20点ビハインドを覆し、劇的ショットを何度もリングへ突き刺したハーデン
2018年12月、NBAで最も爆発的な活躍を見せていたのは、ヒューストン・ロケッツの大黒柱ジェームズ・ハーデンで間違いない。
ハーデンは8試合連続35得点5アシスト以上、4試合連続で40得点以上の超絶パフォーマンスでロケッツを上昇気流に乗せ、18年最後の11試合でチームに10勝をもたらした。
ロケッツはクリス・ポールを左ハムストリングの負傷、エリック・ゴードンを右膝の打撲で欠いており、チーム3、4番手の得点源が不在という劣勢の中、1月4日(現地時間3日)に2連覇中の王者ゴールデンステイト・ウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナへ乗り込んだ。
対するウォリアーズはこの日、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーンという“オールスター・カルテット”がそろい踏み。カリー不在で臨んだ11月16日(同15日)の今季初戦に86-107で敗れた分を取り返すべく、序盤から手負いのロケッツに襲い掛かった。
スター選手たちの共演でウォリアーズは前半を終えて70-53とロケッツから大量17点のリードを奪う。第3クォーター序盤にはカリーが3ポイントプレーを成功し、73-53とリードを20点にまで広げていく。
だがロケッツはそう簡単に倒せる相手ではない。昨季のプレーオフ、ウエスタン・カンファレンス・ファイナルでウォリアーズと最終戦まで戦ったロケッツは、そこから徐々に点差を詰めていき、第3クォーターを終えて92-98と、6点ビハインドまで猛追。
第4クォーター。ウォリアーズはロケッツに1点差まで詰め寄られるも、何とかリードを保ち、残り1分27秒にデュラントのショットで119-113と6点をリード。ウォリアーズ有利の展開へと持ち込んでみせた。
ところが、ハーデンのアシストからクリント・カペラが3ポイントプレーを完遂。その後カリーの3ポイントがリングに嫌われると、直後のポゼッションでハーデンがステップバック3をねじ込み、延長戦へとつなげた。
延長ではオースティン・リバースのレイアップでロケッツが先制するも、カリーとデュラントの活躍でウォリアーズ優勢となり、残り23.1秒にカリーがジャンパーを決めてウォリアーズが134-132とリード。
それでも、この日のハーデンはアンストッパブルだった。トンプソンとグリーンにガードされる中、残り2.7秒で値千金の逆転3ポイントを突き刺し、最終スコア135-134でロケッツを劇的勝利へと導いたのである。
チーム不振時、自らに厳しいトレーニングを課したハーデンの勢いは止まらず
ハーデンはこの試合について、「俺は自分のショットを放ち、バスケットへとドライブしていったのさ。自信を持ってステップバックからショットを放った。それが結果に表れたのさ」と『AP』 へ語っている。
王者から今季2勝目を挙げたロケッツは、ハーデンが10本の長距離砲を決めるなどゲームハイの44得点15アシストに10リバウンド2ブロック、カペラが29得点に9本のオフェンシブ・リバウンド獲得を含む21リバウンドと2スティール、リバースが18得点4リバウンド4アシスト、ダニエル・ハウスJr.が17得点、ジェラルド・グリーンが16得点を奪取。
試合を終えてロッカールームに戻る際、ハーデンは「CP3(ポールの愛称)とゴードンがいない中、大きな勝利だった。先発入りしたオースティンもいい活躍を見せてくれた。チームとしてつかんだ勝利だ。これからもこの調子で勝っていきたいね」とコメント。
11月下旬に4連敗を喫したことで、12月中旬までは勝率5割以下と苦しんでいたロケッツ。ハーデンはチームが負け越している時、さらに厳しいトレーニングを自らに課してきたと地元メディア『Houston Chronicle』へ明かしていた。
「俺は(厳しいトレーニングを)毎日やってる。大好きなのさ。俺はプロバスケットボールプレーヤーとしてプレーできていることがとてもうれしいし、この環境を決して当たり前だとは思っちゃいない。だから毎日、良い結果へ変わると期待して、俺は練習に打ち込んできたんだ。そして今、事態は好転している」。
敗れたウォリアーズでは、カリーが35得点6アシスト、トンプソンが26得点5リバウンド4アシスト3スティール2ブロック、デュラントが26得点7リバウンド、ケボン・ルーニーが12得点7リバウンド、グリーンが9得点11リバウンド8アシスト2スティール2ブロックを挙げるも一歩及ばず。