リーグ屈指の実力者レナードを加えたラプターズ/NBA2018-19開幕特集⑫注目チーム10選 Vol.8

ラプターズは攻防兼備の万能戦士レナードを獲得し、悲願のイースト制覇を目指す[写真]=Getty Images

世界最高のプロバスケットボールリーグ、NBAの2018-19シーズンが10月17日(現地時間16日)に幕を開けた。82試合という約半年におよぶレギュラーシーズンを楽しむべく、バスケットボールキングではカンファレンス プレビューや注目チーム、プレーヤーランキングなどをお届けしていく。

NBA2018-19シーズン開幕特集⑫注目チーム10選 Vol.8
リーグ屈指の実力者レナードを加えたトロント・ラプターズ

 注目チーム第8弾は、昨季イースタン・カンファレンストップの59勝を挙げたラプターズ。長年チームを支えてきたデマー・デローザンと、若手センターのヤコブ・ポートルを放出し、実力者カワイ・レナードとベテランのダニー・グリーンらを加えたラプターズは、今季もイーストの優勝候補の一つ。では今オフの動向をチェックしていこう。
※データは現地時間10月15日現在、G=ガード、F=フォワード、C=センター、FA=フリーエージェント

■新加入
クリス・ブーシェイ(F/2way)
ダニー・グリーン(G-F)
カワイ・レナード(F)
ジョーダン・ロイド(G/2way)
グレッグ・モンロー(C)

3ポイントとディフェンスに秀でたベテラン、グリーンの獲得にも成功した[写真]=Getty Images

■残留
OG・アヌノビー(F)
ロレンゾ・ブラウン(G)
サージ・イバカ(F-C)
カイル・ラウリー(G)
CJ・マイルズ(F-G)
ノーマン・パウエル(F-G)
マラカイ・リチャードソン(G)
パスカル・シアカム(F)
ヨナス・バランチュナス(C)
フレッド・バンブリート(G)
デロン・ライト(G)

■退団
デマー・デローザン(G/サンアントニオ・スパーズ)
アルフォンゾ・マッキニー(F/ゴールデンステート・ウォリアーズ)
マルコム・ミラー(F/FA)
ルーカス・ノゲイラ(C/スペイン)
ヤコブ・ポートル(C/サンアントニオ・スパーズ)

■予想スターター
PG>カイル・ラウリー
SG>ダニー・グリーン
SF>カワイ・レナード
PF>サージ・イバカ
C>ヨナス・バランチュナス

精神的支柱のラウリーは、今季でラプターズ在籍7シーズン目を迎えた[写真]=Getty Images

実力者の加入でチーム史上最高のロースター形成に成功

 昨季イースタン・カンファレンストップ、フランチャイズ史上トップの59勝を挙げたラプターズは、シーズン終了後にドウェイン・ケイシーHC(現デトロイト・ピストンズHC)を解任。さらには長年チームのエースを務めてきたデローザンを放出し、チームに変化を加えた。

 マサイ・ウジリGMは今夏、ニック・ナースACをHCへ昇格させると、デローザン、ポートルとのトレードでレナードとグリーンを獲得。FAでは多彩なビッグマン、モンローを加えることにも成功。

 デローザンとポートルが移籍したとはいえ、ラプターズは昨季59勝を挙げたそのほかのロースターを保持しており、レナードとグリーン、モンローが入ることで、机上ではラプターズ史上最高と言っても過言ではないロースターとなっている。

 ベンチには昨季最優秀シックスマン賞の最終候補に入ったバンブリートを筆頭に、ライトやパウエル、マイルズ、シアカム、モンローがおり、選手層も厚い。昨季のラプターズはオフェンシブ・レーティングとディフェンシブ・レーティングの両方でリーグトップ5に入った唯一のチームであり、今季はさらに戦力増強となったことから、フランチャイズ史上初となるファイナル進出も決して夢ではない。

ベンチ陣の中心選手の1人、シアカムはプレシーズンでチーム3位となる平均12.8得点に7.8リバウンド3.0アシストをマーク[写真]=Getty Images

レナードのパフォーマンスがイーストを制するためのカギ

 今季のラプターズの命運を握るのは、やはりレナードだろう。平均25.5得点を挙げた一昨季のようなパフォーマンスを見せることができれば、ラプターズは攻防両面で1ランク上のチームへと変貌を遂げることができるはずだ。

 そしてレナードはディフェンダーとしての評価も高く、オフェンスとディフェンスの両エンドでインパクトを残すことができる“2wayプレーヤー”だということも見逃せない。ベテランのグリーンもディフェンスに秀でており、今季のラプターズは確実にディフェンス巧者が増えた。

 来年3月下旬に33歳を迎えるラウリーの衰えを不安視する声もあるが、極端にダウンすることはなさそう。一昨季(平均22.4得点7.0アシスト)に比べて昨季は平均16.2得点6.9アシストと、得点面はダウンしたものの、これはあくまでプレータイムを若手に譲ったからであり、プレーの質が衰えたわけではない。

 ラウリーはナースHCが信頼するヴォーカル・リーダーであり、競争心旺盛なポイントガード。このラウリーとレナードを中心に、ラプターズは昨季と同様にイーストトップ争いを演じることとなる。

 レナードとグリーンが早い段階でチームにフィットできれば、ボストン・セルティックスとフィラデルフィア・セブンティシクサーズを上回る成績を残すことも十分可能だろう。

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