2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
※チーム分けのドラフトは2月8日(同7日)のため、リザーブ選手を順に紹介
■オールスター出場選手⑥
カイル・ラウリー(トロント・ラプターズ)
ガード/185センチ/88キロ/キャリア13年目
Twitterアカウント:@Klow7
Instagramアカウント:@kyle_lowry7
<NBAにおける主な記録・功績>
オールNBAサードチーム選出:1回(2016)
オールスター選出:5回(2015~19)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均34.3分14.1得点4.5リバウンド9.2アシスト1.4スティール
※2月5日(現地時間4日)終了時点
新体制となった今季、フロアリーダーとして進化した司令塔
昨季まで6シーズンを共にプレーしたデマー・デローザン(現サンアントニオ・スパーズ)、指揮官を務めていたドウェイン・ケイシーHC(現デトロイト・ピストンズHC)がチームを去り、直近5シーズンでラプターズのアシスタントコーチを務めていたニック・ナースがヘッドコーチに昇格して今季を迎えたラプターズ。
ナースHCから最も信頼されているラウリーは、新生ラプターズのかじ取り役として、新たな役割を務めることとなった。今季は新加入のカワイ・レナード、ダニー・グリーンという実力者をウイングに、インサイドにはサージ・イバカとパスカル・シアカムを配置するスターターを形成。実に、昨季のスターターはラウリーとイバカのみという新体制となった。
だがいざ蓋を開けてみると、チームは好調そのもの。白星先行で勝ち続けており、ミルウォーキー・バックスとイースタン・カンファレンスの首位争いを演じている。平均27.4得点のレナードに続いて、イバカとシアカムが平均15得点前後を残している一方、ラウリーはここ6シーズンで最も低い平均14.1得点にとどまっている。
「僕にとって、今季はこれまでとは違うね」と地元メディア『The STAR』へ口にしたラウリー。「今季の僕は、得点することができ、得点したがっていて、ボールを欲しがる4人と共にコートに立っているんだ。だから僕にとっては進化のようなものさ。チームメート全員を引き上げる術を見つけるいい機会なんだ。自分自身も、それに携わっていく道を見つけ出せるようにトライしているのさ」と語っていた。
それを最も象徴しているのがアシスト数だろう。ラウリーはキャリア13シーズン目にして、自己ベストの平均9.2アシストをマークしている。レナードがベンチに下がっている時間帯ではスコアラーとしての一面を見せるシーンもあるが、ほとんどすべての時間帯をフロアリーダーとしてプレーしている。
「僕はアグレッシブになりたい。でもそれと同時にチームを統率したいし、リズムを保つようにしたいんだ。だからタフな状況にいるとは思うよ。でも僕らはしっかりと勝利をつかみ取ることができている。それこそがすべてなのさ」とラウリー。
ところが、ラウリーはヨナス・バランチュナスと共に、メンフィス・グリズリーズのマイク・コンリーとマルク・ガソルとの交換要員としてラプターズ側がオファーしていたことが明らかとなった。
6日(同5日)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で、ラウリーは20得点6アシストを挙げて勝利に貢献した後、「(トレードは)ビジネスだから」と『ESPN』へコメント。ラウリーはこのように割り切っていた。
「彼ら(ラプターズのフロント)が何か決断を下すということは、彼らにとってベストなことなんだと僕は思う。(トレード要員になっていることについて)僕は彼らから何も聞かされてはいない。でも別にそれは問題じゃない。選手としての僕の仕事は、コートに出て自分の役割をこなすこと。彼らが僕に連絡をしてくれるならそれは最高だけど、彼らがそうしなくても、僕は理解してる」。
もしかすると、2月8日(同7日)のトレードデッドラインを機に、ラウリーの所属先は変わるのかもしれない。それでも、プレーメイカーとして進化を遂げたラウリーならば、オールスター級の活躍を続けていくことができるに違いない。
<オールスターモーメント>
昨年はショットが絶不調ながらゲームハイの11アシストを記録
ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がキャプテンを務めた「TEAMステフィン」の一員として昨年のオールスターに出場したラウリー。約21分のプレータイムを得たものの、3ポイントをはじめとするショットが何度も空を切ってしまう。
この試合でラウリーは11本のショットを放ったものの、リングをくぐり抜けたのはわずか2本。3ポイントは8本すべてリングに嫌われてしまった。それでも、ゲームハイの11アシスト、チームトップの3スティールに7リバウンドと、裏方的な役割でチームをプッシュした。