才なムーブで得点を重ねるスキルを備えた男の再起に期待
アーリーエントリーでNBA入りを宣言したJ.オカフォーは、15年ドラフト1巡目全体3位でフィラデルフィア・セブンティシクサーズから指名。NBAデビューとなった15-16シーズンに53試合(うち先発は48試合)に出場し、平均30.0分17.5得点7.0リバウンド1.2アシスト1.2ブロックをマークし、オールルーキーファーストチームに選出。
ところが、キャリア2年目からプレータイムが徐々に減少。3年目となった昨季途中にはブルックリン・ネッツへトレード。それでもプレータイムは平均15分未満で、昨季の平均得点はわずか6.3にとどまっていた。
それでも、今年1月28日(同27日)に行われたウルブズ戦ではベンチスタートで約24分の出場時間ながら、J.オカフォーはフィールドゴール14投中9本を沈めるなどシーズンハイの21得点を挙げており、ペイントエリアを軸に、ジャンパーやフックなどを駆使して高確率で得点できることを証明。
そして迎えた今夏、一時は出番を求めて中国リーグへの移籍もささやかれたが、J.オカフォーはペリカンズで再起のチャンスをつかむことができた。
211センチ124キロと屈強な肉体を誇るビッグマンはまだ22歳。衰えるには早すぎる。今後NBAで長いキャリアを築くべく、J.オカフォーの挑戦は新天地ペリカンズで幕を開けることとなる。
まずはトレーニングキャンプにベストシェイプで臨み、開幕ロースターに名を連ねることができるよう、奮闘してほしいところだ。