2019.02.14

オールスター出場選手紹介22/ポール・ジョージ(サンダー)

キャリアのピークを迎えたと現地メディアへ明かしたジョージ[写真]=Getty Images
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2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。

■オールスター出場選手22 TEAMヤニス
ポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)

フォワード/206センチ/99キロ/キャリア9年目
Twitterアカウント:@Yg_Trece
Instagramアカウント:@ygtrece

<NBAにおける主な記録・功績>
最優秀躍進選手賞(MIP):1回(2013)
オールNBAサードチーム選出:4回(2013,14,16,18)
オールNBAディフェンシブファーストチーム選出:1回(2014)
オールNBAディフェンシブセカンドチーム選出:2回(2013,16)
オールスター選出:6回(2013,14,16~19)

<2018-19シーズン 個人成績>
平均36.2分28.7得点8.0リバウンド4.1アシスト2.3スティール
※2月13日(現地時間12日)終了時点

今季のMVP有力候補に浮上、キャリアのピークを迎えた万能戦士

 昨夏プレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)となったジョージは、数多くのチームが獲得に関心を示す中、サンダー残留を決断。ラッセル・ウェストブルックと共にチャンピオンシップを獲得すべく、サンダー加入後2シーズン目を迎えた。

 ウェストブルックの欠場もあり、チームは開幕4連敗を喫するも、ジョージは20得点以上を連発。ウェストブルックが戦列復帰すると、サンダーは次第に白星先行で勝ち続けていくこととなる。

 今季のジョージは2月13日(同12日)終了時点でキャリアハイの平均得点だけでなく、リバウンドとスティールでも自己最高のペースを残しており、アシストでも自己最多に並ぶ好成績。さらに、3ポイントでは試投数(平均9.5本)、成功数(平均3.9本)、成功率(41.3パーセント)といずれも自己ベスト。フリースロー試投数(平均7.1本)と成功数(平均5.9本)でもキャリアハイの数字を残しており、特にオフェンス面で強烈なインパクトを放っている。

動きに無駄のないフォームから、ディフェンダーがいようとお構いなしに長距離砲を放つジョージ[写真]=Getty Images

 さらに、今季はサンダーのエースとして爆発力と勝負強さも兼備する殊勲の働きを見せている。昨年12月6日(同5日)のブルックリン・ネッツ戦では18点ビハインドで迎えた第4クォーターだけで25得点(計47得点)と大爆発し、残り3.0秒に決勝弾となる3ポイントをヒット。

 1月20日(同19日)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦では、残り5.0秒に圧巻の4ポイントプレーを完遂し、サンダーを劇的な勝利へと導く見事な活躍。2月に入っても絶好調で、ここまで行われた6試合で平均39.7得点7.8リバウンド4.8アシスト2.2スティール。チームも直近12試合で11勝と猛威を振るっている。

 12日(同11日)に行われたポートランド・トレイルブレイザーズ戦でも、ジョージはゲームハイの47得点をたたき出したのだが、この日は12リバウンド10アシストも奪い、今季初のトリプルダブル。10試合連続で達成したウェストブルック(21得点14リバウンド11アシスト)と共に、20得点超えのトリプルダブルを同一チームの2選手が達成するという、NBA史上初の快挙も成し遂げた。

 「後半が始まってから、このチームは本当にスペシャルだった。アリーナ(チェサピーク・エナジー・アリーナ)の中で、僕らは本当に最高の雰囲気だったんだ。すごかったよ。(ホームの)エナジーはとんでもないものだった」とチームのウェブサイトへ語ったジョージ。

 オールスターのスターター入りを果たしたジョージの今季の活躍について、ビリー・ドノバンHCは「彼は多くの面で非常にユニークだ。スコアリングやショットの面で完成されているだけじゃなく、ディフェンス面でもすばらしい。ペリメーターのディフェンスにおいても、彼はこのチームに違いを生み出している」と評し、攻防両面におけるジョージの貢献度を絶賛。

ディフェンス面でも献身的なジョージ。相手チームのスコアラーをシャットダウンしている[写真]=Getty Images

 ジョージはキャリア9年目の今季、まさに全盛期を迎えていると言っていい。1月23日(同22日)、ジョージは『NBA.com』のセコウ・スミス記者から「自身のプレーレベルがピークを迎えているのか?」と聞かれてこう切り返している。

 「それは間違いないね。僕は自分のペースを分かってるし、どのようにプレーすれば快適なのかも把握している。キャリアのこの時点において、自分にとって可能な限り、相手が対策してくるディフェンスを見てきた。メンタル面とフィジカル面において、僕を圧倒することができる選手はいない。ディフェンス面でも、すべてのアングルを理解しているつもりだ。相手チームで自分がマッチアップする選手について、どのようなプレーが好きで、どんなプレーをする傾向にあるのかを宿題として持ち帰って研究しているからね」。

 今季のMVP候補にも名を連ねるジョージ。もしレギュラーシーズン終了時点でサンダーがウエスト首位にまで浮上していれば、自身初のシーズンMVP獲得も現実のものとなるかもしれない。

<オールスターモーメント>
3ポイントでオールスター歴代最多記録を保持する名スナイパー

 ジョージは昨年までの計5度の出場で、オールスター歴代5位となる平均20.8得点を挙げている。フィールドゴール成功率49.4パーセント、3ポイント成功率36.2パーセントと、ショット全般においてもまずまずの成績と言っていいだろう。

 16年のオールスターでは3ポイントの試投数(19本)と成功数(9本)で1試合における歴代最多記録を樹立し、歴代3位タイとなる41得点を荒稼ぎ。41得点というのは、現役選手では17年に歴代最多となる52得点をたたき出したアンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)に次ぐ高得点であり、チームメートのウェストブルックと並ぶ好記録。ジョージは現役屈指の爆発力を備えていることは間違いない。

 昨年のオールスターでは16得点5リバウンド4アシストを残したジョージ。オフェンス面で自己最高の成績を残す今年のオールスターでは、16年に自らが残した記録を打ち破る可能性も十分ありそうだ。

ジョージが見せる華麗なダンクもオールスターにふさわしい[写真]=Getty Images

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