新たな役割に適応しきれず、フラストレーションを爆発させたエンビード
11月13日(現地時間12日)にフィラデルフィア・セブンティシクサーズへ加入後、ジミー・バトラーは12月10日(同9日)終了時点で12試合に出場。平均21.4得点5.3リバウンド3.0アシスト2.0スティールを記録し、シクサーズはその期間に9勝3敗をマークしてイースタン・カンファレンス3位の18勝9敗を記録している。
そんな中、8日(同7日)に地元メディア『Philly.com』へ掲載された記事の中で、オールスタービッグマンのジョエル・エンビードはバトラー加入後の役割についてこう漏らしていた。
「俺はこれまで、チームメートたちへスペースを与えるストレッチ5としてプレーしていた。3ポイント成功率は29パーセントしかなかったけどな。でもここ数試合、俺のプレーはいつだってペリメーターから始まるんだ。それが俺をイライラさせている。俺の身体はいい状態だ。今はただ、うまくプレーできていないだけなんだ」。
エンビードは3日(同2日)のメンフィス・グリズリーズ戦でフィールドゴール13投中成功わずか4本の15得点、6日(同5日)のトロント・ラプターズ戦ではフィールドゴール17投中成功5本の10得点と不発。2試合連続でターンオーバーを4本記録しており、明らかに不振に陥っていた。
大の負けず嫌いがそろったシクサーズ、問題解決には勝利することが最善の道
シクサーズは8日(同7日)のデトロイト・ピストンズ戦でエンビードに休息を与えた。するとバトラーは同メディアに対し、エンビードについてこのように語っていた。
「彼(エンビード)は本当にピュアなヤツなんだ。彼は勝ちたいんだと思う。彼の気持ちは理解できる。これは彼にとって新たな役割であり、俺にとってもそうだ。このチームの皆にとって、新しいことなんだ。でも俺たちは大丈夫。彼は勝ちたがっている。だからフラストレーションがたまっているんだと思う」。
イースト上位対決となったラプターズ戦で絶不調に終わったエンビードは、自身のパフォーマンスに加え、チームも負けてしまったため、不満を口にしてしまったのだろう。
バトラーはエンビードのことを「このチームのベストプレーヤー」と評しており、「俺たちは今後、彼が常に成功と思えるプレーができるように、最も適切な方法を見つけていくさ」と続けた。
11日(同10日)に行われたピストンズ戦。エンビードは戦列復帰したものの、バトラーが前半途中に鼠径部の張りにより途中退場。その試合でエンビードはチームトップの24得点をたたき出し、116-102で勝利へと導いてみせた。
.@JoelEmbiid posts a team-high 24 points with 8 rebonds, 3 assists, 2 steals and 2 blocks vs Detroit. #HereTheyCome https://t.co/zuiLeb7QSL
— Philadelphia 76ers (@sixers) December 11, 2018
試合後の記者会見で、エンビードは「俺は皆のことが大好きだ。チームメートも、コーチングスタッフのことも大好きだ。皆は俺のことをわかってくれていると思う。俺がフラストレーションを抱えていたのは、常に高いレベルを自分自身に課していたからなんだ」とコメント。
ブレット・ブラウンHCもエンビードについて高く評価している。
「このチームにとって、彼がどれほど重要なのかがわかるはずだ。特にジミーが離脱してからはね。彼は終盤にいくつか重要なプレーを決めてくれた。今夜、彼が見せた情熱は見事なものだった」。
バトラー、エンビード、そしてベン・シモンズは大の負けず嫌い。3人のスター選手がうまくフィットするための最も大切な条件は、勝利することに他ならない。今後も衝突することはあるかもしれないが、互いに本音を言い合い、ベストな方法を見つけ出し、勝利へとつなげることで解決することだろう。