「シュートする十分なスペースがあった」とジョージとの対決について言及
4月24日(現地時間23日)に行われたポートランド・トレイルブレイザーズとオクラホマシティ・サンダーによるファーストラウンド第5戦。115-115で迎えた試合終盤に、ブレイザーズが誇るクラッチプレーヤー、デイミアン・リラードが本領を発揮。
ポール・ジョージとのマッチアップでボールをコントロールし、サンダーにオフェンスする時間を与えない絶妙なタイミングで37フィートにおよぶ超ロングスリーをブザービーターで放り込んだ。
「(ボールが)自分の手を離れた時、すごくいい感触だったんだ」と『ESPN』へ語ったリラードは、この試合10本目の3ポイントを自らの武器と認めるディープスリーで突き刺し、サンダーを奈落の底へと突き落した。リラードが主演を務めた史上稀にみる劇的なシリーズ決着3ポインターという逆転劇は、世界中で話題になったことは言うまでもない。
リラードの得点を防ぐべく、必死に手を伸ばしたジョージは「あれは悪いショットだ。誰がなんて言おうと俺は気にしない。あれは悪いショットだった。でもね。彼はそれを決めてみせたんだ。だから今後、あのショットは悪いショットと言われることはないだろうね」とコメント。するとSNSでそれを知ったリラードが、自身のツイッターで「Lol(laugh out loud)」(笑)とシンプルに応戦。リラードはこれまで何度も練習を重ねて磨いてきたディープスリーを、あの場面で自信を持って放ったのである。
リラードといえば、2014年のプレーオフ、ヒューストン・ロケッツとのファーストラウンド第6戦で、ニコラ・バトゥーム(現シャーロット・ホーネッツ)のスローインからキャッチ&シュートで3ポイントを決め切り、シリーズ決着となる逆転ブザービーターを突き刺したことでも知られている。
だがサンダーとの第5戦のリラードはこれまでのプレーオフにおける自身のベストパフォーマンスだったと言っていい。
この日のリラードは前半だけで34得点をたたき出し、試合全体でフィールドゴール33投中17本(うち3ポイントは18投中10本)、フリースロー8投中6本を決めてプレーオフ自己ベストの50得点。さらに7リバウンド6アシスト3スティール1ブロックという超絶パフォーマンスを見せた。
206センチのサイズを誇るジョージとのマッチアップについても、「(彼は)ちょっと俺より離れていたから、跳び上がってショットを放つには十分なスペースがあると思っていた」と、リラードは冷静にクラッチシチュエーションを分析していたことが分かる。
クラッチショットを決めて会場全体が大騒ぎし、チームメートたちも大喜びで向かってくる中、リラード本人はいたって冷静だった。「決めて当然」とも言えるような堂々とした様子も印象的だった。そこには過去2年連続でプレーオフ1回戦敗退の悪夢を糧に、さらに成長を遂げたリラードがいた。
カンファレンス・セミファイナルでブレイザーズが対峙するのは、デンバー・ナゲッツ(3勝2敗)とサンアントニオ・スパーズ(2勝3敗)によるシリーズの勝者となる。サンダーを5戦で退けたリラード擁するブレイザーズは、確固たる自信を得たと言えるだけに、次のラウンドでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみでならない。