リーグ屈指のディフェンス巧者ポール・ジョージがハーデンとのマッチアップを語る

ハーデン(右)とマッチアップするジョージ(左)[写真]=Getty Images

「ファウルせずにハーデンをガードするのは難しい」とジョージが明かす

 206センチ99キロという恵まれた体格と洞察力、そして長い腕を駆使して数多くのスコアラーを苦しめているポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)。

 サンダー加入2シーズン目の今季はいずれもキャリアハイとなる平均28.6得点8.1リバウンド4.3アシスト2.3スティールを残し、ラッセル・ウェストブルックと共にチームをけん引している。

 リーグにはジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)やステフィン・カリーケビン・デュラント(共にゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)といったスコアラーが数多くいるのだが、ジョージがハーデンに対するディフェンスについてコメントしていたので紹介したい。

 2月28日(現地時間27日)に現地メディア『USA Today』へ掲載された記事の中で、ジョージはこんな言葉を残していた。

 「ファウルせずに彼をガードすることは本当に難しい。彼はファウルコールをたくさん奪うことができるんだ。彼がファウルを何度もコールされて絶好調な時は、このリーグでプレーするディフェンダーたちにとってもタフなこと。フィジカルで対抗しようにも、ファウルなしで彼をガードするのは困難だ。それは僕に限らず、誰でも同じなんじゃないかな」。

ジョージ(中央)はハーデン(右)をガードするにあたり、なるべくファウルをせずに追いかけ回している[写真]=Getty Images

 NBA歴代2位となる32試合連続30得点以上をたたき出したハーデンは、今季ここまでリーグトップの平均36.3得点を記録中。フィールドゴール成功率44.0パーセント、3ポイント成功率36.7パーセントと、成功率の面では決して高くはないものの、自慢のステップバックを駆使して1試合平均4.9本の3ポイントを決めている。

 また、キャリア10シーズン目の今季、ハーデンはフリースロー試投数(平均11.5本)でキャリアベストを残しており、87.1パーセントという高確率で沈めている。インサイドに潜り込む際に相手選手と接触し、巧みに腕を絡ませるなどしてファウルを誘発して得点に繋げている。

 同メディアの記事には、ハーデンとのマッチアップについてウォリアーズのクレイ・トンプソンが「とても楽しいマッチアップではないね」と口にしており、「彼にファウルしてしまえば、フリースローを確実に決めて得点されてしまうんだ」とブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)がコメント。

 先日、ミネソタ・ティンバーウルブズの新人ジョシュ・オコギーが、ハーデンのドライブを真正面からスティールしたり、ステップバックを読み切って強烈なブロックをお見舞いして注目を集めた。

ハーデン(右)相手に好ディフェンスを見せたオコギー(左)[写真]=Getty Images

 ハーデン相手にオコギーが見せたようなディフェンスを終始遂行できればよいものの、そう長くは続けられない、というのが現状だろう。ハーデンはターンオーバーを犯したり相手選手にブロックされても、お構いなしにショットを放ち続けるからだ。また、驚異的なスタミナがあるため、試合終盤に疲労のためショットを回避することなど、この男にはありえないと言っていい。

 といっても、プレーオフに向けてロケッツを下すためにはハーデン対策がマストとなる。ジョージやトンプソンといったウエスタン・カンファレンス有数のディフェンダーたちの動向は、やはり気になるところ。今後の展開にも注目していきたい。

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