2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
■オールスター出場選手21 TEAMレブロン
ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)
ガード/196センチ/99キロ/キャリア10年目
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<NBAにおける主な記録・功績>
シーズンMVP:1回(2018)
最優秀シックスマン賞:1回(2012)
オールNBAファーストチーム選出:4回(2014,15,17,18)
オールNBAサードチーム選出:1回(2013)
オールスター選出:7回(2013~19)
得点王:1回(2018)
アシスト王:1回(2017)
平均出場時間トップ:1回(2016)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均37.4分36.5得点6.7リバウンド7.8アシスト2.2スティール
※2月13日(現地時間12日)終了時点
史上最高の選手となるべく、進化を続ける昨季のMVP
昨季のプレーオフ、ロケッツはゴールデンステイト・ウォリアーズとのカンファレンス・ファイナルで3勝2敗から2連敗を喫し、あと1勝でNBAファイナル進出を逃した。リベンジを果たすべく、豪華戦力で今季に臨むも序盤は連勝と連敗を繰り返し、65勝を挙げた昨季ほどの勢いは見られなかった。
新加入のベテランスコアラー、カーメロ・アンソニーはチームにフィットせず、昨年11月上旬にチームと離別し、ロケッツは昨季と同様にハーデンとクリス・ポール中心の布陣で巻き返すこととなった。それでも、11月は5連勝から4連敗を喫し、なかなかリズムをつかめない状態が続いていく。
しかし、ロケッツは12月中旬から息を吹き返し、同月を11勝4敗でフィニッシュ。2018年最後の11試合で10勝を挙げると、ロケッツは再び加速していった。12月中旬以降、チームはポールやエリック・ゴードン、クリント・カペラといった主力が戦線離脱するも、オースティン・リバースやケネス・ファリードをロースターに加え、戦力ダウンを最大限にカバーしていった。
その中で、ハーデンはモンスタースタッツを連発し、驚異的なペースで得点を奪取。リバウンドやアシスト、スティールといった部分でもチームを支えてロケッツを勝利へと導いてきた。
12月を平均36.9分36.4得点5.9リバウンド7.9アシスト1.8スティールで終えると、1月に入ってその数字はさらに上昇。1月は14試合のうち8度の40得点超え、同月中旬には2試合連続57得点以上、24日(同23日)のニューヨーク・ニックス戦ではキャリアハイの61得点をたたき出し、リーグ最強のオフェンシブプレーヤーとして殊勲の活躍。
終わってみれば、1月は平均38.8分43.6得点8.7リバウンド7.6アシスト2.1スティールをマークし、文句なしに2か月連続でウエストの月間最優秀選手に選出。ハーデンが1月に残した月間平均得点は、10試合以上プレーした選手としては歴代7位。上位6つはいずれもウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)が保持しているため、チェンバレン以外では史上最高の数字となった。
今季ハーデンが見せたベストパフォーマンスを1つに絞ることは至難の業。それでも、1月4日(同3日)のウォリアーズ戦は、間違いなく3本の指に入るパフォーマンスだった。ロケッツはポールとゴードンを欠き、王者相手に20点ビハインドを背負う劣勢の中、ハーデンを中心に巻き返し、劇的勝利を飾った。
ハーデンは第4クォーター終盤。6点ビハインドの中でカペラの3ポイントプレーをアシストし、残り51.0秒で延長へ持ち込む同点3ポイントをヒット。延長に入っても3ポイントとフリースローで得点を稼ぎ、2点ビハインドで迎えた残り5.0秒から、クレイ・トンプソンとドレイモンド・グリーンのマークを交わして決勝弾となる3ポイントを突き刺し、勝利へと導いたのである。
「(俺への批判に関する)話は多すぎる。ファウルをもらうことや、俺が実際にコート上で見せていることの偉大さに対してね。それこそ、フォーカスすべきことなのにね」とハーデンは地元メディア『Houston Chronicle』へコメント。
選手やメディアから見た実際の評価は曖昧ではあるものの、少なくともウォリアーズのスティーブ・カーHCはハーデンへ最大級の賛辞を送っている。
「彼はただ、普段やっていることをしただけ。彼はアイソレーションとステップバック3、そしてファウルを誘うスキルにおいてはマスターなんだ。試合終盤、彼は信じられないようなショットを決め切った。本当に、とんでもないパフォーマンスだったよ。彼にはすべての手柄を受け取るに値すると思う」。
今年のオールスターゲームで、ハーデンは3年連続となるスターターの座を勝ち取った。しかしながら、ファン投票ではルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)やデリック・ローズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)よりも少ない結果に終わった。
だが、ハーデンはファン投票の結果については気にしていないという。「俺には関係ないね。別に俺を悩ますことでもない。ファン投票というのは、彼らそれぞれが尊敬する選手に入れるものだから。今季はローズとルカが印象的な活躍をしているし、すばらしいプレーを見せている。でも、こればかりは俺にはコントロールできないこと。だからストレスになることもない」と『The New York Daily News』へコメント。
「俺がフォーカスしているのは自分でコントロールできること。そしてバスケットボールでベストなプレーを見せることなんだ」とハーデンは同メディアへ言い残した。NBA史上最高の選手となるべく日々トレーニングを自らに課し、前進を続けるこの男にとって、ネガティブな話は自身のモチベーションを高めるだけ。ハーデンはさらなる高みを目指し、今なお成長しているのだ。
14日(同13日)のミネソタ・ティンバーウルブズ戦でハーデンは42得点をもぎ取り、連続30得点以上を挙げた試合を31へと伸ばした。これにより、チェンバレンと並ぶNBA史上2位タイの最長記録へと浮上。ハーデンの勢いは、オールスターブレイク後も続くに違いない。
<オールスターモーメント>
昨年はショットが絶不調の中でトリプルダブル級の成績を残す
これまで6度のオールスターゲームに出場し、平均16.5得点5.5リバウンド6.5アシストを記録しているハーデンは、フィールドゴール成功率47.4パーセント、3ポイント成功率41.7パーセントと、上々の成績を残している。
しかしながら、昨年はスターターとして出場したものの、フィールドゴール19投中成功わずか5本(うち3ポイントは13投中成功わずか2本)という絶不調。12得点7リバウンド8アシストというオールラウンドな成績にまとめたとはいえ、ショットの精度に関しては過去6度の球宴で最も不発だった。
今年のオールスターで、ハーデンは「TEAMレブロン」の一員として出場することとなる。レブロンと同じチームでプレーするのは、実に2012年のロンドンオリンピック以来。今季リーグ最強のスコアラーとして大活躍を続けるハーデンが、レブロンのプレーメイクから最初の2、3本のショットを決めることとなれば、球宴の舞台でも大暴れするかもしれない。