「アデトクンボは多くの部分でレブロンと似ているね」とセルティックスのGMが言及

今季のMVP筆頭候補に挙がるアデトクンボ[写真]=Getty Images

今季は主要3項目に加え、FG成功率でも自己ベストを残したアデトクンボ

 4月29日(現地時間28日)にスタートするイースタン・カンファレンス・セミファイナルで、ミルウォーキー・バックスとボストン・セルティックスが激突する。互いに緑をチームカラーとする両チームは、昨年のプレーオフ1回戦を最終戦まで戦い、ホームのTDガーデンでセルティックスが勝利した。

 あれから約1年が経過し、バックスは今季リーグトップの60勝22敗を残してプレーオフ全体のホームコートアドバンテージを獲得。今季から就任したマイク・ブーデンホルザーHCは攻防両面でバックスを飛躍させ、大黒柱のヤニス・アデトクンボはMVP筆頭候補というすばらしい称号を手にしている。バックスはデトロイト・ピストンズとのシリーズを4戦無敗で突破し、2001年以来初のカンファレンス・セミファイナルに臨む。

 一方のセルティックスも、1回戦でインディアナ・ペイサーズをスウィープし、万全の状態でバックスとのシリーズを迎える。今年のチームには昨年のプレーオフをケガのため全休していたカイリー・アービングゴードン・ヘイワードがおり、ロースター全体のプレーオフ経験値ではバックスを上回る。

 4月26日(同25日)、セルティックスのダニー・エインジGM(元セルティックスほか)が2年連続で対戦することとなったアデトクンボについて、地元メディア『The Boston Herald』へ語っていたので紹介したい。

 今年のオールスターでイーストトップのファン投票を獲得し、キャプテンも務めたアデトクンボは、シーズン平均27.7得点12.5リバウンド5.9アシスト1.3スティール1.5ブロックをマーク。主要3項目(得点、リバウンド、アシスト)だけでなく、フィールドゴール(FG)成功率57.8パーセントでもキャリアハイの数字を残した。

アデトクンボはピストンズとのシリーズで両チームトップの平均26.3得点をマーク[写真]=Getty Images

選手としての能力に加え、チームメートへ与える影響力も評価したエインジGM

 アデトクンボの万能戦士ぶりに、エインジGMは「彼は多くの面でレブロンと似ている。彼は有能なオールラウンドプレーヤーだ」と口にし、“世界最強のプレーヤー”と評されるレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)を比較対象に挙げている。アデトクンボは今季、3ポイントに関しては成功率25.6パーセントで、平均成功数も0.7本にすぎないものの、エインジGMは特に問題視していないという。

「シューティングが最大の弱点かもしれないが、もしアウトサイドショットを決めることができなくても大きな問題ではない。スコアリング面で彼はすでに脅威だし、オフェンスをクリエートできるから非常に効果的なんだ。レブロンもキャリアを重ねることですばらしいシューターになっていったから、ヤニスもうまくなっていくだろう。あの2人が恐ろしいのは、ほかの選手たちよりも大きくてアスレティック能力も秀でていることに加え、オフェンスとディフェンスの両面で多彩なんだ」。

身体中からあふれ出る激しい闘争心もアデトクンボの魅力の1つ[写真]=Getty Images

 さらに、エインジGMはアデトクンボの身体中からあふれ出るバスケットボールへの情熱と激しさについても評価していた。

「私はヤニスが選手として見せるゲームへの情熱に感謝している。この部分はすごく過小評価されている要素だと思う。それに彼はチームに刺激を与えることができる選手なんだ。彼のチームメートたちは、ヤニスと一緒にプレーすることが本当に大好きなんだと見ていて分かるから」。

 ベストプレーヤーになるべく、コンディションを保ち、練習の鬼となりスキルアップに励んでいるアデトクンボは、キャリア6年目の24歳ながら、リーグ屈指の実力者へと変貌を遂げた。

 ピストンズとの1回戦に勝利した後、「セルティックスには昨年の借りがある」と口にしていたアデトクンボは万全のコンディションでセルティックスのディフェンス陣を崩壊すべく、積極果敢にアタックしてくるに違いない。

 知将ブラッド・スティーブンズHC率いるセルティックスが、アデトクンボという規格外の万能戦士に対してどんな策を用いてスローダウンさせるのか。両チームによるシリーズが楽しみでならない。

セルティックスとのシリーズでも、アデトクンボ(中央)はアグレッシブにペイントエリアを強襲することだろう[写真]=Getty Images

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