家族や友人たちの前でブレイザーズを勝利へと導く決勝弾を決め切ったリラード
12月28日(現地時間27日)、ポートランド・トレイルブレイザーズはゴールデンステイト・ウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナに乗り込んで一戦を交えた。
ゲームは第4クォーター残り20.0秒にケビン・デュラントが同点弾となる3ポイントをねじ込み、延長にもつれた。延長ではウォリアーズが優位に進めるも、残り6.0秒に右コーナー付近からデイミアン・リラードが勝ち越しの3ポイントを突き刺し、ブレイザーズが110-109で勝利を手にした。
カリフォルニア州オークランド出身のリラードは、幼少期から地元ウォリアーズの大ファン。高校時代までを過ごした故郷でプレーしたリラードは、家族や友人の前ですばらしいクローザーぶりを発揮。
ウォリアーズは来季からサンフランシスコに建設中のチェイス・センターへとホームコートを移転するため、リラードにとって思い入れのあるオラクル・アリーナでプレーするのは最後だった。
この試合で21得点5アシストを記録したリラードは「最高の終わり方だった。俺たちは勝利を必要としていた。この勝利はすごく大きいね。彼らとは2戦連続で戦わなければならないから、今日のように堅実なゲームをしなければならなかったんだ」と『AP』へコメント。
30日(同29日)にホームのモーダ・センターでウォリアーズと再び戦うこととなるブレイザーズにとって、この日はリラードだけでなく、CJ・マッカラムが24得点、ユスフ・ヌルキッチが27得点12リバウンド4アシストの活躍を見せたことは良い兆候と言っていいだろう。
初めて放った3Pから約18年後、思い出のアリーナで決めた“ラストショット”
するとリラードは、子どもの頃から憧れていたオラクル・アリーナの思い出を語り始めた。9歳か10歳の時、兄ヒューストンと一緒にヒューストン・ロケッツ対ウォリアーズの試合を観戦しに行った時のことだ。
「兄貴と俺は席に座って、試合前にスティーブ・フランシス(元ロケッツほか)のワークアウトを見ていた。それでボールがスタンドに入ってきたから、そこまで下りていったんだ。それでボールをつかんで、(コートへ)投げようとしたら、彼が『違う。こっちに来てシュートするんだ』というジェスチャーをしてくれた。そこで俺はコートに入って3ポイントを放ったんだ。でもそのショットはエアボールになってしまってね」。
あれから約18年が過ぎ、リラードはブレイザーズのエースとして故郷で劇的な“ラストショット”を見事に決めてみせた。ウォリアーズのホームアリーナ移転について、リラードは複雑な心境を口にしていた。
「できるならば、(ホームアリーナ移転は)起きてほしくないね。オークランドにとって、(ホームアリーナがあることは)どれだけ大きな意味を持っていたかは知ってるはずだ。特に今、(ウォリアーズは)すばらしい成功を収めているからね。来年から移転するのを見るのは寂しいよ」。
もし今季のプレーオフでブレイザーズとウォリアーズが対決することとなれば、リラードは再びオラクル・アリーナでプレーする機会を得ることができる。しかし、現時点ではなんとも言えないため、長年憧れ続けてきたアリーナでリラードがプレーするのはおそらくこの日が最後と言っていいだろう。
それでも、満員御礼の1万9,596人が集まったコートで試合を決着づける3ポイントを沈めたことは、リラードにとってもきっと良い思い出になったはずだ。