「これまで何度も浮き沈みがあったけど、すばらしい旅路だった」と振り返る
4月10日(現地時間9日)。ダラス・マーベリックスはホームのアメリカン・エアラインズ・センターでフェニックス・サンズを迎えた。
プレーオフ進出はすでに途絶えた両チームだが、この日はマブスの大ベテラン、ダーク・ノビツキーがスコアリングマシンと化した。31本のショットを放って11本を成功。そのうち3ポイントを14投中5本決め、フリースロー3本をリングに沈めたことで、今季ベストの30得点に8リバウンド3アシスト1ブロックを奪取。
マブスはルカ・ドンチッチがトリプルダブル(21得点16リバウンド11アシスト)を記録するなど計6選手が2ケタ得点をマークし、最終スコア120-109で勝利。今季最後のホームゲームを白星で飾ることに成功。
ノビツキーは試合を終えると、「皆が予想しているように、これが僕にとって最後のホームゲームだ」とコメント。今季限りの現役引退について明言を避けていたノビツキーが、ついに自身の去就について口を開いた。
マブスのマーク・キューバン オーナーは、会場に駆け付けた2万1,041人のファンへ、ゲーム中は“MVP”や“One More Year!(あと1年!)”といったチャントを頼んでいたが、ノビツキーの引退発言を機に、“Thank you, Dirk(ありがとう、ダーク!)”へと切り替わり、キャリア21シーズンすべてをマブスに捧げたレジェンドへ感謝の気持ちを最大限に送った。
試合後、「今の僕は間違いなくすっごく感情的になってる」と明かしたノビツキー。「数多くの人たちに、本当に感謝している。これまで何度も浮き沈みがあったけど、すばらしい旅路だった。その中で、ファンの皆はいつも一緒にいてくれたし、僕のことをサポートしてくれた。本当に感謝している」とファンへの思いを語っている。
会場にはレジェンドのスコッティ・ピペン(元シカゴ・ブルズほか)、チャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)、ラリー・バード(元ボストン・セルティックス)、ノビツキーと同じくドイツ出身のデトレフ・シュレンプ(元シアトル・スーパーソニックスほか)といったレジェンドたちも駆け付け、ノビツキーのキャリアを祝福。ピペンとバークリーとは、1996年のアトランタオリンピック前に行われたエキジビションゲームで対決しており、当時ほぼ無名に等しい選手だったノビツキーはアメリカ代表を相手に52得点を奪う強烈なインパクトを残していた。
ノビツキー(40歳と294日)は現役最後のホームゲームで30得点を挙げたことにより、マイケル・ジョーダン(元ブルズほか/40歳と20日)の記録を塗り替え、史上最年長で30得点以上を記録した選手に。
また、ノビツキーはNBA史上最長となる同一チームに21シーズン連続で在籍した選手であり、1998年のドラフト指名から、枚挙にいとまがないほどの記録を残してきた。ノビツキーはヨーロッパ出身選手として、史上最高という称号を手に入れたと言っていい。
現役最後の試合となる11日(同10日)の相手は、プレーオフで何度も激闘を演じてきたサンアントニオ・スパーズ。ノビツキーのラストゲームは、グレッグ・ポポヴィッチHCを筆頭に数多くのファンや関係者、選手たちと共に感動的なフィナーレを迎えることだろう。