先発変更が奏功したナゲッツが3P攻勢でスパーズを撃破、2勝2敗のタイへ持ち込む

29得点12リバウンド8アシストを記録したヨキッチ[写真]=Getty Images

NBLの元ベストディフェンダー、トーリー・クレッグが先発入りして大暴れ

 4月21日(現地時間20日)、デンバー・ナゲッツ(1勝2敗)とサンアントニオ・スパーズ(2勝1敗)によるファーストラウンド第4戦が、スパーズのホーム、AT&Tセンターで行われた。

 第3戦で36得点を許し、シリーズ平均23.0得点と絶好調なデリック・ホワイト(スパーズ)に対し、ナゲッツのマイケル・マローンHCはホワイトへの刺客として2年目のトーリー・クレッグを先発に抜てき。

 これまでの3戦で先発を務めていたウィル・バートンは、平均7.3得点5.7リバウンドを挙げていたものの、フィールドゴール成功率は29.0パーセント、3ポイントにいたっては13本放って成功わずか1本(成功率7.7パーセント)と壊滅的だった。

 201センチ97キロのクレッグは、2014年のドラフトで指名されず、オーストラリアとニュージーランドのプロリーグ、NBLで3シーズンプレーし、昨季ナゲッツで開幕ロースターの座を勝ち取った苦労人。昨季はGリーグとナゲッツを行き来し、2年目の今季、ローテーション入りを果たした28歳。マローンHCはクレッグのディフェンス力に期待し、先発起用した。

ルーズボールへダイブするなどハッスルプレーでも魅せたクレッグ(左)[写真]=Getty Images

 第1クォーターはホームのスパーズが34-22と12点をリードしたものの、第2、3クォーターでナゲッツが69-45とスパーズを圧倒。ディフェンスを引き締めたこと、そしてアウトサイドシュートが当たり始めたことで、一気にリズムをつかんで突き放したナゲッツは、最終スコア117-103でスパーズを下し、シリーズ戦績を2勝2敗のタイへ持ち込んだ。

 ナゲッツではオールスターセンターのニコラ・ヨキッチがゲームハイの29得点に12リバウンド8アシスト、ジャマール・マレーが24得点6アシストと両輪が躍動。さらにクレッグが7投中5本の3ポイントを成功させるなど18得点に8リバウンド2スティール1ブロック、ベンチスタートとなったバートンが3本の3ポイントをすべて決めて計12得点、モンテ・モリスが11得点5リバウンドで勝利に貢献。

 この日、31投中15本の3ポイントを浴びせたナゲッツは、48.4パーセントという高い成功率を残している。

「クレッグのディフェンスは驚異的だね」とヨキッチが第4戦のヒーローを絶賛

 スパーズのホームでナゲッツが勝利したのは12年以来初。レギュラーシーズンでは13連敗中で、プレーオフでは07年以来の白星となった。マローンHCは選手たちをこう称賛した。

「ベテランだけじゃない。数多くの若手選手たちのお陰でもある。トーリー・クレッグはプレーオフで初の先発出場となった。昨年はGリーグにいたが、今夜はゲームの中で貴重な働きを見せてくれた」。

 大黒柱のヨキッチも、クレッグについて聞かれると、「彼は本当にいいディフェンダー。ディフェンシブ・リバウンドの面でも僕らを助けてくれた。彼のディフェンスは驚異的なんだ。それに今夜は効果的にショットも決めてくれた。すばらしい仕事をしたと思うよ」と絶賛。

オフェンス面でも3ポイントの雨を降らせたクレッグ[写真]=Getty Images

 17年にNBLでベストディフェンシブプレーヤー賞を獲得したクレッグは、「僕はいつも、今日のようなことが起こると夢見ていたんだ」と喜んだ。NBAのプレーオフという大舞台で、申し分ない活躍を見せたと言っていい。

 一方のスパーズでは、ラマーカス・オルドリッジが24得点9リバウンド、デマー・デローザンが19得点5リバウンド5アシスト、パティ・ミルズが12得点、ブリン・フォーブズが10得点を挙げるも、ホワイトはフィールドゴール8投中3本成功の計8得点に5アシストと沈黙。

「ナゲッツは競い合っていたが、我々はできていなかった」と切り出したグレッグ・ポポヴィッチHC。「彼らが見せるフィジカルなディフェンスの前に、我々は対応しきれなかった。だから今日の敗戦は非常に失望している」と続けた。

 24日(同23日)にナゲッツのホーム、ペプシ・センターで行われる第5戦に勝利したチームが、シリーズ突破に王手をかけることとなる。

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