マレーとヨキッチが総得点の約半分を記録し、ナゲッツをウエスト準決勝へ導く
4月28日(現地時間27日)、3勝3敗で並んだデンバー・ナゲッツとサンアントニオ・スパーズによる運命のシリーズ第7戦が、ナゲッツのホーム、ペプシ・センターで行われた。
勝つか負けるかの大一番で、今季リーグトップのホーム戦績(34勝7敗)を誇るナゲッツがニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーを中心に躍動。試合をとおしてスパーズに一度もリードを許さずに最終スコア90-86で勝利を収め、2009年以来初のカンファレンス・セミファイナル進出。
ナゲッツではマレーがゲームハイの23得点に5リバウンド4アシスト、ヨキッチがトリプルダブル(21得点15リバウンド10アシスト)に3ブロックと、両輪が大活躍。2人でチーム総得点の約半分にあたる44得点をたたき出した。
「チームはきっと僕に何かしてくれると期待していたと思う。だから僕はコートへ出て、できる限り自分のベストなプレーをしようと心がけたんだ」と語ったヨキッチは、スパーズのディフェンスに苦しみ、フィールドゴール26投中17本をミスしてしまったものの、ターンオーバーをゼロに抑え、最後まで攻め続けて大黒柱としての役割を完遂。
ナゲッツのマイケル・マローンHCは「今夜プレーした我々の遂行力、粘り、そしてタフネスが大好きだ。彼らが終盤にランを仕掛けてきたとはいえ、我々は決して冷静さを失うことはなかった」とこの日の選手たちのプレーを評した。
低評価の中、歴代最長記録に並ぶ22年連続でプレーオフへと進んだスパーズ
一方のスパーズは、ベンチスタートのルディ・ゲイがチームトップの21得点に8リバウンド2ブロック、デマー・デローザンが19得点8リバウンド6アシスト2スティール、ブリン・フォーブズが19得点6リバウンド、ラマーカス・オルドリッジが16得点11リバウンド4アシスト3ブロックをマーク。
第3クォーター途中に17点ビハインドを背負ったスパーズだったが、決して逆転するチャンスがなかったわけではない。残り2分44秒で8点ビハインドの劣勢から、フォーブズの3ポイント、デローザンのフリースロー1本が決まり、残り52.2秒でフォーブズのダンクが決まり、2点差まで詰め寄った。
ところが、試合終盤にグレッグ・ポポヴィッチHCがディフェンスしていたオルドリッジに向けてファウルゲームを指示し、チームメートたちもオルドリッジへ叫んだものの、ペプシ・センターに駆け付けた1万9,725人もの大観衆の声援にかき消されてしまい、ファウルゲームを実行できず。
「試合後に思ったよ。『なんで彼らはファウルしてこないんだ?』ってね」とトーリー・クレッグが明かしたように、ナゲッツの選手たちも違和感を感じていたという。だが「彼は誰の声も聞こえなかった。ファウルしなかったからね」とポポヴィッチHCが振り返ったように、オルドリッジには届かなかった。「彼の声が聞こえなかったんだ。大観衆があまりにも熱狂的だったから」とオルドリッジは自分のミスだと口にし、今シーズンを終えることに。
2年連続でファーストラウンド敗退となったスパーズだが、今季は長年チームを支えたマヌ・ジノビリが引退、トニー・パーカーがシャーロット・ホーネッツへ移籍し、カワイ・レナード(現トロント・ラプターズ)がトレードで移籍するなど、戦力ダウンがささやかれ、プレーオフ進出を危ぶむ声もあった。
それでも、22シーズン連続の勝ち越しを決め、NBA歴代最長記録に並ぶ22年連続のプレーオフ進出を果たした。デローザンとオルドリッジを中心に戦い抜いた今季、スパーズがコート上で残した戦績は、決して悲観するものではないはずだ。
そのスパーズを見事に打ち砕いたナゲッツは、30日(同29日)からポートランド・トレイルブレイザーズとのカンファレンス・セミファイナルを戦うこととなる。