2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
■オールスター出場選手23 TEAMレブロン
ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
フォワード/206センチ/108キロ/キャリア12年目
Twitterアカウント:@KDTrey5
Instagramアカウント:@easymoneysniper
<NBAにおける主な記録・功績>
優勝(ゴールデンステイト・ウォリアーズ):2回(2017,18)
新人王(ROY):2008
シーズンMVP:1回(2014)
ファイナルMVP:2回(2017,18)
オールNBAファーストチーム選出:6回(2010~14,18)
オールNBAセカンドチーム選出:2回(2016,17)
オールスターMVP:1回(2012)
オールスター選出:10回(2010~19)
得点王:4回(2010~12,14)
フリースロー成功率トップ:1回(2013)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均35.4分27.6得点7.0リバウンド5.9アシスト1.1ブロック
※2月14日(現地時間13日)終了時点
キャリア平均得点で現役トップに君臨するリーグ史上屈指のスナイパー
16年7月。デュラントは『The Players’ Tribune』へ“My Next Chapter”と題したコラムを寄稿し、9シーズンを過ごしたオクラホマシティ・サンダー(最初の1年のみシアトル・スーパーソニックス)からウォリアーズへ加入することを決断。
あれから3シーズン目を迎えた現在、デュラントはウォリアーズ2連覇の中心的存在となり、2年連続でファイナルMVPも獲得。史上有数の超豪華戦力を誇るウォリアーズでも別格の存在感を放っている。
キャリア12シーズン目の今季もチームの得点源の1人として高位安定したパフォーマンスでウォリアーズをけん引。実際には213センチ以上と言われる高さと身体能力、そしてリーグ屈指のシュート力と磨かれたスキルを誇るデュラントは、2月14日(同13日)終了時点で現役トップ、歴代でも堂々4位のキャリア平均27.16得点を残すNBA史上有数のスコアラーだ。
昨年10月27日(同26日)のニューヨーク・ニックス戦では第4クォーターだけで25得点をたたき出し、ゲームハイの41得点を挙げて大逆転勝利の立て役者となるなど今季も高精度なシュート力は健在。
そんなデュラントが今季最もスコアラーとして本領発揮したのは11月下旬のこと。鼠径部を痛めてステフィン・カリーが欠場していたこの時期に、3試合連続で44得点以上をたたき出している。
25日(同24日)のサクラメント・キングス戦。接戦となった好ゲームで、デュラントは第4クォーターだけで奪った17得点を含むゲームハイの44得点をマークして勝利に貢献。27日(同26日)のオーランド・マジック戦では第3クォーターに16得点の集中砲火を浴びせるなど、ゲームハイの49得点を奪取してチームに勝利をもたらした。
30日(同29日)のトロント・ラプターズ戦は、9点ビハインドで迎えた第3クォーターに18得点。さらに4点ビハインドとなった第4クォーター残り1分31秒から1人で7得点。特に、リーグ最高級のディフェンダーとして知られるカワイ・レナードを相手に、左コーナーから決めた同点3ポイントは圧巻だった。
ウォリアーズは延長の末に惜敗してしまったものの、デュラントはゲームハイの51得点。この日はフィールドゴール31投中18本(うち3ポイントは7投中4本)、フリースローは12投中11本と、研ぎ澄まされたシュートタッチを見せつけ、自身の実力を十二分に発揮。
その一方で、今季のデュラントはいつくかのトラブルや批判がつきまとっている。チームメートのドレイモンド・グリーンとは、試合終盤のプレーでトラブルに発展し、辛辣な言葉を言い合うなど大きな話題に。
また、今季終了後にプレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることが濃厚なデュラントは、「ウォリアーズを離れてニックスへ移籍か?」といったウワサが出ており、今夏の動向について複数の現地メディアからうんざりするほどの質問を浴びている。
2月に入ると、デュラントはメディアに対して「ニックスとは何の関係もない。誰が(クリスタプス・)ポルジンギスをトレードしたのか知らないし、俺には関係ないこと」と発言。
そして記者に対して「なんで君たちと話さなきゃいけないんだ? そうすることで俺の仕事を良くする手助けになるのかい? 俺は話す気になれない。君たちのことを信じちゃいないからね。俺が何も言わなかったら、問題にでもなるのか?」とコメント。
この発言により、プロとして試合後にメディアからの質問に答える義務はあるとして、デュラントは批判を受けることとなったのは言うまでもない。
おそらく、デュラントは3連覇を目指すチームのことを最優先に考え、余計な雑音を極力入れたくなかったのだろう。ウォリアーズはクレイ・トンプソンが今季終了後、グリーンとアンドレ・イグダーラは来季終了後に制限なしFAとなるため、現有戦力で戦うことができるのは今季がラストになる可能性がある。チームとして最高の結果(3連覇)を残すべく、デュラントはチームの和を乱してしまうことを嫌ったのではないだろうか。
その後、バスケットボールをこよなく愛するデュラントは「俺はただバスケットボールをプレーしたい。ジムに行ってトレーニングしたいし、家に帰りたいだけ」とコメント。自身のコンディションを最大限にケアし、選手としてよりいっそう進化したい。それこそがデュラントの本音なのだろう。
レギュラーシーズン終盤、そして運命のプレーオフへ向けて、デュラントにはオールスターブレイクの期間でリラックスしてほしいところだ。
<オールスターモーメント>
2年連続でレブロンから“1位指名”を受けた安定感抜群のスコアラー
これまで9度のオールスター出場で、デュラントは歴代3位の平均24.3得点を残している。12年には36得点に7リバウンド3アシスト3スティールを挙げてMVPに輝き、14年には38得点に加えて10リバウンド6アシストをマークするなど、計4度の30得点超えを果たしてきた。
ちなみに、昨年から始まったオールスターのドラフトで、デュラントは2年連続でレブロンから1位指名を受けている。昨年の試合終盤には、両者によるダブルチームでカリーに襲い掛かり、逆転のショットを阻止している。過去3年は16年から順に23得点、21得点、19得点と安定した成績を残すデュラントは、今年の球宴でも持ち前のシュート力を存分に発揮することだろう。