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フィラデルフィア・セブンティシクサーズが、ベン・シモンズらとのオプションを行使した事を発表したが、ジャリル・オカフォーとのルーキー契約4年目のオプションを行使することを発表せず、放棄する形となった。さらにチームは、全額ではないが契約金を払い、選手を制限なしFAにするバイアウトまたは他チーム間とのトレードを可能な限り早く行うという情報も出ており、オカフォー本人もそれを望んでいると報じられている。
オカフォーは自身にとって2年目となった昨シーズンからトレード期限直前にボストン・セルティックスとのトレード案が浮上しており、成績不振や一般人との騒ぎを起こしてしまうなど、コート内外で不本意なシーズンを過ごしてしまっていた。3年目となる今季は、オフシーズンに肉を食べない野菜中心の食生活で、約9キロの減量に成功し、本人もシクサーズの一員としてシーズンを迎えられることを喜んでいた。しかし、今オフもトレードの噂は付きまとっており、放出は時間の問題という見解が多かった。シクサーズは、先日大型再契約を結んだジョエル・エンビードに加え、ダリオ・シャリッチ、アミア・ジョンソン、ケガで離脱中のリショーン・ホルムズと言ったインサイド陣がそろっており、オカフォーは11月2日時点でわずか1試合の出場にとどまっている。それでも出場したラプターズ戦では、10得点9リバウンド2ブロックを記録するなど、決して悪くはない活躍を見せた。
オカフォーは名門デューク大学の出身で、2015年には優勝に導いており、個人としても多くのタイトルを受賞した経歴を持っている。2015年にドラフト全体3位でNBA入りし、ルーキーシーズンには1試合平均17.5得点7リバウンド1.2ブロックを記録。ルーキーシーズンで同17得点7リバウンド1ブロック以上を記録した選手は、この5年間でオカフォーと同期入団のカール・アンソニー・タウンズ、同じチームでプレーするジョエル・エンビードにオカフォー含む3選手のみ。またU16、U17、U19の世代別代表でも金メダルを獲得しており、このまま腐るには非常に惜しい選手だ。
同期のタウンズや、今季ブルックリン・ネッツに移籍し昨季以上の数字を既に残しているディアンジェロ・ラッセル、開幕5試合中4試合で30得点以上をマークし、ニックスのフランチャイズレコードを樹立したクリスタプス・ポルジンギスなどが活躍する中で、干され続けてしまうのは、彼にとっていいことがないというのは間違いない。
今回のオカフォー放出は、戦力を整え直すという面ではチームに、このまま出場できずに終わることに比べれば他チームに移籍した方がチャンスが多いという面でオカフォーにとっていい面がある一件となるはず。特に、不完全燃焼が続くオカフォーにとっては、いい機会になることを願いたい。
現在、バイアウトが成立するのであれば、セルティックスが獲得に出るのではないかという噂が出ているようだ。
文=中野知馬
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