3ポイントもレパートリーに加えたリーグ有数のオフェンシブ・センター
昨季でキャリア10シーズン目を終えたセンター、ブルック・ロペスは、制限なしフリーエージェント(FA)となった今夏、新天地にミルウォーキー・バックスを選択。得点力ではリーグ有数のビッグマンという評価を得ているロペスは、これまで平均20得点以上を4度記録し、2013年にはオールスターにも選出された実績を持つ。
8月9日(現地時間8日)、現地インターネットサイト『HoopsHype』にロペスのインタビューが掲載されていたので、その中から一部を紹介していこう。
まずバックスへ移籍した経緯について、ロペスはこう明かしていた。
「僕はここで(新たなチームメートたちと)共通の意識を持って競い合う関係を構築できると思ったんだ。若手も含めて、このチームにはタレントが豊富にいる。だからどの選手にとっても、それぞれの役割をこなすにあたってイージーになると思ってる。だから、僕らは間違いなく、イーストを騒がせることができるんじゃないかな」。
バックスにはヤニス・アデトクンボやクリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソーといった有能な選手が所属している。中でもアデトクンボは23歳ながら、すでにリーグ屈指の選手へと進化し続けている。アデトクンボとプレーできることに対してはどう感じているのだろうか。
「ワクワクしてる。彼は文句なしにリーグでもベストプレーヤーの1人だからね。イーストではベストプレーヤーじゃないかな。彼とコートで一緒にチームメートとしてプレーできるなんて最高さ。彼の最も特筆すべきところは、選手としてだけでなく、チームメートとしてもすばらしいことだね。これは本当に特別なことだし、ユニークなことでもある」。
ロペスはブルックリン・ネッツに在籍していた2016-17シーズンに、3ポイントシュートをレパートリーに加えた。16年夏にジムで練習を続けて、ケニー・アトキンソンHCからは自信を与えてもらい、背中を押してもらったという。
昨季プレーしたロサンゼルス・レイカーズも含めたここ2シーズンで、ロペスは1試合平均4.4本以上の3ポインターを放ち、成功率はいずれも34パーセント以上と、まずまずの結果を残している。
バックスは昨季、3ポイントシュート成功率(35.5パーセント)でリーグ22位、平均成功数(8.8本)ではリーグ27位を記録しているように、チームの弱みの1つとなっている。今季もロペスはアウトサイドからショットを放つ機会が多くなるだろう。ロペスも自身の役割の1つとして捉えているという。
「僕だけでなく、アーサン(・イリヤソバ)もアウトサイドからショットを決めることができる。僕らは3ポインターを決めることが、このチームにおける役割の1つになるだろうと分かってるよ。コーチ(マイク・ブーデンホルザー)のシステムでは、フロアを広く使うべく、5人全員がアウトサイドにポジショニングすることもあるからね。僕らが3ポイントシュートを決めることで、ヤニスやドライブを得意とするエリックのプレーを活かすことができると思うよ」。
イーストの強豪チームに対して“宣戦布告”したロペス
今夏、8年連続でイースタン・カンファレンスを制していたレブロン・ジェームズがレイカーズへ移籍したことで、多くのチームがイーストはワイドオープン(どこにも制するチャンスがある)だと見ている。そんな中、ロペスも今季のバックスに対して自信を持っている。
「もちろん、僕らも間違いなくイーストはワイドオープンだと思っている。きっと今シーズンのイーストは楽しくなると思ってる。エキサイティングで、超競争的な戦いになるだろうね。トロント(・ラプターズ)やボストン(・セルティックス)、フィリー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)といった多くのチームがファイナルに進出できると捉えているんじゃないかな。それに僕らもイーストを勝ち上がることができると、とても自信を持ってるんだ」。
バックスは今夏、ジャバリ・パーカー(シカゴ・ブルズ)こそ移籍したものの、ロペスとイリヤソバという両ベテランに加え、パット・カナトン、新人で昨季のNCAAトーナメント最優秀選手であるドンテ・ディヴィンチェンゾを獲得しており、戦力アップに成功したと言っていいだろう。
リーグきっての知将と称されるブーデンホルザーHCの下、バックスがどのようなプレーで白星を積み重ねていくのか。今季のイーストの戦況を占ううえで、忘れてはならないポイントの1つとなりそうだ。