ウエスト最下位のサンズが王者ウォリアーズから大金星、ブッカーが37得点の大活躍!

37得点11アシストの大活躍でウォリアーズに初勝利したブッカー(右)[写真]=Getty Images

第4Qの勝負どころで13連続得点を挙げたブッカーが王者撃破の立て役者に

 3月11日(現地時間10日)、王者ゴールデンステイト・ウォリアーズはホームのオラクル・アリーナでフェニックス・サンズと一戦を交えた。

 今季3連覇を狙うウォリアーズはここまでウエスタン・カンファレンストップの45勝20敗、対するサンズはウエストワーストの15勝52敗。戦績だけを見ればウォリアーズの圧倒的有利が予想できるゲームだったが、思わぬサプライズが起こった。

 第2クォーターにサンズが40得点を奪い、前半を終えて56-57の1点差で食らい付き、第3クォーターは両チームとも23得点を記録して最終クォーターへ。

 本来ならば熱狂的なファンが後押しするオラクル・アリーナで、ステフィン・カリークレイ・トンプソンケビン・デュラントらが攻めたてて相手チームを圧倒するのだが、この日の主役はサンズのエース、デビン・ブッカーだった。

 試合時間残り6分13秒。カリーの3ポイントが決まってウォリアーズに93-94とリードを奪われると、ブッカーはジャンパーやフリースロー、フローター、3ポイントにダンクとまくしたて、サンズにリードをもたらす。

 その後ウォリアーズもアルフォンゾ・マッキニーやドレイモンド・グリーン、トンプソンらが加点して追いすがる。だが3点差まで詰め寄って迎えた残り23.7秒にカリーの右腕から放たれた3ポイントがリングに嫌われ、残り17.7秒にブッカーがとどめのフリースロー2本を冷静に沈めて決着。最終スコア115-111でサンズが大金星を挙げた。

 最終クォーターだけで17得点、うち勝負どころで13連続得点を挙げる大暴れを見せたブッカーは、ゲームハイとなる37得点11アシストに8リバウンド2スティールと大活躍。さらにケリー・ウーブレイJr.が4本の3ポイント成功を含む22得点に5リバウンド、ディアンドレ・エイトンが18得点9リバウンド4アシスト、タイラー・ジョンソンが10得点4リバウンド5アシスト、ミケル・ブリッジズが10得点3スティール。

 11勝48敗でオールスターブレイクを迎えたサンズだが、ここ7試合では5勝2敗と好調を維持。リーグトップの戦績を誇るミルウォーキー・バックスにも勝利し、自信を増している。「オールスターブレイク後、僕らはチームとして正しいやり方でゲームを締めくくることができていると感じてる。いろんな面で、僕らは成長を遂げたんだ」とブッカーは言う。

勝負どころでスコアラーとしての真価を発揮したブッカー[写真]=Getty Images

「最悪の黒星」と悔しむトンプソンと、現状をポジティブに捉えるカリー

 ウォリアーズは第4クォーター途中に25得点を挙げていたケビン・デュラントが右足首を痛めてコートを離れたものの、まさかの敗北。「残念ながら、たぶん今シーズンで最悪の黒星」とトンプソンも悔しさをあらわにした。そしてトンプソンはホームのファンへこうコメントしている。

「シーズンは長い。僕らだって82試合すべてで完璧なプレーができるわけじゃないんだ。ただ、彼ら(サンズ)に敗れたのは19試合ぶりだから、決して気分は良くない。だからファンの皆にも、もう少しゲームに熱中して観戦してほしい。今はプレーオフではないけど、オラクル・アリーナでプレーする最後のシーズンだからね。僕らが好プレーを見せたら立ち上がって声援を送ってほしい。特に試合序盤はね。今、僕らにはファンの力が必要なんだ」。

 ウォリアーズではデュラントのほか、トンプソンが28得点5リバウンド5アシスト3スティール、カリーが18得点7リバウンド8アシスト3スティール、デマーカス・カズンズが13得点5リバウンド2ブロック、グリーンが11リバウンド8アシストを挙げるも勝利ならず。

チームトップの28得点を挙げたトンプソンは、悔しさ全開のコメントを残した[写真]=Getty Images

 この日フィールドゴール20投中成功わずか6本、3ポイントは15投中成功4本と不発に終わったカリーは、試合後の囲みで「別に深刻に捉えることはない。何度か起こることの1つ」と口にし、サンズ戦の敗北についても特に心配はしていないようだ。

「昨季のことを忘れちゃいけない。あの時、僕らはケガに悩まされていたんだ。その時に比べれば、いい方だと思う。僕らは今、おおむね健康な状態でプレーできているんだから。僕らはプレーオフに向けて、チームとして成熟していく必要があるけど、それがまだできていないということ。今の僕らは快適な状態ではないんだと思ってる」。

 サンズに敗れたことで、3連覇を狙うウォリアーズは良い刺激を得たと捉えることが、今後に向けて望ましいだろう。ウォリアーズは14日(同13日)からアウェーでヒューストン・ロケッツ、オクラホマシティ・サンダー、サンアントニオ・スパーズと、ウエストのプレーオフ出場圏内にいるチームとの連戦が待っている。

 この敗北を機に、ウォリアーズがどのような切り替えを見せるか注目していきたい。

ロケッツ、サンダー、スパーズ相手に勝利するには、カリーの復調が必須となる[写真]=Getty Images

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